こんにちは。人間・人生探求の一環として男女関係をテーマとしているライターの春日奈々です。「熟年離婚」を未然に防ぐことをテーマにした連載も今回で7回目。話の内容も、より具体的な対策方法となり、佳境に入ってきましたね。それでは、これまでのお話をおさらいしてみましょう。

  1. 離婚は金銭的にも精神的にも損である
  2. まずは、妻の心情を理解することが肝心
  3. 妻が抱える不安や不満を取り除く努力をする

さて今回は、こうした「妻対策」からいったん離れ、異なる角度から離婚を回避する方法をお教えします。妻に歩み寄るばかりが、離婚回避のすべてではありません。「別れたくない」と妻に思わせるような男にあなた自身が変身するのも1つの方法ですよ。では、どうやって「輝く夫」に生まれ変わるのか、簡単な方法をお教えしますので、あなた自身の「輝き」を取り戻してみましょう。

趣味を通して仕事以外の「仲間」を作る

昨今「オヤジバンド」や「登山サークル」などが注目を浴びています。TVや雑誌でも頻繁に特集が組まれる中高年男性の趣味活動。これが案外「熟年離婚対策」にも効果的なのです。

つまり、夫が仕事以外に趣味を見つけ、サークル活動を開始する。これまで、家でゴロゴロしていた夫が、なんだか急に明るくなり、妻は「あら?」と好奇心を煽られて、夫とともにサークルに参加してみると、そこは楽しい社交場。仲間と活動する夫は、楽しそうに輝いていた。妻は、新しい夫の魅力に気が付き、夫への関心が生まれる。こうして夫婦一緒に社交活動をしていくうちに、会話も増えて、夫婦仲がよくなる好循環が生まれます。

ポイントは、趣味を通じて仕事以外の「仲間」を作ることです。一人で黙々とこなすだけではなく、サークルの中に入って他の参加者と交流してみましょう。「趣味友」は、仕事や組織の人間関係とは違い、上下関係や利害関係もなく、気軽なものです。趣味を通じて気の合う仲間をみつけ交流していけば生活にも張りができ、硬かったあなたの表情も和らぎます。これが、家庭にもよい影響を及ぼすのです。

西沢まさおさん(仮名、59)も、趣味のカントリー・ミュージックを通して、離婚の危機を乗り越えたといいます。
「妻との関係は、長い間最悪だった。家に帰りづらくなり、2カ月間ほどホテルを転々としたこともあったくらいだ。そんな時、ふとしたきっかけで学生の頃に流行っていたカントリー・ミュージックが懐かしくなり、ライブハウスに顔を出す。久々に昔を思い出して楽しい気持ちになり、その後、同じバンドのライブに通ううちに常連さん達と仲良くなってワイワイ楽しむようになった。ある時、意を決して妻を誘うと、驚いたことに日頃冷たい妻が付いてきてくれた。ライブでは妻も楽しそうに常連さん達と交流していた。それ以来、夫婦でライブに出かけている。当然、夫婦の会話も増えたし、一緒に笑い合うことも最近はできるようになった」

一方、西沢さんの妻 玲子さん(51)は、
「仕事人間でとっつきにくく、まるで部下のように自分を扱っていた夫が、突然変わった。まず、表情が柔らかくなった。浮き浮きとして、土日にでかけることが多くなり、最初は浮気を疑った。でも、ライブハウスに通っていることを自分から打ち明けてくれて、私を誘ってくれた時は、なんだか嬉しかった。ライブハウスのマネージャーさんや常連さんも親切にしてくださるし、今では夫婦同伴で楽しめて、いいんじゃないかしらと思っている」
とのことです。夫がよい方向に変わったことで、すれ違いの多かった夫婦が歩み寄るきっかけができたようです。あなたも趣味サークルをみつけて、夫婦で参加してはいかがでしょうか。