みなさんこんには。節約アドバイザーの丸山晴美です。『丸山晴美の節約道場! 年100万円貯めるためのマネーテクニック』では、Q&A方式で、年間100万円を貯めるテクニックを紹介しています。今回は、「家賃を払っているのがもったいない気がしてきた」という方からの相談です。
【Q】社会人になって5年目、一人暮らしも5年目の28歳です。最近、家賃を払うのがもったいなく感じるようになってきました。「頭金が無くても家賃並みの支払いでマンションが買える」などという広告を見ると、買った方が結果的には得ではないかと思う時もあり迷っています。来年の更新を控え、このまま家賃を払い続けるか、それとも住宅購入かアドバイスをお願いします。現在の貯金は普通預金口座に200万円ほどあります。
【A】住宅ローンを組んで払い終われば資産になる持ち家と、何年払い続けていても自分のものにはならない賃貸住宅とでは、持ち家の方が得になると思う方も多いようです。家賃を払い続けるのはもったいないと、私も同じように考えたことがあるので、お気持ちはよくわかります。
「頭金が無くてもいい」「家賃並みの返済」という理由での購入は時期尚早
ただ、頭金が無くてもマンションが買える、家賃並みの返済で…という理由で飛びつくのは時期尚早ではないかと思います。
そして、28歳という年齢も、購入するには難しい時期だと考えます。これは女性にも言えることですが、結婚などで家族構成が流動的になりやすい年齢であるためです。
仮にシングル向けの1LDKタイプの部屋を購入したとして、数年後に結婚をする際にその部屋をどうするかなど、賃貸であれば解約をして引っ越せば解決することが、購入した場合はそう簡単な話では済みません。
では、先読みをしてファミリータイプを購入した場合はどうでしょうか。結婚後も住み続けられるからお得だと考えるでしょうか。これには一理あるかも知れませんが、やはり結婚後に一緒に住む人と選ぶのがお互い納得できる物件選びができるのではないかと考えます。
不動産を持つと固定資産税が毎年かかり、マンションを購入した場合は住宅ローンの他に、管理費、修繕積立金がかかりますので、その分も考慮しなくてはいけません。
貯蓄額200万円も、頭金としては十分とは言えない
また、現在の貯蓄額200万円も頭金としては十分とは言えません。不動産を購入する場合は一般的に物件価格の3割を頭金として用意したいところです。
3割のうち、2割を頭金、1割は家具家電購入費用、不動産購入関連費用に充てるのが一般的です。また、頭金が少ないと借入金額も増えて、その分月々の支払いも多くなってしまいます。
借入金額 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
3,000 | 10 | 4,174 |
2,500 | 8.3 | 3,479 |
2,000 | 6.7 | 2,783 |
1,500 | 5 | 2,087 |
(※単位[万円])
(※金利2% 35年払い ボーナス払いなし 元利均等返済)
簡単なシミュレーションですので、実際の数字と若干異なることもありますが、借入金額が大きくなるほど、当然ですが月々の返済額が大きくなります。そしていくら低金利と言われるこの時代でも35年のローンを組むと利息の負担も小さくはありません。
現在の状況であれば、頭金を増やしてからでも遅くはない
頭金を贈与税の非課税枠を利用して増やす方法もあります。
親や祖父母等が住宅取得等資金を贈与する場合の非課税制度です。
平成24年は1000万円
平成25年は700万円
平成26年は500万円
と非課税枠が段階的に引き下げられています。
他にも、相続時精算課税制度(住宅取得等資金の贈与の特例)といったものもありますので、要件等を確認して上手に利用してみても良いでしょう。
こうした制度や住宅ローン控除といった住宅購入にかかわる優遇制度の要件や率、金額はその年度によって変わることもあるので、チェックしておくと良いでしょう。
また、住まなくなったら賃貸に出すという方法も考えられるかと思いますが、原則は借り主が住むことを条件に住宅ローンが融資されているので、場合によってはそれよりも金利が高いローンへの借り換えになることもありますのでご注意を。
現在の状況であれば、購入するための頭金を増やしてからでも遅くはないと思います。
執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)
外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。