麺と湯気の向こうに、世の中が見える……。連載第9回は、カップ焼きそばの定番ブランドとして広く知られる「日清焼そばU.F.O.」から誕生した新商品。同商品の発売50周年を記念する商品の第1弾として発売された、ソース、麺、具材、ふりかけのすべてを"究極進化"させた「日清焼そばエクストリームU.F.O.」(税別259円)だ。今回はその一杯を、全国47都道府県のラーメンを食べ歩く井手隊長が、独自の視点で実食レポートする。

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50年目の覚醒。「日清焼そばU.F.O.」はまだ進化する

1976年の発売以来、日本のカップ焼きそば文化を牽引し続けてきた「日清焼そばU.F.O.」。鉄板で焼かれる香ばしいソース焼きそばの美味しさを、家庭で手軽に再現するというコンセプトのもと誕生し、濃厚でパンチのあるソースとその太麺で多くのファンを魅了してきた。

商品名の「U.F.O.」はその容器の見た目だけではなく、「うまいソース(うまい=U)、太い麺(ふとい=F)、大きいキャベツ(大きい=O)」というその商品特徴を表している。

その歩みは実に半世紀。50年という時間の中でブランドを維持し続けることがいかに困難かを考えれば、この存在がいかに怪物級であるかが分かる。時代ごとに改良を重ねながらも、U.F.O.らしさを失わない。そのバランス感覚こそが、長寿ブランドの核心だろう。

"エクストリーム"が覆した常識

  • 「日清焼そばエクストリームU.F.O.」(税別259円)。金色パッケージが力強い"究極感"を放つ

    「日清焼そばエクストリームU.F.O.」(税別259円)。金色パッケージが力強い"究極感"を放つ

そんな節目の年に登場したのが、「日清焼そばエクストリームU.F.O.」である。名前からしてタダモノではない感がバリバリだが、実際に食べてみると、その「エクストリーム」は決して誇張ではない。むしろ、「ここまでやるのか」と驚かされる完成度だ。

まず特筆すべきは麺。太さを約114%にアップしたというその麺は、箸で持ち上げた瞬間に伝わる重量感、そして口に運んだときのモチモチとした弾力に驚く。従来の「U.F.O.」も決して軽い麺ではなかったが、本作はさらに一段階上の極太化が図られている。

  • 蓋を開けた瞬間から伝わってくる、麺の太さ

    蓋を開けた瞬間から伝わってくる、麺の太さ

単に太いだけでなく、噛んだときの食感と粘りが絶妙で、まるで鉄板で焼かれた生麺のようなリアルさを感じさせる。この食感があるだけで、「カップ焼きそばは、あくまでカップ焼きそば」という前提が一度リセットされる。

そこに絡むソースもまた秀逸だ。濃さを約110%にアップした"濃厚つぶつぶソース"は香ばしさが一段と強化されており、湯切り直後から立ち上る香りですでに勝ち確だ。

甘辛のバランスに加え、つぶつぶのガーリックを加えたことでコクや奥行きを生み、極太麺に負けない存在感を放つ。麺とソースががっちり噛み合うことで、全体としての完成度が一気に引き上がっている印象だ。

  • 味の決め手は、濃さを約110%にアップした「もっとぶっ濃い濃厚つぶつぶソース」と「たっぷり青のり&紅ショウガ」

    味の決め手は、濃さを約110%にアップした「もっとぶっ濃い濃厚つぶつぶソース」と「たっぷり青のり&紅ショウガ」

さらに具材の充実度も見逃せない。キャベツはシャキッとした食感をしっかり残し、量も十分。肉に関しては具材の体積を約169%にアップしたことできちんと存在感があり、単なる添え物ではなく、味の一部として大きく機能している。カップ麺にありがちな「具は気持ち程度」という印象を覆し、食べ応えの面でも満足度は高い。

  • シャキッとしたキャベツと存在感のある肉で、食べ応え抜群な一杯

    シャキッとしたキャベツと存在感のある肉で、食べ応え抜群な一杯

総じて感じるのは、「U.F.O.はまだ進化できるのか」という驚きだ。50年という歴史は、普通であれば完成形として守りに入ってもおかしくない。しかしこの商品は、その歴史を踏まえた上でなお攻めている。しかもただ奇をてらうのではなく、よりリアルな焼きそば体験の方向にしっかりと進化している点が見事だ。

  • 麺・ソース・具材のすべてにおいてリアルな焼きそば感を堪能できる、攻めの一杯

    麺・ソース・具材のすべてにおいてリアルな焼きそば感を堪能できる、攻めの一杯

正直に言えば、これを食べてしまうと従来のカップ焼きそばに戻ったときに少し物足りなさを感じてしまうかもしれない。それほどまでに完成度が高いし、「ここまでできるなら、まだまだ伸びしろがあるのでは?」と思わせるポテンシャルを感じさせる。

50年続くブランドが、なおも自らの限界を更新してくる。その事実だけでも、この一杯を手に取る理由としては十分すぎるだろう。むしろこれは、記念商品というより、次の50年に向けた宣言なのかもしれない。