居酒屋のメニューに「自家製厚揚げ」という文字を見つけると嬉しくなってしまいます。

厚揚げはスーパーで気軽に手に入る食材ですし、大好物で家でもよく食べています。だからこそ、それがお店の手作りだと特別感がある。揚げたて熱々のカリッとした食感と、とろりとした豆腐の二重奏。たまりません。

  • とある酒場の自家製厚揚げ

ところで先日、ふと思ったんです。家でよく晩酌のつまみにしている、豆腐。これって、衣をつけて揚げ出し豆腐にするのではなく、そのまま素揚げしたらどうなるんだろう? って。

相変わらずおろかでしたね、自分。それこそが、厚揚げなんですよ。当たり前のことなのに、なんとなく豆腐と厚揚げを別の食品のように認識してしまっていた。だけど事実はシンプルで、豆腐を油で揚げた食品が厚揚げ。

今回はそこから思いついた、よりおつまみ特化型の自家製厚揚げを作ってみましょう。

「ころころ厚揚げ」で“おつまみ力”を最大化する方法

まずは木綿豆腐1丁を、1.5〜2cm角くらいのダイス状にカットします。目安としては、おみそ汁に入れるくらいの大きさでしょうか。ここが今回の最大のポイント。一般的な大きさの厚揚げではなく、ころころっと小さめに作ることで、失敗が少ないし、香ばしい表面部分の面積も多くなるし、ちびちびとつまみやすいという、理想のおつまみ厚揚げになってしまうんです。

  • こんな感じにカット

で、カットした豆腐たちを適度な大きさの鍋などに、重ならないように敷き詰めます。続いてそこへ、豆腐の半分が浸るくらいの油を注ぎましょう。たっぷりの高温の油でジャーっと揚げるのではなく、じわじわ揚げ焼きしていくイメージですね。理由としては、そのほうが楽ちんだから。

最初に強火にして油がじゅうぶん温まったら、あとは中〜弱火くらいをキープしつつ、あわてずじっくり揚げていきましょう。

  • 5分後

  • 10分後

時間はそれなりにかかりますが、たまに箸で転がしつつ様子を見ておいてやると、やがて豆腐の表面が黄色く色づきはじめます。ある程度周囲が固まりだしたら、もうあんまり慎重にならなくても豆腐が崩れることはなくなりますので、ざっくりと混ぜつつ全体がきつね色になるまで揚げましょう。

  • ほらもう厚揚げ

好みの色具合に揚げあがったら、あれば油切り網などにとって油を切ります(なければてきとーで)。ひとつひとつが厚揚げのミニチュアみたいで、なんだかかわいらしいのもいいんですよね。

仕上げにお好みで、醤油、かつお節、七味などをかければ完成!

  • 「自家製ころころ厚揚げ」

できたての厚揚げのいちばんのお楽しみといえば、やっぱりサクサクの外側部分。それがひと口ごとに味わえるって、やっぱりおつまみ的にかなり優秀なレシピだと思うんですよね。そのぶん、豆腐のとろ〜り感は控えめですが、きちんと豆の味は感じられるし、スナック感覚で食べられます。

ちなみに今回木綿豆腐を使っているのは、調理がしやすいから。以前絹豆腐で作ってみたこともあるんですが、柔らかすぎて途中で形が崩れてしまいました。

  • これも美味しかったけど

まぁこのへんは僕の腕の問題もあるでしょうし、自由にあれこれ楽しんでみてください。

作りかた(ひとりぶん)

【材料】

・木綿豆腐:1丁
・サラダ油:適量
・醤油やかつお節など、お好みの薬味
※すべての分量は目安です。お好みで調整してください。

【作りかた】

1.木綿豆腐を1.5〜2cm角くらいに切る。
2.豆腐を鍋に敷き詰め、半分が浸るくらいの油を注いで強火にかける。
3.油が沸いたら中〜弱火にし、たまに様子を見ながら全体がきつね色になるまで揚げ焼きにする。