投資と預貯金の違いは、リスクの違いです。預貯金は一定範囲(1つの金融機関あたり1,000万円)の元本保証がありますが、収益は微々たるものです。若い世代が将来に向けて資産形成を行っていく過程で物価が上昇したら、相対的に資産は目減りしてしまいます。リスクはありますが、収益も多く期待できる投資を一定比率組み入れていく必要があります。

とはいっても、高収益だけを期待してやみくもに投資することは感心できません。有利な非課税商品や、自分で容易にリサーチでき、比較的安定して収益が期待できる企業の株式などからスタートしてみるとよいでしょう。

NISA(ニーサ)

イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルの日本版としてNISA(Nippon Individual Savings Account)が2014年1月よりスタートしました。上述の非課税商品に該当するのがNISAです。

通常は株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、5年間の非課税期間内に売却すれば非課税となります。その間に毎年受け取った配当金も非課税対象です。毎年120万円の非課税投資枠が設定されていますので、下図のとおり、最大600万円の非課税枠が確保可能です。

  • NISAの仕組みを理解しよう

    NISAの仕組みを理解しよう

NISAについてはいくつかの注意事項があります。まず、1人につき1口座までの開設に限られます。金融機関の変更は可能ですが、変更する年の9月末までに手続きが必要です。その年の未使用枠は次年度に繰り越せません。

またNISA以外の金融商品と損益の通算はできませんし、株式などの配当金は証券会社を通じて受け取る場合のみ非課税となるといったルールがあります。制度をよく確認したうえで選択することが大切です。

ジュニアNISA

2016年度から始まった0~19歳を対象とした少額投資非課税制度です。年間80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託などの配当・譲渡益などが非課税対象となります。

つみたてNISA

2018年1月からスタートし、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。購入できる金額は年間40万円までで、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託の累積投資契約に基づく買付けに限られており、非課税期間は20年間です。