今日の一杯に選んだのは、茅場町の「亀よし」(東京都中央区)。東京メトロ「茅場町」駅から徒歩10分弱。霊岸橋を渡り、隅田川方面に永代通りを真っ直ぐ。永代橋手前にあるスタンドそばである。

「きんぴら天そば」(税込380円)

30~40人OKな広々空間

「細切り蕎麦 のどごし一番」「鰹節自慢のつゆ」と銘打たれた看板。入口、そして中に入ったところ2カ所に券売機がある。店頭には短冊でメニューが並んでおり、これを見ながら漠然とセレクトする。かき揚げそばやカレーそば、もりそばなど、取り立てて変わったメニューはない。

さてどうしようかなとふと目をやると、短冊の脇に、紙で貼られた「きんぴら天そば」の文字。オープン当初にはなかったメニューなのだろうか。きんぴら天というのも聞きなれない。お値段は380円と格安の部類。では、せっかくだからとこちらに決定して、店内に入る。

亀よしは広い。右手が厨房。左手と正面奥側がテーブル席及び立ち食いカウンターになっており、30~40人は入ると思う。特に4人がけのテーブルが多く、さながら大衆食堂のような様相も呈している。訪問したのは、ランチタイムも落ち着き始めた平日14時前。それでも客は7~8人はいたか。

きんぴら天は香るカツオダシと

そばは1分ほどで完成。箸と水は中央の立ち食いカウンターにあるので、こちらから持っていくのを忘れずに。「きんぴら天」とはどういうものかと思っていたが、どうやらゴボウとニンジン(細切り)のかき揚げのようだ。揚げたてではなく、大きさはそれほどでもないが、独特の歯応えがあり、見た目よりボリュームを感じる。

麺は細く、蕎麦の風味もしっかりとしているのはさすが、蕎麦屋激戦区・日本橋のクオリティ。舌触りも滑らかである。色が濃いツユは、カツオダシの香りが強力で、塩気より旨味のパンチが勝っている。「看板に偽りなし」とは、正にこのことか。

「亀よし」へは東京メトロ「茅場町」駅から徒歩10分

東京、日本橋、人形町、茅場町界隈は立ち食いそばの名店が多く、この連載でも度々紹介させていただいている。その中では一見華やかさに欠ける面もあるが、確かなレベルを担保しているのはさすがだ。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。