■深夜ラジオの“二人三脚感”

――Creepy Nutsの『ANN0』に関しても、まさに2人がステップアップしているのを併走している感じですよね。

先日は『情熱大陸』に出演しましたからね。単純にウイカさんしかり、Creepy Nutsしかり、一緒に仕事できているのがありがたいという思いしかないです。単純に注目を集めていく姿を見られるのはうれしいですしね。で、リスナーもそれはうれしいんじゃないでしょうか。近い距離感の人が夢を叶えていくというか。“夢ラジオ”じゃないですけど、だからこそ応援してくれているんだろうなって。僕もリスナーと近い立場で彼らを見ています。

――Creepy Nutsも単発時代から担当されているので、金子さんの思い入れも強いのでは?

特別ですね……“アチい”ことをやっぱ言いたいんで(笑)。エフエム群馬の直属の先輩が今はTOKYO FMにいるんですけど、最近、その方から「JUNKやANNでスタッフの名前が出てくるのって特殊だね」と言われてハッとして。テレビの現場だったら、なかなかそういう風にならないと思うんですよ。番組の中でスタッフさんの名前はほとんど出てこないし、タレントさんと直接話さないなんてこともあると思うので。作家さんもそうですけど、深夜ラジオでそうやって“二人三脚感”が出るのは距離が近いからこそだなと。

「エンドレスエイト」についてウイカさんも含めてみんなで考えて、「ここはこうしたらいいんじゃないか?」って話しているときに、「放送サークルっぽいなあ」って感じたんです。入ったことないからわからないんですけど(笑)。とても“文化祭っぽい”から、それは思い入れも強くなりますよね。Creepy Nutsもそうだし、三四郎もそうだし、SUPER BEAVERの渋谷さんもそうだし。

――放送時間以外のR-指定さん、DJ松永さんはどんな雰囲気ですか?

もちろんずっと“あれ”じゃないです(笑)。放送中はオンのスイッチを入れてますから。ただ、日本語ラップを紹介するコーナーの曲を決めるのがメッチャ遅いんですよ。だいたい中身の打ち合わせが終わって、「じゃあ、曲を決めてください」って伝えると、放送30分前までにはハッキリするんですが、たまに全然決まらず、最初のCM中になることがあって(笑)。

そういうときって、彼らは本当にヒップホップが好きだから、かけたい曲がいっぱいありすぎて、「これもいいな、あれもいいな」ってずっと2人でやってるんですよ。メッチャ仲良いなと。曲を決めるはずが「この新譜聴いた?」みたいな話で盛り上がっちゃって、「曲決めねえなあ……」って眺めているときもあります。

――お2人らしい話ですねぇ。

『ANN0』を始めるとき、唯一2人が言ってきたのは、「先輩の曲をかける日本語ラップのコーナーをやりたい」ということなんです。時間がなくてたまにカットしちゃうんですけど、それが2人のやりたいことなんであれば、エンディング前に絶対やりましょうという話をしました。先ほども話した通り、パーソナリティがやりたいことは形にしたいと思っているので。

■金子司
大学卒業後、2011年にエフエム群馬入社。2016年にサウンドマン(現在のミックスゾーン)に転職。現在はニッポン放送『三四郎のANN』(毎週金曜 25:00~)、『ファーストサマーウイカのANN0』(毎週月曜 27:00~)、『Creepy NutsのANN0』(毎週火曜 27:00~)などを担当。また、この秋から『オールナイトニッポン』のチーフディレクターに就任。