東京都福祉保健局による平成28年度「花粉症患者実態調査報告書」によれば、島しょ地域を除く都内のスギ花粉症推定有病率は48.8%で、ほぼ半数の人が花粉症に苦しんでいることになる。花粉症による経済損失も膨大で、一説では数千億円にも及ぶとされる。その反面、近年は花粉対策の薬やグッズなどの市場規模も拡大しており、活況を呈しているようだ。

花粉症患者には、これからがつらい季節。街中にはさまざまな花粉対策のアイテムがあふれているが、皆どのような方法で花粉症をしのいできたのだろうか。今回は、花粉症に悩むマイナビニュース会員343名に「過去の花粉対策」をテーマにアンケート調査を実施。今まで試したことのある花粉対策とその効果のほどを聞いてみた。

  • 花粉症対策として市販の点眼薬や点鼻薬を使用している人は約4割だった

    花粉対策として市販の点眼薬や点鼻薬を使用している人は約4割だった

Q.これまでに試したことがある花粉対策を教えてください

1位: マスクを着用する(64.1%)

2位: 市販の点眼薬・点鼻薬を使用する(40.2%)

3位: 空気清浄機を使用する(35.0%)

4位: 市販の内服薬を使用する(32.9%)

5位: 病院で処方された点眼薬・点鼻薬を使用する(32.7%)

■マスクを着用する

・「花粉対策のマスクは手放せない。しないよりは多少軽減される」(45歳男性/設計/建築・土木関連技術職)
・「立体式のマスク。例年付けているが、付けている方が症状は軽くなる」(23歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「なんだか、気休め程度にしかならなかった気がする」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「使い捨てマスクを、外出時だけでなく洗濯物を取り込むときに使用すると、ほとんどくしゃみが出なかった」(58歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ある程度はましになったが、呼吸がしにくく手間がかかり止めた」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「濡れマスクを使用すると、しっとりして喉が潤う」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「安い価格帯の使い捨てマスク。症状の軽減よりも、人前で鼻水が漏れそうになったり、頻繁なティッシュ使用で鼻回りが赤くなったりすることを隠す効果があるため」(66歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「立体式マスクで症状が少し楽になった 」(39歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「マスクの中にガーゼを足した。少々緩和されている気がします」(50歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「使い捨てマスクを使用しているが、メガネが曇るのでついマスクを外してしまい、あまり効果がなかった」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■市販の点眼薬・点鼻薬を使用する

・「目薬を使用。少し経つと、ふっと症状が治まった」(30歳女性/銀行/営業関連)
・「市販の薬で目のかゆみが楽になった」(49歳女性/ビル管理・メンテナンス/専門サービス関連)
・「市販の点鼻薬を試してみたら、何時間かはくしゃみと鼻水が止まった」(50歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「花粉用目薬。あまり効かない」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「市販している特定の目薬は、花粉症による目の充血、痒み、ショボショボの緩和の効果があった」(41歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「目薬でゴロゴロ感が減った」(45男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)

■空気清浄機を使用する

・「空気清浄機のおかげで、室内で快適に過ごせる」(42歳男性/サービス/その他技術職)
・「空気清浄機を設置したことで、花粉症でダウンする日数が減少」(41歳男性/教育/専門サービス関連)
・「空気清浄機を買ったが、あまりピンと来ない」(26歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「室内で空気清浄機を使用。いくらかは症状が抑えられた」(51歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「空気清浄機で、自宅内での鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状が緩和された」(36歳女性その他/その他・専業主婦等/)

■市販の内服薬を使用する

・「市販薬の服用で、症状を大幅に抑えられた」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「市販の鼻炎薬を使っています。鼻水は止められるので、外出時に服用」(35歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「市販の薬は効くけれど、眠くなるので困る」(48歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「薬が効いている間は、なんとか動くことができる」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■病院で処方された点眼薬・点鼻薬を使用する

・「点鼻薬。数時間は鼻の通りが良くなる」(55歳男性/その他金融/営業関連)
・「病院からの目薬の効果で、例年よりかゆさがなくなった」(55歳男性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)
・「点鼻薬を使用することで、鼻がつまらなくなった」(45歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

調査の結果、これまでに試したことがある花粉対策として最多となったのは、全体の6割以上(64.1%)が支持した「マスクを着用する」だった。安価で手軽に手でき、花粉を物理的に防いでくれていることを実感できるマスクが、花粉対策の筆頭に挙がることには納得がいく。

ただ、「症状が軽くなる」「くしゃみが出なくなった」「楽になった」など評価する声がある一方で、「気休め程度」「あまり効果がない」とするコメントもあった。また、「メガネが曇って困る」という指摘も複数見られた。立体マスクや濡れマスクなど高機能のものを選んだり、安価な使い捨てタイプのものを頻繁に取り換えたりと、マスクの選び方や使用方法にも各自の工夫があるようだ。

2位は、「市販の点眼薬・点鼻薬を使用する」(40.2%)となった。近年、花粉症がメジャーになるに従って、各製薬会社も花粉症薬の開発に力を入れており、新製品も多く発売されている。自分の症状や体質に合った効果的なアイテムに出会えれば、心強い味方となるだろう。市販薬であれば医師の処方を必要とせず、入手しやすいこともメリットとなる。3位「空気清浄機を使用する」(35.0%)は、室内で快適に過ごしたいというニーズに応える対処法として評価されている。ただし機種によってはかなり高価なものもあり、気軽に試してみるというわけにはいかないかもしれない。

世に花粉対策を標榜したアイテムは数多いが、そのどれが自分の症状を和らげてくれるのか、なかなか見極められないという人もいるかもしれない。今回のアンケートは、長年花粉症に対する有効な対応策を見い出せなかった人や、不幸にも今年花粉症デビューを果たしてしまった人にも有益なものとなったのではないだろうか。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2019年1月12日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 343名(男性261名 女性82名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート