「プロテイン=筋肉をつけるためのもの」。ほとんどの人はそんなイメージを持っているかと思います。でも、プロテインを摂るメリットはそれだけではありません。プロテインの原料であるタンパク質は、カラダのなかで多くの役割を担うものであり、筋トレでカッコいい見た目をつくるだけでなく、カラダの内側の調子を整えてくれる働きを持っているのです。

  • 筋トレだけでなく、美容にも役立つプロテイン。知っておきたいいくつかのメリット /パーソナルトレーナー、管理栄養士・西巻草太

    撮影場所協力/Chicken Gym(渋谷)

食生活の乱れや間違ったダイエットでタンパク質が不足すると、体力、美容、免疫力などさまざまな問題が起こる可能性があります。そこでぜひ、プロテインの効果をよく知り上手に活用してください。

■筋肉がつくだけでない。プロテイン摂取のメリット

ではさっそく、プロテインのメリットを紹介していきます。

●メリット1 痩せやすいカラダになる

筋肉が増えると基礎代謝が増えることは知っていると思います。基礎代謝とは、人が1日寝ているだけでも消費されるカロリーのこと。筋トレしてプロテインを飲むことで筋肉をつければ、1日の消費カロリーのベースがアップするので、痩せやすく、太りにくいカラダが手に入ります。「ひたすら食べない」「主食は食べない」といったような間違ったダイエットをするのではなく、筋肉をつければ代謝がよくなり、体質が変わることをしっかり理解しましょう。

●メリット2 美容にも役立つ

カラダのあらゆる組織はタンパク質からできています。もちろん、肌や爪、髪の毛といった組織もタンパク質からできているのです。そのことを前提に置くと、タンパク質不足は美容の面から見ても避けたいのはあきらか。「朝は忙しいから食べない」というような習慣がある場合、朝はプロテインだけでも摂取しましょう。1日に必要なたんぱく質を補うことで、美容においても効果を発揮します。

●メリット3 体力や免疫力低下を防げる

新型コロナウイルスの流行もあり、「免疫力」というキーワードが注目されている昨今ですが、カラダにウイルスが入ってきたときに働く免疫細胞もタンパク質からできています。また、タンパク質不足は体力や免疫力の低下につながるだけではなく、精神を健康に保つホルモンの分泌にもかかわっています。心身を健康に保つためにも、タンパク質不足にならないようにプロテインを活用してください。

■下腹部を引き締める「ニートゥチェスト」

今回の家トレは、下腹部を鍛えてポッコリと出たお腹を解消するニートゥチェストという種目です。いわゆるシックスパックと呼ばれる筋肉は、腹直筋というお腹の正面についた縦に長い筋肉を指します。バランスのいい腹筋をつくるなら、上部と下部に狙いを分けて鍛えると効果的。ニートゥチェストは腹直筋の下部に刺激が入り、引き締まったウエストをつくることができます。「食欲の秋」を迎え食べ過ぎてしまうことも増えてくる時期だからこそ、下腹部を意識的に鍛えましょう。

  • 椅子やベンチに座り、上半身を少し後ろに倒し、手をカラダの後ろにつく。足を揃えて地面から浮かせて伸ばす。

  • 息を吐きながら膝をゆっくりと胸に引き寄せる。このとき、上半身も少し丸めるようにして膝に近づけること。息を吸いながら足を元の位置に伸ばしていき、上半身も元の位置に戻す。15回×3セットを目安に。

■美肌をつくる簡単ビタミンCレシピ

カラダのなかのタンパク質の1/3は、コラーゲンとして存在しています。そのコラーゲンは、ハリがあるきれいな肌のために欠かせない成分。コラーゲンの材料はタンパク質を分解してできるアミノ酸ですが、アミノ酸からのコラーゲンの合成に必要なのがビタミンCです。プロテインを使ってタンパク質を意識するなら、ビタミンCも積極的に摂りたい栄養素のひとつです。野菜のなかでもビタミンCが非常に多い、パプリカを使った簡単レシピです。

【パプリカとズッキーニのマリネ】

●エネルギー190kcal タンパク質2g 
●使用する食材 パプリカ1個、ズッキーニ1/2本、オリーブオイル大さじ1、酢大さじ1、塩こしょう適量

1.パプリカ、ズッキーニを一口大に切り、オリーブオイルで軽く炒める。
2.1をボウルに移し、酢、塩こしょうを加えて味を整える。粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間くらい冷やしてできあがり。

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 写真/櫻井健司