チャンネル ディズニーXD
この番組がスゴイ! アーロン・ストーン

ネトゲ廃人、地球を守るヒーローに

オンラインゲーム「ヒーロー・ライジング」内で最強を誇るプレイヤーである16歳の高校生チャーリー。彼が操る「アーロン・ストーン」はゲーム世界では伝説として君臨する超有名アバターだ。最強の装備とレベルを要するアーロンがオンラインすれば"キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!"とばかりに、友人たちが我先にと彼に助けを求めてくるほど。そのためにチャーリーは学校が終われば即帰宅。母親の目を盗み、ゲームに没頭する日々を過ごしている。そうしていつの日か、ひきこもり、宅配ピザを食い、トイレに行く間も惜しんでペットボトルで用を足す、典型的なネトゲ廃人の道を進み……はしない。

ドラマ内ゲームもおもしろそうな『アーロン・ストーン』。ゲーマーならさらに楽しめそうだ

実はコレ、普通のゲームではなかった。番組名は『アーロン・ストーン』。悪がはびこるゲーム内の設定はすべて現実で起こっていること。それに対抗する最強のエージェントを探すために、とあるハイテク企業が制作したものだったのだ。何故、ゲームでエージェントの資質がわかるのかは疑問だが、そのお眼鏡にかなったチャーリーは、現実の世界でもアーロン・ストーンとして悪を倒すことを依頼される。ビームを放つガントレットや、身を守るスーツなど、アバターと同じ装備まで支給され、ネトゲ廃人から一転、ヒーローへの道を歩き出すのである。

なんだか日本のアニメやライトノベルにありそうな設定だろう。だが、そこはディズニーが提供するドラマ。なんというか、とにかく健全だ。

なにしろ主人公のチャーリーはヒーローになる前から結構リア充。バスケ部に所属し、どうやら運動神経は抜群らしい。さらに隣に引っ越してきたコケティッシュな女の子からは、天才ゲーマーということで好意を持たれている。いろいろなものを犠牲に最強を目指してネットゲームをプレイしている人にとっては、ちょっと釈然としない思いが生まれそう。だが、子ども向けヒーロードラマにそこをつっこむのは野暮なのだろう。

とはいえ、オンラインゲームを題材としているだけに、ゲーマーならニヤリとするネタあり。多少なりともオタク臭が漂うヒーローというのはユニークといえよう。ドラマ内に登場するゲーム「ヒーロー・ライジング」も実際にリリースしてもらいたいところ。また、「ER13緊急救命室」でイヤミな外科医クレンショー役から180度変わった、J.P.マヌーによる主人公をサポートするコミカルなアンドロイドの怪演にも注目だ。

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