クリスマスの週になりましたので、少し趣向を変え、海外勤務中のエピソードをふたつほどご披露します。

~ハラキリ~

もう、35年以上前になります。

私がロンドンで新米ディーラーだった頃、スイスのチューリッヒで行われたジュニアディーラーのセミナーに参加したことがありました。

世界中の中央銀行や民間銀行のジュニアディーラーが参加し、確か1週間ぐらいのセミナーだったと思います。そのセミナーの最後を飾ったのは、チーム対抗のバーチャル・ディーリングでした。

やり方は、各自が売買の記録を書き留めるディーリングシートを持って、別のチームのディーラーに、売買したい金額を言って、相手が出すツーウェイプライスを聞き、そのプライスで良ければ売り買いをするというものでした。

もちろん、相手にプライスを聞くだけではなく、相手からプライスを聞かれることもあります。

そして、先生から、大きなボードに書かれた経済指標や政治・事件などいろいろなニュースのヘッドラインが次々と示され、その内容によって売りが強くなったり買いが強くなったりしました。

まだ、ロンドンに転勤して間もない私は英語がままならず、ニュースのヘッドラインに何が書いてあるかも良くわからず、他のチームのディーラーからプライスを求められては、プライスを出すがままになっていました。

そんなところに突然、ドル売りにつながる大ニュースが示され、他のチームのディーラーから売りが殺到し、私のポジションはロング(買い)で膨れ上がってしまい、アゲンスト(不利)のポジションを抱え込んだまま、試合は終了となりました。

そして、チーム別の結果が公表され、私のチームは私の膨らんだアゲンストのポジションのおかげで最下位でした。

この後、順位別に記念品をもらいましたが、私が先生からもらった時は、先生から「これで、ハラキリ(切腹)はしないようにね」との一言が添えられ、満場の笑いを誘いました。

私がもらった記念品は、そのスイスの銀行の紋章が入った特製のスイス・アーミーナイフで、今でも手元にあり、見るたびにそのハラキリの一件を思い出します。

~サンドイッチ~

アメリカ人は本当に良く食べます。

したがって、食べ物のワンポーション(one portion、一盛り)がなんでも大きくて、はじめ見たときは、エーっと驚くものですが、いつのまにか慣れてしまい、食べてしまうようになるのが恐ろしいところです。

職場での昼飯は、仕事柄デスクで食べていましたが、サンドイッチをよく食べました。

日本のサンドウィッチとは大違いで、ロースハムのスライスが厚さ4センチ、それにスイスチーズのスライスがさらに厚さ4センチが加わって、パンにはさまれ、膨らんだサンドイッチでしたが、残さず食べていました。

こんな話があります。

来日したアメリカ人が、ホテルでサンドイッチを頼んだら、日本でおなじみのサンドイッチがうやうやしく出てきたそうです。

その皿に乗った物体を見て、彼はボーイに"What's that?"(それ、なんだ)とたずねたそうですが、確かに、アメリカのサンドイッチからしてみれば、そう聞きたくなる気持ちもわかります。

一方、サンドイッチ発祥の国英国はロンドンのサンドイッチは、日本のサンドイッチに近く、さらにペラペラです。

アフタヌーンティーで、キューカンバサンドイッチ(きゅうりのサンドイッチ)を好んで食べられるようですが、あまり食指が伸びません。

レバーサンドイッチ(レバーペーストのサンドイッチ)が個人的には好みでした。

アメリカ人が大食漢なのに対して、イギリス人はかなりの少食です。

パブで、何も食べず、ビールを立って飲みながらおしゃべりに講ずるのが、典型的なイギリス人です。