旅をすることが好きな人なら、一度はきっと耳にしたことがある「Airbnb」という言葉。私ももちろん、その中の一人でした。しかし、海外の拠点が多く、リゾート色が強いというイメージを勝手に持っていた私は、興味こそあったものの利用には至りませんでした。

そんな時、知人がSNSに何気なくあげた一枚の写真。それは、広々とした空間で、パソコンを手に仕事をしている様子でした。Airbnbで滞在した際に撮られたものだそうで、こんな使い方もできるのだということをその時に知りました。私も使ってみたいなと思うようになり、Airbnbについて調べてみることにしました。

Airbnbとは

2008年に米国カリフォルニア州サンフランシスコにて設立した、Airbnb。2014年5月にAirbnb Japanが設立したことにより、日本でも広く知られることとなりました。

Airbnbの特徴は、掲載されている宿泊先、そしてオリジナリティあふれる体験はすべて、現地ホストによって提供されているということです。

現地で暮らしている人ならではのユニークな視点の旅などもあり、見ているだけでワクワクしてしまうようなコンテンツがたくさんありました。(現在は、オンラインで参加可能なものもあります。興味のある方は、是非ご覧ください)。

宿泊先は、ゲストハウスなど気軽に立ち寄れる宿や、ちょっとリッチな一棟貸しの宿、クスッと笑ってしまうようなユニークな宿まで、様々な種類のものがありました。

拠点数も他のプラットホームに比べてかなり多いと思うので、たくさんの選択肢の中から自分に合ったものを選ぶことができます。

事前にホストさんとメッセージや電話などを通してやりとりすることが可能だったので、初めての方でも大丈夫。私も安心して、旅に備えることができました。

Airbnbだからできる、おこもりワーケーション

さて、今まで各地でワーケーションをしてきた私ですが、昨年の12月くらいからあることを不安に思っていました。それは、他者との接触です。生きていく上で仕方のないことですが、できることなら最小限にしたい。新型コロナウィルスによる感染者数が増えていく中で、そのようなことを考えていました。

そこで私が注目したのが、Airbnb。拠点数が多いAirbnbなら自分が住んでいるところと近い場所で見つけられるのではないかと思いました。

そして一棟貸しの施設も多い印象があったので、他者との接触も最小限にできると考えました。

検索した結果、その2点を見事にクリアした宿の発見に成功しました! 今回は、その宿を舞台に、おこもりワーケーションをしてきました。その旅の様子をご紹介します。

TERIYAKI HOTEL

岐阜県高山市。古い町並みと呼ばれる重要伝統的建造物群保存地区に位置する一棟貸しの宿泊施設「TERIYAKI HOTEL」に滞在しました。

  • かわいい看板が目印です

JR高山駅からは、徒歩約15分。施設周辺には、秋の高山祭が行われる櫻山八幡宮、日下部民藝館、吉島家住宅、宮川朝市などがあり、古い町並みや高山陣屋にも徒歩約10分程度で訪れることができます。

今回はほとんど外に出ませんでしたが、観光の拠点としても最適の場所です。

施設は、このように2階建てとなっていました。

  • TERIYAKI HOTELの外観

間口が狭く奥行きが深いということが、飛騨高山の町家の特徴だそうです。写真とともに、施設内を紹介します。

1階は、ダイニングキッチン、トイレ、リビングとなっています。ホストである山下真之介さんが設計事務所と工務店を営まれているということもあり、今まで訪れた宿泊施設の中でも上位に入るほどのおしゃれな空間でした(ちなみにこちら、元々は酒屋さんの倉庫だったそうです!)。

  • ゆったりとした空間が広がっています

私が仕事中に使っていたダイニングスペースも洗練されており、椅子は飛騨高山の家具屋さんでセレクトしたもの、テーブルは木材屋さんから板を購入し、真之介さんが作られたものだそうです。

机と椅子の位置が合わないと疲れてしまうことが多いのですが、こちらはちょうどいい高さでした! そのおかげで、集中して仕事に取り組むことができました。

2階は、畳の部屋、寝室、シャワールーム、洗面脱衣室となっています。

  • 畳の部屋。海外の方にも人気が高いそうです

  • 寝室。ベッドもふかふかでした

人数が多い場合は、畳の部屋に布団を敷いて寝る形になるそうです。この時期の高山はとても寒いはずですが、建物の構造が良いのか室内はとても暖かく感じました(暖房をつけずに寝ていました)。

先程の写真で気づかれた方もいるかもしれませんが、1階のリビングの向こうは中庭となっています。

  • 高山は雪が積もっていますね

リビングにあるビーズクッションに座り、この中庭を眺めるということが私の日課でした。その中庭の向こう側には、離れがあります。

  • 雪道を歩いていきます

そこには、ランドリースペース、洗面脱衣室、浴室がありました。

  • 浴室。中庭の景色を見ながら入ることができます

浴室は飛騨高山のヒノキを使った壁となっていて、入った瞬間、ヒノキの良い香りがしました。素敵な香りと景色を楽しみながら、ゆったりとお湯に浸かることができました。至福のひとときを過ごすことができました。

ワーケーションをしてみた感想

今回初めて、一棟貸しの宿でワーケーションをしてみましたが、とても居心地が良く、今まで何でしてこなかったのだと少し後悔したくらいです。もちろん拠点ごとで仕様は異なるので一概には言えませんが、私はAirbnbを活用してワーケーションをすることもアリだなと感じました。

おこもりワーケーションということで、ほとんど外に出ることがありませんでしたが、食事は近くで開催されていた朝市や、飲食店でテイクアウトをして高山の味覚を楽しみました。

  • 宮川朝市に足を運びました

  • 地域の特産を購入。この味噌、特に美味しかった

  • 徒歩5分くらいの飲食店で購入。エビ!

みなさんのお住まいの地域にも、このような素敵な拠点が隠れているかもしれません。そう思うと、ワクワクしてしまいますね。

職住一体の住まいとしても活用できる、Airbnb。仕事場の選択肢の一つとしても、活用してみてはと思います。

南谷有美(なんや・ゆみ)

カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。