朝のウォーキングを兼ねてお目当ての立ち食いそば屋に向かったところ、開店時刻を過ぎても一向に開く気配がない。天気予報では「3月下旬頃の気温です」と報じていたが、それでもやはりじっと待つのは寒い。そんなわけで方針転換、今回の一杯は「いわもとQ 高田馬場店」に決まった。

  • 「野菜たっぷりそば」(520円)と「小鶏天丼」(250円)

営業時間の心配が無用な、年中無休24時間営業の立ち食いそば店である。「いわもとQ」はチェーン店で、現在は高田馬場の他に、歌舞伎町、池袋、神保町に店舗があるようだ。歌舞伎町店はこの連載の「第20回」(2016年)で取り上げた以来である。高田馬場店は、東京メトロ東西線「高田馬場」駅1番出口から徒歩1分。さかえ通り商店街のアーチをくぐって比較的そばにある。両隣もお向かいも、さらにその先もずっと飲食店が続いていて、学生を中心に絶えず人が行き交っている。

クラシックが流れる店内でそばを待つ

間口は狭く、奥行きも浅い。入ったところに券売機がひとつ。2人がけテーブルが4脚、右手の壁沿いが立ち食いカウンターで、一人分のスペースが仕切りによって区切られている。テーブルやカウンターには無駄な設備はなく、箸や七味、もちろん給水機も正面奥の厨房カウンターに設置されている。店内に響くのはクラシック音楽。

「いわもとQ」といえば、茹でたて・揚げたてが特徴のひとつ。またそば麺も自社製麺であったりするなど、こだわり深い丁寧なそばを頂くことができる。天ぷらが強く、盛り合わせの天ぷらセットや天丼、鶏天丼、かき揚げ丼のセットが写真入りで推されていた。そばももちろん、かき揚げや海老天、鶏天、いか天、ベジ天などが並び、とろろそばやおろしそばなども揃えている。豊富なメニューの中から選んだのは「野菜たっぷりそば」(520円)と「小鶏天丼」(250円)。

具がどっさり"225g"で食べ応え満点

食券を渡し、かけ(温かいそば)である旨を伝えると半券を返却され、番号で呼ばれる仕組み。かかった時間は3~4分。さて、実食。まずは鶏天を一口。ホロッと柔らかい鶏むね肉の天ぷらで、なかなかにパンチの強い濃いめのタレがかかっている。そばの上には、もやし、キャベツ、にんじん、ピーマン、ネギがどっさり"225g"、さらに揚げ玉が散らしてある。野菜だけであっさりしすぎないようにコクを加えているのだろう。野菜の歯ざわりと甘みが愉しい。こだわりのツユと麺だけあって、スピードと価格重視の立ち食いそばではあまりお目にかかれない品の良さがある。

  • 東京メトロ東西線「高田馬場」駅1番出口から徒歩1分の「いわもとQ 高田馬場店」

昼時12時頃、先客は1名だけだったがこの後食べている最中にどんどん増え、最終的にはほぼ満員になる。混むと人とすれ違うのも大変なので、返却口まで少し手間なのが唯一の難点なくらいレベルの高い店。高田馬場には名店・良店が多いが、選択肢として知っておくべき店のひとつだろう。

著者:高山洋介

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作