2016年第13週で最大のニュースはもちろんダイヤ改正。北海道新幹線や道南いさりび鉄道の開業だけではなく、JRも私鉄も第3セクター鉄道も興味深い内容ばかり。「乗り鉄」としては、JR名松線の6年半ぶり全線運行再開、福井鉄道・えちぜん鉄道の相互直通運転開始、東京メトロ副都心線・東急東横線など5社直通速達列車「Fライナー」の運行開始をはじめ、興味深い話題がたくさんあった。すべてを挙げるときりがない。

北海道新幹線新青森~新函館北斗間が3月26日に開業。新函館北斗駅など各駅で開業式典・出発式が開催された

そこで今回は、鉄道会社側ではなく、鉄道ファンに焦点を当てよう。北海道新幹線開業の喜びを行動で示した人々が報道されている。うらやましいぞ!(うらやま1回目)

最初に紹介するグループは、鹿児島県のJR指宿枕崎線山川駅から北海道のJR根室本線帯広駅まで旅した3名。パノラマ鉄道写真で鉄道を記録する「パノ鉄本舗」のメンバーだ。北海道新聞の報道によると、ダイヤ改正前日の3月25日に旅客機で鹿児島空港に降り立ち、翌日から無人駅となる山川駅で帯広駅までのきっぷを購入。3月26日から日本縦断の旅をスタートした。

メンバーのひとり「Chihiro Wada」さん(Twitterアカウント「@wadac」)は、Twitterで「祝北海道新幹線開業記念・山川 - 帯広日着旅行」と題して随時報告していた。乗車列車は山川駅4時42分発の指宿枕崎線1320D、鹿児島中央駅6時4分発「さくら580号」、新神戸駅10時15分発「のぞみ152号」、東京駅13時5分発「はやぶさ21号」、新函館北斗駅18時11分発「北斗19号」、南千歳駅21時32分発「スーパーとかち9号」で、帯広着は23時43分(2分延着)。乗車距離2809.3km。所要時間は19時間1分だった。

ご本人いわく「日本の広さを実感できた1日だった」とのこと。お疲れさまでした。そしてうらやましい!(うらやま2回目) 次回は「リニアと北海道新幹線全通の時に山川~稚内が日着できるようならトライしたい」とのこと。ご健勝を心よりお祈り申し上げます。

次のグループは逆方向。南日本新聞の報道によると、新函館北斗発の北海道新幹線始発列車からスタートし、新幹線を乗り継いで鹿児島中央駅まで最速列車縦断にチャレンジしたという。鉄道空撮で有名な写真家の吉永陽一氏ほか4名だ。

乗車列車は新函館北斗駅6時35分発「はやぶさ10号」、東京駅10時53分発「のぞみ27号」、博多駅16時17分発「さくら415号」で、鹿児島中央駅に17時52分着。乗車距離2326.3km。所要時間は11時間17分だった。北海道から鹿児島まで、乗換え2回で行けちゃうなんてすごい。皆さんお疲れさまでした。こちらもうらやましい!(うらやま3回目)

最後は東京~札幌間を列車で日帰りする旅。鉄道情報サイト「鉄道新聞」の編集長、福岡誠氏が実践された。北海道新幹線開業で東京~函館間の鉄道日帰りが可能となったことは各メディアで報道されたが、プレスリリースの時刻表を見ると札幌駅まで往復できる。ただし、札幌駅滞在時間は約3分。現地でカップ麺さえ作れない(普通作らないけど)。そんなアクロバティックな旅の様子をレポートしていた。

乗車列車は東京駅6時32分発「はやぶさ1号」、新函館北斗駅11時9分発「スーパー北斗9号」で札幌駅14時41分着。3分後の14時44分発「スーパー北斗16号」、新函館北斗駅18時36分発「はやぶさ38号」で東京駅に23時4分着。時刻表通りなら往路8時間12分、復路8時間20分、約16時間半の旅となるはずだった。しかし実際は、「スーパー北斗9号」が途中で3分遅れ、失敗寸前。なんとか回復して1分半遅れとなり、無事達成となった。札幌滞在時間はわずか1分半だった。

折返しとなる札幌駅までハラハラドキドキな展開だった。しかし、途中で北海道新幹線開業記念のおもてなしやプレゼントもあったようで、開業日ならではの旅を楽しまれた様子。もぅ、うらやましいったらありゃしない!(うらやま4回目)

ダイヤ改正は鉄道を便利にするために実施される。新路線の開通は地元の人々が最も喜んでいることだろう。そして鉄道ファンにとっても大切なイベントのひとつ。北海道新幹線「はやて」「はやぶさ」で一番乗りした人、名松線の運行再開一番列車に乗った人など、各地でダイヤ改正を楽しんだ皆さん、お疲れさまでした!