証券会社の口座を開設し、購入する銘柄も決定したら、いよいよ実際に株を買ってみましょう。と言っても、株を売買するにはどうすればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。いざ売買となって慌てないよう、株取引を始める前には、注文方法やあらかじめ決めておくことなどを最低限抑えておきましょう。今回は、ネット証券で注文を出す方法についてまとめてみました。

  • 株の注文方法と注意点とは?

■株の注文方法は「指値注文」と「成行注文」

株を売ったり買ったりする時には、売り注文や買い注文を出す必要があります。この注文方法は「指値注文」と「成行注文」の2種類になりますが、それぞれどのような注文の仕方なのかを確認してみましょう。

指値注文

指値注文とは、売ったり買ったりする値段を指定する注文方法です。たとえば、「200円の指値で1,000株の買い注文」といった具合です。指値注文の場合、買い注文の場合は指値以下の株価、売り注文の場合は指値以上の株価にならないと注文が成立しません。ちなみに、指値の買い注文を入れると、大抵の場合はその株価で約定しますが、まれに指定した金額より安く買えることもあります。

さらに、注文の有効期限を決めることにより、その期間内は注文を継続させることができます。通常、株の売買注文は当日限り有効で、その日の取引時間が終われば注文は失効してしまうものですが、期限を先の日にちまで設定しておけば、その期間内は注文が継続するのです。最長何日まで注文を継続させることができるかは、ネット証券によって異なりますが、一週間程度のところが多いようです。

成行注文

一方、成行注文とは、値段を指定しない注文です。「成行で1,000株の売り注文」といった使い方をします。取引時間中の成り行き注文ですと、買い注文の場合はその時出ている最も低い売り注文の価格で即注文が成立し、売り注文の場合は最も高い買い注文の価格に対応して成立します。

成行注文は、指値注文よりも優先的に約定される決まりになっているため、一般的には、急いで株を売りたい(買いたい)時に利用できますが、自分が思っていた価格で売買できないこともあるため、基本的には指値注文を使うのがおすすめです。

■株注文を出す時の注意点は?

では次に、株の注文を出す時に気を付けておきたいことを確認してみましょう。

指値注文は、自分が希望する価格で株を売ったり買ったりできることがメリットです。一方、買い注文を出す時は、指定した株価以下に下がらなければ買うことができませんし、売り注文を出す時は、株価が指値以上に上がらなければ売ることができません。たとえば、「あともう少し下がったら買おう」と指値注文を出しておいたにも関わらず、株価がその金額まで下がらず上昇を続けてしまうことはありますし、その逆のパターンもあり得るでしょう。その場合、売買チャンスを失ってしまうことになります。そのため、指値注文は「絶対にその価格で取引がしたい」という時のみに利用するなど、使い方には注意しましょう。

成行注文は、すぐに注文が成立する反面、予想以上に高い価格で買うことになってしまったり、非常に低い価格で売ることになってしまったりするケースもあります。特に、日々の売買高が非常に少ない銘柄で成行注文を出す場合は、注意が必要です。

注文を出す前にあらかじめ決めておこう

最後に、スムーズに株の売買ができるよう、指値注文か成行注文かのほかに、下記の3つのことを注文前に決めておきましょう。

銘柄名か銘柄コード

まず、前もって売買したい銘柄をしっかり決めておきましょう。株の注文を出す時は、銘柄名か、4桁の銘柄コードを入力します。

取引する株数

株を売買する際には、買いたい(売りたい)株数を決めておきます。銘柄によって、100株、1,000株など売買単位が異なります。入力の際は、桁を間違えないように注意してください。

いつまで有効な注文にするか

注文を当日限りではなく先の日にちまで延ばしたい場合は、期限を指定しておきましょう。


株注文のイメージはできたでしょうか。めまぐるしく変わる株価を目の当たりにすると、はじめは戸惑ってしまうかもしれません。だからこそ、注文方法をしっかり予習して、慌てることのないようにしてください。2つの注文方法を上手に使い分け、しっかり利益を追求していきたいですね。

■ 筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。