夏真っ盛りのこの時期、バイクを持っている人はツーリングする機会も増えているのではないだろうか。今回はライダー向けのクレジットカードを紹介する。

Kawasaki/KAZEカード

「Kawasaki/KAZEカード」は「カワサキライダーズクラブKAZE」の会員カード。ジェーシービーとオリコの2社からクレジット機能付きカードも発行されており、カワサキのバイクユーザーでなくても申し込むことができる。

Kawasaki/KAZEカード/ORICO(左)とKawasaki/KAZEカード/JCB

「カワサキライダーズクラブKAZE」には「モーターサイクルKAZE」と「ジェットスキーKAZE」があり、ライダー向けのサービスが提供されるのは前者。ツーリング中のトラブル発生時に30km以内の車輌搬送が無料(車輌の状態や発生場所により有料の場合あり)などのロードサービスが受けられ、条件を満たすカワサキのバイク購入時には盗難補償にも加入できる。

また、2カ月に1回届く会員向けの情報誌では、ツーリング情報やバイクライフの楽しみ方を紹介。レースなどのイベント会場では、会員限定でウェアやグッズが当たるわくわくカード(スクラッチ)が配られる特典も。新車購入時にクーポンやグッズなどがもらえるキャンペーンもあり、提携する宿泊施設やレジャー施設などで優待も受けられる。

ポイント還元率も高く、1決済1,000円利用につき15ポイント。5,000ポイント以上貯まると、1ポイント=1円として、1ポイント単位でカード利用代金引き落とし口座にキャッシュバックできるため、1.5%の高還元となる。キャッシュバック時には銀行指定の振込手数料が差し引かれ、ポイント有効期限は3年なので、できるだけポイントをまとめて交換したほうが効率的だ。なお、ポイントはカタログギフトにも交換できる。

カードの年会費は1,350円で、初年度は無料。このほかに「モーターサイクルKAZE」の年会費として3,240円が必要となる。合計すると、2年目以降の維持コストは年4,590円となるが、単純計算で年間40万円利用すれば6,000円相当のポイントが貯まるため、キャッシュバック時の振込手数料が1,000円になったとしても年間コストを上回る。利用額が大きくなるほど、実質的に高い還元率を得られるカードだ。

H-Dカード

ハーレーダビッドソンに乗るなら、ぜひ「H-Dカード(ハーレーダビッドソンカード)」を検討してほしい。月合計1,000円利用につき15ポイントが貯まり、1ポイント=1円相当として、5,000ポイント以上1,000ポイント単位で「H-Dクーポン券」に交換できる。つまり還元率は1.5%。ポイント有効期限は2年間となっている。

フレアパターン(左)とV-Twinエンジン

「H-Dクーポン券」は全国のハーレーダビッドソンジャパン正規販売網の店で、車両やパーツ、ウェアなどの購入、修理代金の支払いに利用可能。クーポン券の有効期限は発行から6カ月なので、計画的にポイント交換することが上手に使うコツだ。カードの年会費は無料。券面デザインはフレアパターンとV-Twinエンジンの2種類から選べる。

2りんかんジャックスカード

「2りんかんジャックスカード」はバイク用品専門店「2りんかん」と提携したカード。通常年会費3,240円の2りんかんロードサービスが1年間無料となり、トラブル時に30分以内の応急修理、自走不能時に15kmまでのレッカーサービスが受けられ、自宅から100km以上遠方で自走不能の場合は帰宅費用のサポートもある。また、通常は初年度1,080円、2年目以降540円が必要なオイル会員年会費は、本カードの会員期間中ずっと無料に。基本工賃なしでエンジンオイルおよびオイルエレメントの交換サービスが受けられる。

2りんかんジャックスカード

2りんかん各店で本カードを使って支払う際は、2りんかんポイントが通常ポイントカードの2倍となる100円(税抜)につき2ポイント貯まる。2りんかん以外でカード払いをした際は、ジャックスのラブリィポイントが貯まり、通常は月合計200円利用につき1ポイント。ラブリィポイントはカード利用代金への充当、他の提携ポイントやマイルへの移行、各種商品への交換などに使えるが、本カードで決済している携帯電話利用料(ドコモ、au、ソフトバンク、Y!mobile)に充当すると1ポイント=1.1円相当(インターネットから交換申請の場合)。年間利用額に応じて、次年度のラブリィポイント付与率は最大2倍(年300万円以上利用時)までアップするため、還元率は最高で1.1%になる。

カード年会費は1,350円で、初年度は無料。年5万円以上のクレジット利用があれば、次年度年会費も無料となる。

ライダー向けのカードは、四輪車ドライバー向けのカードと比べ選択肢こそ少ないが、今回紹介した3枚は目的や利用スタイルさえハマれば、メインカードとして十分に活躍できるサービスを提供する優良カードだ。なお、ロードサービスに関しては、ほかにも実質年会費無料で利用できるカードがいくつかあるので、併せて持っておくと安心だろう。詳しくは過去の記事を参照してほしいが、なかには二輪車対象外のカードもある。目的を満たせるカードなのか、しっかり確認してから申し込もう。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。