今日は、赤坂の立ち食いそば店をご紹介しよう。「2510 赤坂店」の最寄りは、東京メトロ銀座線「溜池山王」駅。歩いて1分の好立地にあるこの店は、調べるところによると、ファミリーレストラン「ジョイフル」が経営しているらしい。この赤坂店は、ジョイフル発祥の地の大分市に次いで、今年オープンしたばかりの2号店。「2510(にごじゅう)」とは変わった屋号だが、大分の方言で「あたりまえ」という意味があるそうだ。

  • 赤坂の新顔「2510」で、大分名物とり天がのった「とり天蕎麦」を注文

    「とり天蕎麦」(750円)

大分の郷土料理も味わえる一軒

店のウリは、「十割蕎麦」と「焼き鳥」。よくある立ち食いそば兼居酒屋の業態をとっており、アルコール類の提供もある。店先と店内に1台ずつ置かれた券売機に「おつまみ」のボタンがあるので、さながらキャッシュオンスタイルか。

本日のセレクトは「とり天蕎麦」(750円)。土地柄なのか、なかなか強気な価格設定。ジョイフル云々の話は後から知ったのだが、とり天といえば大分の郷土料理でもある。それを意識してのメニューなのだろう、店のオススメになっていた。

店内は、うなぎの寝床のようになっている。間口は人がすれ違うのにも気を遣うほどだが、奥はかなり深くまで伸びている。BGMはジャズかなにかが流れており、オトナの雰囲気演出に一役買っている。左手側が厨房、右手が立ち食いカウンターで、突き当りが座席になる。

食券を購入した時点でオーダーは通っているようで、手元に持ちながら番号が呼ばれるのを待つ格好だ。訪問は11時40分頃。そろそろランチタイムとあって、7~8人の客入り。そばの完成にはそれなりの時間がかかる。自分の場合で4~5分は待ったか、回転はよくないかもしれない。

香り豊かな本格派の十割そば

とり天は別皿で、お盆に載せられている。一口サイズが計6個。少ないかな、と思ったが、そばの上に置けば十分な量だった。揚げたて熱々でジューシーなので、もしかしたら別々に食べた方が美味しいかもしれない。そばは、さすが十割、口に運ぶまでもなく香りが全然違う。植物性の渋みのようなものをほのかに感じる本格派。透明感のあるツユは、塩気をほとんど感じず、強い旨味が勝り切っている。

  • 東京メトロ銀座線「溜池山王」駅から徒歩1分の好立地にある「2510 赤坂店」

夜、帰宅前などに時間がとれる方は、十割のもりそばと焼き鳥で一杯やってみるのはいかがだろうか。今回の昼の印象とは全く異なる一面を感じられるのだろうな、などと推し量りながら店を後にした。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。