五反田のラーメンというと、どんなラーメンを想像しますか? 意外と、がっつりしたラーメンを想像する方も多いのではないでしょうか。平太周とか豚山とか……、平太周のラーメンの記事も既にアップしていますので、気になる方はぜひ。

しかし、今回は“こってり”とは真逆の“あっさり”ラーメン、「志那そばはせべ」をご紹介します。“あっさりラーメン”、“もたれないラーメン”、“都内で食べられる佐野ラーメン”、“もちもちピロピロ麺のラーメン”。そんなラーメンに興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

五反田の有楽街の一角にある「志那そばはせべ」

何度でも飽きずに食べたくなる「志那そばはせべ」。もう幾度となく訪問しています。とはいえ、夜に「志那そばはせべ」に行こうとすると、今でも若干緊張します。なぜなら、「志那そばはせべ」があるのは、なかなかに賑やかな有楽街だから。でも、遠目でも「志那そばはせべ」を認識できる店構えなので、方向音痴の筆者でも迷いません。あまり、有楽街でうろうろしたくないので、この店構えは本当にありがたい。ラーメンを食べるまでの労力は少ないほうが良いですしね。

「志那そばはせべ」の看板に、提灯に、青い暖簾。メニューはお店の外に大きく掲示されています。おまけに、店内でラーメンを食べている人まで見えるから、とっても入りやすい雰囲気。

早速、店内に入店してみると、外から見た通り先客が数名。皆さん一人でラーメンを食べに来ていました。とにかく、ふらっと立ち寄りたくなるお店なんです。

シンプルだからこそ伝わる素材の旨さ

券売機はなく、机にあるお品書きでメニューを選び、注文します。このお店の雰囲気も味がありますよね。悩んだ挙句、選んだのはシンプルな「志那そば」。ワンタンもおすすめなのですが、今日は一番シンプルなラーメンを食べたい気分。

平日の夜だからですかね、ワンオペでした。ですが、オーダーしてから3分ほどで着丼。

  • 志那そば(800円)

会計のお客さんも対応しつつ、片付けもしつつ。手際の良さに脱帽です。

湯気がすごい。写真じゃ伝わらないか……。そして、見た目の澄んだスープが食欲をそそります。レンゲでひと口。

おー、鰹出汁が効いている! 他にも鶏ガラとか入っているのか、スーッと体に沁みこむ感じのスープで、とてつもなく美味しいです。

飲んだ後の〆に良さそうと思う人もいそうが、個人的にはお酒飲む前に、ラーメンのスープを飲んでほしい! そんな極上のスープです。

お次は麺。「志那そばはせべ」の麺、本当に好きなんですよね。会計時にお一人様のおばさまも、店員さんに対して麺の美味しさについて熱弁してました(笑)もちろん、筆者は聞いていただけですが、おばさまの一言一句すべてに共感。やはり「志那そばはせべ」の麺は、特に人気ですね。

麺リフトすると、よくわかる“ピロピロ麺”。不揃いなのも、これまた良い。ちなみに、麺は、佐野ラーメンの本場から取り寄せているみたい。麺ののど越しは最高で、そして麺はもちもち。もちもちと言うと、重そうな麺だと思われそうですが、そんなことはなく、軽い麺です。程よい弾力があるという言葉のほうが正しいかもしれません。

昼だと、麺の大盛もしくは、ライスがつきます。残念なことに、夜は特に何もないです。こんな美味しい麺を大盛にできるなんで、贅沢ですね!

「志那そばはせべ」は、調べてみると”佐野ラーメン”という栃木のラーメンだそうで、確かに以前栃木で食べた”佐野ラーメン”ぽい。ただ、栃木で食べた”佐野ラーメン”より、「志那そばはせべ」のラーメンの方が筆者は好みです。ちなみに佐野ラーメンの最大の特徴は“麺”。青竹打ちと言って、竹を使って麺を打っています。「志那そばはせべ」の麺は、店内で青竹打ちはしていないですが、本場佐野から麺を取り寄せているそうです。

続いて、チャーシューいきましょうか。レアチャーシューのような流行のチャーシューではなく、昔ながらのチャーシューです。「志那そばはせべ」は流行にのらず、昔からの志那そばを作り続けている気がしました。ゆっくり噛めば噛むほど、旨味があふれるようなチャーシュー。“チャーシューが口の中で溶けるううう”、というコメントはありませんが、それでもこの「志那そば」には、このチャーシューが間違いなく合う気がしました。

こんなにシンプルな「志那そば」だからこそ、素材の味が引き立つのだと思います。小麦の値上げとかで、ラーメン業界も大変だと思いますが、末永く続いてほしいな。それから、繰り返しになりますが、「志那そば」は、〆の後ではなく、素面の時に味わってほしいです。