つらい花粉症の症状に悩み、さまざまな対策グッズを試したり、薬のお世話になっていたりするという人は多いことだろう。

花粉症の薬を使用する場合、市販薬にするか医師による処方薬を選ぶかは、思案のしどころかもしれない。手軽に入手できるのが市販薬のメリットだが、効果にはやや不安が残る。医療機関であれば適正な診断と自分に合った処方薬が期待できるものの、敷居が高いと感じる人もいる。普段は市販薬に頼って、あまりにも症状がひどい場合には医者に行く、といった使い分けもあるかもしれない。

今回は、花粉症に悩むマイナビニュース会員343名にアンケートを実施し、どのくらいの割合の人が医療機関を受診しているかを聞いた。また、実際に受診した経験がある人には「花粉症で受診する理由」も併せて語ってもらったので、紹介しよう。

  • 花粉症による受診経験の有無を300名に聞いた - 「命にも影響すると思った」

    花粉症による医療機関の受診経験ってある?

Q.花粉症の症状を診てもらおうと、これまでに受診した経験はありますか

はい(62.1%)

いいえ(37.9%)

Q.なぜ、医師に診察してもらおうと思ったのかを教えてください

1位: 症状があまりにもひどく、不安になった(25.4%)

2位: 市販薬よりも医師の診察の方が安心できる(21.1%)

3位: 市販薬はどれがいいかわからず、医師に診察してもらった方が早いと感じた(10.8%)

3位: 市販薬の効き目を実感できなかった(10.8%)

5位: 保険が適用される(9.9%)

■症状があまりにもひどく、不安になった

・「症状があまりにもひどく、治まりそうになかったから。また、どの植物に対する花粉症か確かめたかった」(50歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「こんなにもひどいと、命にも影響するのではないかと思った」(43歳男性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)
・「検査を受けて、原因を明らかにしたかった」(51歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「仕事上での悪影響が出てきて、会社にも取引先にも迷惑がかかるので、できることは何でも対策してみようと思った」(58歳男性/その他金融/営業関連)
・「初めて花粉症になったのが20代後半だったため、症状の理由がわからずに受診した。そこで花粉症だとわかり、自覚した。今でに感じたことがない症状で、だるくて初めは慣れずに苦労した」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「目と鼻が異常にかゆかったので受診した。その際処方された内服薬が自分には合っていなかったのかすごく眠くなったので、それ以後受診していない」(65歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「あまりにも症状がひどくてつらかった年があり、耐え切れずに医師に相談。自分の症状に合った薬や対処法を聞いておこうと思い、かかりつけ医に行った」(60歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)

■市販薬よりも医師の診察の方が安心できる

・「やはり医師に診察を受け、アドバイスをもらったり投薬を指導してもらったりしたほうが安心」(71歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「医師に診てもらって、適正な治療をしたかった」(55歳男性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)
・「鼻炎はもちろんですが、何の花粉のアレルギー症状なのかを知りたかった」(50歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「病院で処方される薬の方が確実に効く」(36歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「市販の薬だとなかなか効果が出ない場合もあるし、友人に病院の薬は非常に効くと教えられたため」(49歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「医者の勧める確実な対策法を、自分の日々に取り入れて安心感を得たいと思って」(43歳男性/サービス/専門サービス関連)
・「いろいろな市販の薬を試してみました。それぞれ一長一短はあると思うのですが、際立った効果のある薬に出会うことが難しいと判断したためです。とにかくもう何年もひどい花粉症に悩まされ続けているので、少しでも早くこの状況から抜け出したいというのがいちばんの希望です。医師に受診することでそれがかなうのであれば、仕事への悪影響を減らすことができ、職場の人たちにも迷惑をかけずにすみます」(58歳男性/通信機器/事務・企画・経営関連)

■市販薬はどれがいいかわからず、医師に診察してもらった方が早いと感じた

・「初めて花粉症になった時に医師に話を聞いて、市販薬選びの参考にしようと思った」(37歳女性/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)
・「やみくもに自己診断で対策をしても、効果が確実に実感できないため。専門医に診察してもらい、より効果的な対策を実践してみたいと感じたからです。処方される薬も、市販薬よりは効果がより期待できると実感しています。保険適用の薬なら、副作用も少なくてすむことも理解しています」(51歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「自分の症状に合う市販薬を選ぶためにも、まずは医師に正確な状況を診断してもらいたかった」(43歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/事務・企画・経営関連)
・「数年前までは市販の薬を適当に利用していたが、症状がひどくなってきた。市販の薬はどれを選択して良いかわからないので、病院に受診して自分の症状に合う薬を処方してもらおうと思った」(47歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■市販薬の効き目を実感できなかった

・「市販薬では症状の改善が見れなかったので、医師の処方薬で対処したい」(58歳男性/その他電気・電子関連/IT関連技術職)
・「数種類の市販薬を試したが、どれもイマイチだった」(31歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「最初は市販薬を使うが好転せず、結局、病院に行く羽目になる。なんだか無駄な費用がかかっている気がしたが、やはり症状は楽になる」(59歳男性/放送・新聞/クリエイティブ関連)
・「市販されている薬はあまり効かなかったし、それよりも病院に行った方が効く薬を処方してもらえると思った」(38歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■保険が適用される

・「元MRなので薬価や効果は把握している。自分が欲しい薬をもらいたくて」(31歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「市販薬は高くて、効きもいまひとつ」(47歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「保険が適応されるから、専門医に診てもらったほうがいい」(33歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

調査の結果、花粉症の症状で受診した経験がある人は62.1%となり、6割以上が受診経験があることがわかった。

医師に診察してもらおうと思った理由は、「症状があまりにもひどく、不安になった」(25.4%)が最も多かった。コメントでは、「仕事にならなかった」「生活に支障が出る」「今でに感じたことがない症状」「命にも影響」など、深刻な症状に悩み専門医に駆け込む様子が綴られている。

また、それと知ってしまえばある程度落ち着いて行動できるものの、初めて花粉症が発症した場合では不安に襲われることもある。医師の診断を受け、自身の病名が何であるかを知ることが安心につながる。検査によって何の花粉に反応しているのかがわかる点も大きいだろう。

2位は、「市販薬よりも医師の診察の方が安心できる」(21.1%)。万人向けに調整された市販薬よりも、医師の診察を仰いで適正な処置をしてもらった方がいいと判断している人が2割程度いることがわかる。実際に市販薬を試してみて、あまり効果が実感できなかったという体験談も多く寄せられている。

3位には「市販薬はどれがいいかわからず、医師に診察してもらった方が早いと感じた」と「市販薬の効き目を実感できなかった」(各10.8%)が同率でランクイン。2位と同様、こちらも市販薬では効果が薄い、あるいは信用できないという心理は共通している。寄せられたコメントも2位と3位では大きな差異はなく、自己診断での対策では限界があるとするエピソードが目立つ。5位「保険が適用される」(9.9%)では、保険の適用による費用面でのメリットを指摘する声が挙がった。

軽い風邪やちょっとした体調不良、軽度の腹痛や下痢程度では医者には行かない、という人は多い。ただ花粉症は、しばらく安静にしていれば症状が治まるという経験則が役に立たず、症状の緩和のためには薬や対策グッズなどの使用が不可欠な場合が多い。

自分に合ったアイテムに巡り合えればいいが、そうでない場合はコストや時間のロスを強いられることになる。その点、医療機関であれば検査によってアレルゲンなどが特定でき、適切な処置も可能となる。重い花粉症に悩んでいる人は一度、医師に相談してみるのもいいかもしれない。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2019年1月12日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 343名(男性261名 女性82名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート