カード利用で貯めたポイントの使い道は多種多彩。今回はポイントを珍しい特典に交換できるカードを紹介したいと思う。

■千葉ロッテマリーンズ VISAカード

「千葉ロッテマリーンズ VISAカード」

まずはプロ野球、千葉ロッテマリーンズのオフィシャルカード「千葉ロッテマリーンズ VISAカード」。通常は月合計1,000円利用につき1ポイントが貯まり、ポイントは会員限定のオリジナルアイテムにも交換可能。200ポイントでは「オリジナルタオル」、500ポイントでは「QVCマリンフィールド主催試合のペア内野指定席引換券」、800ポイントでは「選手のサイン入り練習球」、2,000ポイントでは「好きな選手との2ショット写真+ペア内野指定席券」、5,000ポイントでは「好きな選手とキャッチボール+ペア内野指定席券」、そして8,000ポイントでは「秋季キャンプ1日体験」(年間限定10名まで)が用意されている。

8,000ポイントは単純計算で800万円利用相当だが、QVCマリンフィールドの対象店舗やマリーンズストアを利用した際はポイントが2倍、「プレミアムポイント加盟店」や「ポイントUPモール」を利用して買物をすれば2~20倍。また、前年および当年利用額に応じたボーナスポイントもあるので、上手に使えばより少ない利用額で目標に到達できるはずだ。

「千葉ロッテマリーンズ VISAカード」には、年会費1,350円のクラシックカードと年会費1万800円のゴールドカードがあり、前者はポイント有効期限が2年、後者は3年となっている。なお、クラシックカードは初年度の年会費が無料で、年1回利用があれば次年度も無料。ただし、支払い方法を初期設定の「マイ・ペイすリボ」から変更した場合は通常の年会費が必要となる。

■JRAカード

「JRAカード」

続いては競馬ファン必携の「JRAカード」を紹介したい。通常は月合計1,000円利用につき10ポイントが貯まり、これとは別に競馬場の指定席をカード予約で購入・来場した場合は20~40ポイントが貯まる。ポイントは競馬関連のグッズや対象競馬場の指定席にも交換できるが、5,000ポイント貯めた場合は、通常は馬主などのVIPしか利用できない来賓席での食事付き競馬観戦に申し込むことができるのだ(ペアの場合は8,000ポイント)。

対象の競馬場は中山、東京、京都、阪神のいずれかで、申し込み多数の場合は抽選。申し込みの案内を受けるためには、指定席ネット予約による来場が半年間で16回以上のゴールドステージ会員または同25回以上のプラチナステージ会員になっている必要がある。5,000ポイントはショッピングだけで貯めたとしても、単純計算で50万円利用相当。ポイント有効期限は最長3年なので、毎月2万円の利用でも約2年で貯めることができる。

「JRAカード」はNICOSカードとDCカードの2種類があり、どちらも年会費は1,350円。初年度は無料で、学生は在学期間中無料となっている。NICOSカードは海外旅行傷害保険やショッピング保険を付帯しており、DCカードは券面デザインを11種類から選択可。写真は「ディープインパクト -日本ダービー 2005-」で、ほかにも時代を代表する名馬の券面が用意されている。

■ニコニコ三井住友VISAカード

「ニコニコ三井住友VISAカード」

動画サービスなどで知られるニコニコの「ニコニコ三井住友VISAカード」は、利用額に応じて貯まるニコニコポイントとは別に、年間利用額(1月1日~12月31日で計算)に応じた特典が用意されている。年間100万円以上利用した場合は、池袋にあるニコニコ本社の大型ビジョンに出演できる権利をプレゼント。年間300万円以上ではニコニコ本社のイベントスペースを一日貸し切りでき、バックヤード見学やニコラジ出演も可能。年間700万円以上では六本木のニコファーレを一晩貸し切りでき、専門スタッフ付きで生配信を行うことも可能だ。

このほかにもカード会員のなかから抽選で、ニコニコ本社内のnicocafeでフード・ドリンクが60分食べ放題・飲み放題(最大10名まで同伴可)となる権利、ニコニコPCサイトのトップページに自分の画像などを掲載できる権利、ニコニコグッズ詰め合わせがプレゼントされる特典もある。いずれも2016年のカード利用に対する特典のため、2017年の特典は変更となる可能性があるが、ほかに類を見ない珍しいカードなので、次の特典発表にも注目しておこう。

「ニコニコ三井住友VISAカード」の年会費は1,350円で初年度無料。ニコニコのプレミアム会員は、カード年会費請求月から過去1年以内に、本カードでのプレミアム会員費の支払いが一度以上あると次年度も無料となる。

■アメリカン・エキスプレス・カード

「アメリカン・エキスプレス・カード」

最後は「アメリカン・エキスプレス・カード」など、アメリカン・エキスプレスの「メンバーシップ・リワード」のポイントが貯まるカード。通常は1決済100円利用につき1ポイントが貯まり、豊富なポイント交換アイテムが用意されているが、そのなかでも「Amazing」のカテゴリーに分類される特典は、その名の通り驚くものばかりだ。

自動運転機能を搭載したEVカー「テスラ モデルS」の利用と1室2名の宿泊がセットになった1泊2日の旅行は115万ポイント。同様に「McLaren 650S Spider」または「McLaren 650S Coupe」での1泊2日は229万ポイント。どちらもサプライズギフトのプレゼントもある。

著名人とともに食事ができる「Precious Dinner 名士とのAmazingな晩餐」は393万ポイント。現在(2018年3月末日まで)はソムリエの田崎真也氏と小説家の誉田哲也氏がラインアップされており、どちらも都内のレストランで6名分のディナーコース、ワインボトル1本、名士からのサプライズギフトが提供される。

国内最大級の豪華クルーザーOcean Bleuでの工場夜景クルーズと、バイオリニスト川井郁子氏の船上コンサートがセットになった「船上のプライベートコンサート with 工場夜景クルーズ」は850万ポイント。最大50名まで乗船でき、軽食やフリードリンクの提供、ジャグジーの利用、操舵室での記念撮影なども含まれる。

書道家の武田双雲氏とともに焼酎ボトルのラベルデザインを作成する「Taste of You 武田双雲氏が贈る自分価値の焼酎」は916万ポイント。武田氏の指導を受けられる書道体験、武田氏による筆跡鑑定もあり、額装した原書、焼酎ボトル100本もプレゼントされる。

いずれも膨大なポイント数が必要となるが、「メンバーシップ・リワード」のポイントは、一度でもアイテムと交換すれば、以降は有効期限が無期限(交換前は最長3年)となり、最小1,000ポイントから交換可能。100万ポイントを貯めるには、単純計算で1億円の利用が必要だが、長期的に利用するなら、必ずしも不可能な数字ではないはずだ。ちなみに「ボーナスポイント・パートナーズ」の掲載店を利用した際は、ポイントは最大で10倍となる。ただし、交換アイテムは定期的に入れ替わるので、ポイントが貯まる頃には、新しいアイテムが登場しているだろう。

「アメリカン・エキスプレス・カード」の年会費は1万2,960円。「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」なら年会費3万1,320円。「メンバーシップ・リワード」対象カードで、最も年会費が安いのは「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」の7,560円だが、こちらはアイテム交換をしてもポイント有効期限は無期限にならず、別途ポイント移行コース(参加費6,480円/年・自動更新)に登録すると、登録期間中は有効期限が無期限になる仕組みになっている。

以上、普通の人ではハードルが高いものも含めて紹介したが、還元率ばかりを求めるのではなく、こうした夢のある体験にポイントを使うのも、クレジットカードの楽しみ方のひとつ。第23回の記事で紹介したアーティストに会えるカードや、第25回の記事で紹介した野球系のカードなど、このほかにもお金では買えない体験型の特典を用意したカードは存在する。夏休みの自由研究だと思ってリサーチしてみてはいかがだろうか?

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。