陸上自衛隊を舞台に青年たちの青春群像劇を描くフジテレビ系ドラマ『テッパチ!』(毎週水曜22:00~)。かつてお笑い芸人を目指していたおしゃべり好きの渡辺淳史を演じるのは、坂口涼太郎だ。

個性的な顔立ちや演技で「クセメン」と愛される坂口だが、このように呼ばれることについてどう受け止めているのか。また、自身を見いだしてくれた存在についても語ってくれた――。

  • 『テッパチ!』に出演する坂口涼太郎 (C)フジテレビ

    『テッパチ!』に出演する坂口涼太郎 (C)フジテレビ

■「みんなのことが大好きで、幸せな現場です」

――今回の出演オファーを受けての心境はいかがでしたか?

いままでに参加したことのないような作品でわくわくしました。

――脚本を読んでのご感想はいかがでしたか?

とても面白かったです。僕が学生の頃に見ていた『ウォーターボーイズ』のような雰囲気があり、「ああ、やっぱりこういうドラマ好きだなあ。見たいなあ」と思いました。

――演じられる役柄への共感点はいかがでしょうか。

僕の身体と心が渡辺淳史をやっているのでぜんぶですが、特に自分が凡人だと気づいているところに共感します。

――候補生キャストの皆さんは体づくりを行っていると伺っておりますが、具体的にどのようなことをされていますか?

自衛官候補生のみなさんがやられている腕立て伏せや腹筋などのメニューを日常的にやっています。第一班のみんなにおすすめの筋トレを教えてもらったり、筋肉に効く食べものや飲みものも教えてもらいました。

――成果のほうは、いかがでしょうか?

今まで踊り以外の筋力トレーニングをやったことがなかったのですが、やればやるほど筋肉がつくのが面白くて、自分の触り心地もいいし、洋服もきまるし、気持ちがいいです。

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――男だらけの撮影現場かと思いますが、その雰囲気やエピソードなどを教えてください。

性別関係なく、「この方たちでよかったな」と心底思うほど気が合うメンバーで、一緒にいてとても楽しいです。

まっちー(町田啓太)は矢面に立って僕たちを守り気遣ってくれながら寝ているときに足がつらなくなる漢方をくれたり、佐野(勇斗)くんは「どんだけバリエーションあんねん」と思うほど私服のコーディネートが毎回違っていつも楽しみだし、寛ちゃん(佐藤寛太)は僕の趣味である短歌を気に入ってくれて自作の短歌を贈り合う短歌友達になってくれたり、ときとぅー(時任勇気)はニコニコのベビーフェイスとは裏腹な大きくて屈強な体で寒がっている僕を温めてくれたり、はやてぃん(一ノ瀬颯)は究極的なコミュ力とインテリジェンスでどんなトークも拾いつつおすすめのプロテインさえ教えてくれたり、永ちゃん(池田永吉)はアザラシみたいにコロコロ転がってみんなを骨抜きにしているし、まいてぃー(藤岡真威人)は子犬みたいな寝顔でさらにみんなの小骨さえ抜くほどかわいらしいし、僕はもうみんなのことが大好きで、幸せな現場です。

――「イケメン」に対して「クセメン」と呼ばれて愛される坂口さんですが、それについてはどのように受け止めていますか?

誰もが誰かの「イケメン」であり、みんなそれぞれに違う癖をもっている「クセメン」で、僕にとっては僕を含めるみんながそれぞれに美しくて、愛しています。

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■本職の自衛官を目の当たりにして願うこと

――実際の駐屯地や演習場という異例の現場での撮影のご感想はいかがですか?

本物の環境でお芝居できることがとてもうれしいです。見えるもの、聴こえてくる音、匂いなど、普段の環境とは全然違うので、「ああ、候補生の方々はこんな空気の中で日々訓練をしているのだなあ」と実感できました。

――本職の自衛官の方の前で演じることの緊張感などはありますか?

近くにお手本にすべき本物の自衛官のみなさんがいらっしゃることはとてもありがたくて、迷ったり、分からないことがあるときはすぐに答えを教えてくださいますし、本物の立ち居振る舞いを見て学べるのでとても心強いです。休憩室で楽しそうに話していたり、コンビニで買い物をしている普段の姿もこっそり観察して参考にさせていただいてます。

――今回の役を演じられて、自衛隊・自衛官への印象は変わりましたか?

内側に入れさせていただいて、より自分たちと変わらない同じ生身の人間が厳しい訓練を経て、人を助けたり救ったり守ったりしているのだと本当の意味で実感できた気がします。駐屯地ですれ違う自衛官のみなさんは1人残らずかっこいいし、目に光が宿っていました。だからこそ、どうかその体得した技術や戦術を自衛官のみなさんがこの先使うことがないことを以前にも増して願います。

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■すべてを教えてくれた森山未來

――北村一輝さん演じる教官・八女に見いだされる形で候補生となった役柄ですが、ご自身において見いだしてくれた方、運命の出会いに当たる方はどなたになりますでしょうか?

初めてのオーディションでダンサーとして僕を選んでくださった森山未來さんです。表現するとはどういうことなのか、どうやって取り組むべきものなのか、未來さんの姿を見て学び、すべてを教えてくださいました。

――では最後に、ご自身の役の見どころを教えてください。

渡辺はたくさんの間違いを犯し、失敗します。けれど、すぐに間違いを認めて、失敗に気づきます。その気づきと成長を愛していただければ幸いです。

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●坂口涼太郎
1990年生まれ、兵庫県出身。森山未來の両親が経営するダンススタジオ「スタジオモダンミリィ」に通い、17歳で森山未來主演・演出のダンス公演『戦争わんだー』のオーディションに合格し、初舞台。2010年公開の映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』で俳優デビューを果たす。以降、映画『ちはやふる』シリーズ、『HiGH&LOW THE WORST』、ドラマ『なつぞら』『エール』『おちょやん』(NHK)、『ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~』(読売テレビ)、『恐怖新聞』(東海テレビ)などに出演する。