前回は「二次元コード/バーコード決済」について解説しました。今回は、もっともメジャーなキャッシュレス決済といっても過言ではない、クレジットカードのメリットやデメリット、選び方を解説します。
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クレジットカードとは?
クレジットカードとは、クレジットカード会社が支払いを立て替え、あとで登録口座から決済金額分が引き落とされる「後払い方式」のカード決済です。代金の支払いだけでなく、公共料金の支払いや電子マネー・コード決済へのチャージも可能です。
クレジットカードの支払方法には、1回払いだけでなく2回払いやボーナス一括払い、分割払い、リボ払いなどもあります。リボ払いとは、クレジットカードの利用額にかかわらず、あらかじめ決めた金額を毎月支払う方法です。
クレジットカードには「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」などのブランドがあり、店舗によって決済可能なブランドが異なります。
クレジットカードの種類には、年会費無料で持てる「一般カード」の他にも、年会費がかかる「ゴールドカード」「プラチナカード」「ブラックカード」などがあります。
ただしクレジットカードは、原則として審査に通過しなければ発行されません。特に年会費がかかるゴールドカードやプラチナカードなどは、審査時に収入や社会的信用が重要視されます。
デビットカードやプリペイドカードとの違い
デビットカードは、決済をすると連携する口座からその場で利用金額分が引き落とされる「即時払い」のカード決済です。プリペイドカードとは、事前に残高をチャージして利用する「前払い」のカード決済で、「nanaco」や「WAON」「Suica」などがあります。
預貯金の残高以上の決済ができず、現金を使っている感覚に近いため使い過ぎを防げるのかデビットカードのメリットです。プリペイドカードも、基本的に残高を超えた決済ができないため、お金を使いすぎる心配は少ないといえます。
※銀行口座やクレジットカードを連携させると、残高不足のときに自動でチャージするプリペイドカードもあります
またデビットカードやプリペイドカードはクレジットカードのように入会時の審査がないため、学生でも所有しやすいです。
ただし高速料金やガソリンスタンドなどは、デビットカードで決済できない場合があります。プリペイドカードは、公共料金の支払いをはじめとした一部の決済に対応していません。
クレジットカードのメリット
クレジットカードのメリットは、以下の3点です。
ポイントを獲得しやすい
保険やサービスが付帯されている場合がある
利用できる店舗が比較的多い
ポイントを獲得しやすい
クレジットカードやデビットカードなどで決済をすると、決済金額に応じたポイントが貯まります。例えば「楽天カード」は、決済金額100円ごとに1ポイントの楽天ポイントが付与されます。
※2021年6月より公共料金や税金など一部の支払いは、500円につき1ポイントに変更
また「Visa LINE Payクレジットカード」で決済すると、決済金額の2%分のLINEポイントが還元されます。
さらにクレジットカードによっては、新規入会するとポイントがもらえる場合があるのです。例えば「au PAY ゴールドカード」は、新規入会後にau PAY 残高へのチャージやショッピングでの利用などの条件を満たすと、Pontaポイントが最大20,000ポイントもらえます。貯まったポイントは、1ポイント=1円として決済金額へ充当できるだけでなく、場合によってはギフト券やマイルなどに交換することも可能です。
ただし、ポイントには有効期限が設けられている場合があります。またキャンペーンで付与されたポイントは、用途が制限される場合がある点にも注意が必要です。
保険やサービスが付帯されている場合がある
クレジットカードには、以下のような特典が用意されている場合があります。
海外旅行保険やショッピング保険が付帯されている
空港のラウンジを無料で利用できる
レストランの食事が優待価格で楽しめる
空港から自宅まで手荷物を無料で配送してもらえる など
特典は、ゴールドカードをはじめとした年会費の支払いが必要なクレジットカードに付帯されている傾向にあります。また、年会費のかからない一般カードよりも、ランクの高いカードのほうが、付帯されている保険の保障額は高くなるのが一般的です。
利用できる店舗が比較的多い
クレジットカード決済は、コード決済や電子マネーが普及する前から利用者の多いキャッシュレス決済であるため、多くの店舗で利用できます。
店舗によっては、導入コストが低いといわれるコード決済が利用できないにもかかわらず、クレジットカード決済には対応していることがあります。コード決済で電子マネーを頻繁に使う方でも、クレジットカードを1枚持っておくと安心でしょう。