昨年から今年にかけては、高還元と呼ばれるカードの改悪や募集停止が相次いだが、6月17日に最高2%の高い還元率で利用できる「アプラスアクシスカードプラス」の募集・発行が始まり、勢力図が新たに書きかえられた。今回はこの機会に現在発行されている2%還元を実現できるカードを紹介したいと思う。

■アプラスアクシスカードプラス

「アプラスアクシスカードプラス」

まずは前述の「アプラスアクシスカードプラス」。初年度の還元率は1%(月合計1,000円につき2ポイント)で、年間(毎年4月から翌年3月までの請求分)のショッピング利用額が50万円以上になると次年度は1.2%、100万円以上で1.5%、200万円以上で2%となる。

貯まったポイントは、Amazonギフト券、nanacoギフトなどに1ポイント=5円相当で交換可能。また、各種提携ポイントや、ANA、JALのマイルへの移行、ギフトカードや各種商品への交換も選択できる。

年会費は初年度無料で、2年目以降は通常2,160円だが、前年に50万円以上ショッピング利用していれば無料となる。なお、年会費無料で最高1.5%還元の「アプラスヤングアクシスカードプラス」も発行されており、こちらは25歳未満のみ申し込み可能。25歳以降最初のカード更新時に「アプラスアクシスカードプラス」に自動で切り替わる。

■ILLUMINATIONS CARD

「ILLUMINATIONS CARD」

「ILLUMINATIONS CARD(イリュミナシオンカード)」は、貯まったポイントを「Amazon限定デポジット」または「OZポイント」に交換した場合、初年度の還元率は1%(月合計200円利用につき1ポイント)。こちらも年間のショッピング利用額に応じて次年度のポイント付与率がアップする仕組みで、20万円以上なら次年度の還元率は1.4%、50万円以上なら1.5%、100万円以上なら1.7%、150万円以上なら1.8%、200万円以上なら1.9%、300万円以上で2%となる。

「Amazon限定デポジット」とは、Amazon.co.jpでの買い物を同カードで支払った際、請求時に代金が値引きされる制度のこと。有効期限は申し込み受付から3カ月となっている。また、「OZポイント」はOZmallでのホテル、レストラン、ビューティサロンなどの予約に利用できる。

カードの年会費は初年度無料で、2年目以降は通常1,620円だが、前年に5万円以上ショッピング利用していれば無料となる。また、海外は最高2,000万円、国内は最高1,000万円を補償する旅行傷害保険も付帯(海外は自動付帯、国内は利用付帯)。女性向けカードとして発行されているが、男性でも申し込み可能だ。

■Sony Bank WALLET

「Sony Bank WALLET」

ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」も、条件を満たせば2%還元となる。通常は国内加盟店でショッピングをするたびに、利用額の0.5%がキャッシュバック(月20万円が上限)されるが、預金や投資信託、外貨預金の残高に応じて優遇ステージがアップ。月末の預金と投資信託の総残高が300万円以上または月合計5万円以上の外貨預金の積立購入があれば、翌々月の1カ月間はシルバーステージとなり、還元率は1%。外貨預金残高500万円以上(円換算額)ならゴールドステージで還元率1.5%。外貨預金残高1,000万円以上ならプラチナステージとなり、還元率は2%になる。

カードの年会費は無料で、利用にはソニー銀行の口座が必要。なお、銀行口座から即時引き落としされるデビットカードのため、ガソリンスタンドや有料道路、一部の月額料金払いなどには利用できない場合がある。

■LINE Pay カード

「LINE Pay カード」

LINE Payの残高にチャージした金額を、JCBのプリペイドカードとして使える「LINE Pay カード」は、常時2%還元。100円利用につき2ポイントが貯まる。貯まったポイントはLINE STOREなどで直接使えるほか、LINE Pay残高にチャージすることも可能で、チャージ後にユーザー間の送金、指定の銀行口座へ出金(手数料216円)することもできる。

カードの年会費は無料で、利用にはLINEのアカウントが必要。事前にチャージが必要なプリペイドカードのため、ガソリンスタンドや有料道路、一部の月額料金払いなどには利用できない場合がある。なお、チャージは銀行口座(都市銀行および一部地銀)からの引き落とし、ペイジーでの振り込み、ローソンのレジ、ファミリーマート、サークルK・サンクス、ミニストップなどの店内端末から可能。銀行口座ならオートチャージも設定できる。

以上、クレジットカード2枚、デビットカード1枚、プリペイドカード1枚を紹介したが、それぞれにクリアしなければならないハードルがあるので、中長期的な目線で計画的に利用する必要がある。しかしながら、過去の例からも、高還元カードは制度変更や改悪のリスクを常に抱えていることは否定できないため、もしそうなった場合にも備えておくことが望ましい。カードを手に入れたからといって安心せず、情報収集は怠らないようにしよう。

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

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<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。