会社員の副業や複業が当たり前となり、個人レベルでの起業も珍しくないなど、現代の働き方は一昔前に比べて非常に多様化してきています。それはすなわち、自らの優れたアイディアやスキル次第で、いくらでも仕事を生み出せるということを意味しています。

では一体、どのような知識や技術を有していれば仕事に結びつきやすいのでしょうか。本特集では、5人のFPの方に独自の視点で考えてもらった「これからの時代でお金を稼いでいくために有利に働くであろう資格」を紹介していきます。

働き方の多様化により、副業や独立を考えている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、働き方が多様化するほど「私はどうしたらいいの?」と自身の仕事の方向性に悩む声も聞かせていただきます。今回は、20代はSEとしてサラリーマン勤務、30代でFP(ファイナンシャルプランナー)として起業した筆者の経験と全国から家計と仕事の相談を受けている実態を踏まえ、稼ぐために有利な資格をご紹介させていただきます。

資格取得前に適性と投資コストを考えましょう

稼げる資格として有名なものに医師や弁護士、公認会計士がありますね。しかし、「稼ぎたい」という理由だけで気軽にチャレンジするのは難しい資格です。本人の適性の問題もありますし、合格するために費やす「時間」と学費や参考書代、受験費など、合格までには大きな「お金」を投資しなければなりません。

なので、今回はより多くの方にお役に立つように「働きながら取得できる」かつ「長く働くことができ、独立も可能」という視点でお勧めの資格3つをご紹介します。

1.中小企業診断士
2.FP(ファイナンシャルプランナー)
3. キャリアコンサルタント

それでは、順番にご紹介します。

経営コンサルタントの「中小企業診断士」

中小企業診断士とは、「経営の診断及び経営に関する助言」を業務とする経営コンサルタントです。国家資格です。

■幅広い知識が必要! 合格率は約5%

試験の内容は、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」が1次試験としてあり、2次試験は記述や口述、最後に実務補習・実務従事という3段階ステップが主な流れです。幅広い知識が必要であり、合格率(最終合格者数/申込者数)はわずか4~5%程度。難易度はかなり高めの資格です。

■豊富な知識を活かして活躍シーンは多岐に

筆者の知人には「中小企業診断士」を取得した方も多いため、活躍シーンが多岐にわたることを目の当たりにしています。具体的には企業内で管理職としてマネジメント業務に活かしたり、独立して中小企業の経営コンサルをしたり、全国の商工会議所で相談員・講師をしたり、自身が会社の経営者になったりとさまざまな活動シーンがあります。

日本は中小企業が多く 、社会情勢も刻々と変わります。なので、経営者の悩みやビジョンを伺い幅広い知識と知恵でアドバイスができる中小企業診断士は、今後もニーズが高いと感じています。

個人のお金の専門家FP(ファイナンシャルプランナー)

FP(ファイナンシャルプランナー)は生活に密着したお金の知識を幅広く学ぶことができる資格です。

■気軽にチャレンジできるお金の資格

FP(ファイナンシャルプランナー)の資格には2つの種類があります。国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能士3・2・1級」と民間資格である「AFP・CFP」です 。

FP技能士の学科試験は「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」があり、日本FP協会で実施された2019年の合格率は、FP技能士では3級は約70%以上、2級で40%以上です。FP技能士3級・2級は年に3回受験の機会があり、生活に密着した試験内容ですので、比較的気軽にチャレンジできるのではないでしょうか。

■企業務めから独立後の収入も見込める

保険・住宅・不動産などの会社に属しているFPが多く、その後独立も可能です 。筆者は金融商品を販売しないFPとして、家計や起業の相談・講師・執筆などの活動をさせていただいただき、シングルマザーで子どもを育てながら経済的な自立ができたのもFPの資格のおかげです。

資格の難易度が高くなく、チャレンジしやすいこともお勧めの理由です。また、家計や老後の不安を抱えている方は多いので、今後さらにニーズがある仕事だと実感しています。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、個々人の適性や職業経験に応じて職業選択や能力開発を効果的に行う専門家です。

■2016年4月より国家資格に

キャリアコンサルタントは、2016年4月より国家資格になりました。学科試験と実技試験(論述および面接)があり、個別に受験が可能です。キャリアコンサルタント国家資格は学科試験と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。学科試験と実技試験を同時に受験した場合の合格率は55~60%程度です。

■企業務めから独立後の収入も見込める

お勤めの会社の組織の人事・教育・人材開発部門で、採用や定着支援だけでなく、大学・公的機関・人材派遣会社などでも活躍の場があります。また、独立して企業などからの委託で新入社員研修や管理職研修、人材育成、従業員のキャリアカウンセリング、学校などでキャリア教育の指導者や講演活動などがあります。

国家資格化したことで、資格の信頼性、キャリアコンサルタントの社会的地位も高まり、今後ますます注目されることでしょう。

稼ぐために資格より大切な「発信」と「行動」

今回は、「働きながら取得できる」かつ「長く働くことができ、独立も可能」という視点でお勧めの資格3つをご紹介させていただきました。しかし、資格を取得してすぐに収入につながるとは限りません。稼ぐためには行動が必要です。

筆者は、恥ずかしながらお金には全く無頓着で何も知らないところからFPの資格を取得し、副業・起業しました。そして、資格の勉強をしている最中から「お金の知識」などを社内や社外で発信していたのです。今から思うとその「発信」のおかげで仕事の依頼が来て、仕事の幅が広がりましたので、収入アップの大きなポイントだったと振り返り返っています。

現代の働き方は一昔前に比べて多様化してきていますし、インターネットやSNSの普及で情報発信もしやすくなりました。これから先が不安な方、安定した収入を得たい方は、資格取得だけでなく、人のお役に立つような「発信」もぜひ実践してみてくださいね。

加藤葉子

(株)マイライフエフピー代表
子どもを授かったことをきっかけに、教育費や投資、学資保険の仕組みなどに興味を持ち勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。NHKのコラム執筆がきっかけでFPとして起業。現在は、全国の女性からのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として年間700件の活動をしながら、ファイナンシャルプランナー向けの実務講座も運営。「女性とシングルマザーのお金の専門家」を運営