今回はビジネスにおける手土産のマナーについてお話ししたいと思います。取引がある会社や人に手土産を渡す時の役に立てば幸いです。手土産は、いつでもどこにでも必ず持っていくものではありません。

ちょっとしたご挨拶の時、もう少し相手との距離を縮めたい時、心からお詫びをしたい時など…… 品物をお渡しすることで自分の気持ちを伝えやすくなりその後の人間関係が円滑になることもあります。手土産にはそんなきっかけを作りやすくしてくれることもあります。スマートなマナーで相手に喜んでもらえるといいですよね。ぜひ参考にしてみてください。

手土産の選び方

第一に、どのようなものを渡すのがいいのか迷うこともあるかと思います。ビジネスのお付き合いでは銘菓や飲料、果物や佃煮など食品のことが多いかと思いますので今回はそれに沿ってお話し致します。

手土産の大前提として「相手が喜ぶもの」を選ぶことが重要です。出来るだけ相手の好みに沿えるよう嫌いなものは送らないようにしましょう。例えばアレルギーがある方に特定のものを贈る、菜食主義の方に肉を贈る、お酒が飲めない方に日本酒を贈るなどしてはせっかくの関係が良いものではなくなる可能性があります。相手の好みや年齢、性別などを参考にしながら考えてみましょう。難しい場合は以下のことを参考にしてみてください。

迷った場合はお菓子がおすすめ

会社同士のやり取りではお菓子などが一般的です。日持ちするものや小分けされていて大勢でも分けられるものが重宝されます。初めて手土産を渡す方へは香典返しにも使われることの多い緑茶は避けるのが無難かと思います。それからお年を召した方へは硬いものなど食べづらいものは避けた方が良いでしょう。

渡す時のマナー

訪問先等で手土産を渡す時には、相手にお会いし、挨拶が済んだ後に渡します。後になってから渡すのはあまりスマートではありません。

まず、品物を入れている紙袋や風呂敷などから出しましょう。そして品物を相手の方へ向けて「心ばかりですが」「皆様で召し上がってください」などと言って渡すと良いでしょう。

賞味期限が近いものをお贈りする場合は渡す時に相手に一言伝えておくと親切です。また、冷蔵庫や冷凍庫に入れた方が良いものはその旨も伝えて相手が困らないようにしましょう。

余裕があればですが、せっかくなので中身の説明など品物にまつわることを少しお話しが出来るといいかと思います。「和菓子がお好きと伺っていたので〇〇をお持ち致しました。お口に合うといいのですが。」「こちらは弊社の近くの△△というお店で、社員たちにも人気のお品です」など工夫してみてください、話が広がるといいですね。

食べ物以外の贈り物で注意するもの

食品や飲料以外のものを贈る際に気を付けた方がいいものをお伝えします。まず、スリッパなどの履物やマットなどの敷物は「踏みつける」という意味合いから贈り物には適さないとされています。特に目上の方には特に贈らない方が良いでしょう。他に、櫛(くし)は「苦」や「死」を連想させるそうでこちらも避けた方が良いものです。

お見舞いなどにお花を持っていく場合には、「寝付く」ことを連想させる根っこのついた鉢植えや、花首が落ちる椿の花は持っていくことはやめましょう。

もらう方のマナー

反対に手土産をもらう側のマナーもお伝えしたいと思います。手土産を頂いたらまずは両手で丁寧に受け取ります。そして感謝の意を伝えましょう。

ビジネスの頂き物の場合は、取引先から頂いた旨をなるべく早く上司に報告しましょう。頂いた方や物を記録しておくものがあればそこに記入し、後日お礼状やお返しの品が必要かどうかも検討してください。

頂いた品物をお客様と一緒に味わう場合には「お持たせですが」と一声かけてからお出しすれば大丈夫です。頂き物の感想なども伝えられるといいですね。

いかがでしたでしょうか。せっかく手土産を渡すのですから相手に喜んでもらいたいですよね。皆様が手土産を渡す方が笑顔になってくれることを祈っております。

今回でマナーの中級編は終了になります。次回からは上級編とバージョンアップ致しますので、またご覧いただきますようよろしくお願い致します。

■ 執筆者プロフィール:名越 華子(なごや はなこ)

大学卒業後、TBCグループ株式会社入社。入社2年目より秘書として勤務。日々の秘書業務を活かし敬語やマナー等本の監修や講演をし、若手の育成などにも力を注ぐ。

その後マーケティングPR戦略部広報室に所属。TBCが掲げるTotal Beauty Communicationsの略であるTBCの窓口として美容や健康の情報を発信。秘書検定1級、青汁マイスターの資格を持つ。

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