マイルを貯めるにはまず、各航空会社のマイレージプログラム会員になる必要がある。基本的には入会金・年会費も無料となっているので気軽に入会することができる一方、マイルを効率よく貯めるのにあたり、航空会社が発行するクレジットカードを持つべきか否かという質問をよく受ける。

  • マイルを効率よく貯めたいなら、航空会社が発行するクレジットカードは必須か

    マイルを効率よく貯めたいなら、航空会社が発行するクレジットカードは必須か

年会費を支払っても十分に元が取れる理由

その答えは「YES」である。飛行機にあまり乗らない人にとっても、日常生活におけるクレジットカード利用でもマイルが貯められることで、知らない間に特典航空券に交換できるマイル数になっていることも多い。加えて、飛行機を利用する場合におけるボーナスマイルや毎年付与されるカード更新におけるボーナスマイルなども含め、年会費を支払っても十分に元が取れる。まだ航空会社系のクレジットカードを持っていない人は、検討してみるといいだろう。

期間限定にはなるが、JALでは日本=韓国往復の特典航空券がJALカード割引で往復1万1,000マイルにて交換可能なほか(通常は往復1万5,000マイル)、ANAでもローシーズン期間は往復1万2,000マイル(レギュラーシーズンは1万5,000マイル)で交換可能。意外にも、すぐに特典航空券交換に必要なマイルが貯まるだろう。

  • JALカード会員限定で、最安1万1,000マイルで日本=韓国往復の特典航空券に交換も

    JALカード会員限定で、最安1万1,000マイルで日本=韓国往復の特典航空券に交換も

ANAでは「ANAカード」、JALでは「JALカード」のふたつが日本国内における代表的な航空会社が発行するクレジットカード。ANAカード・JALカード共にVISA、マスター、JCB、AMEX、ダイナースなど国際クレジットカードブランドとの提携カードとして発行されている。加えて、JR東日本などの鉄道会社との提携カードも発行されているが、今回はVISA、マスター、JCBといった主要クレジットカードカードに絞って紹介したい。

基本的には、航空会社発行のクレジットカードを使うと100円利用毎に1マイル、もしくは、200円利用毎に1マイルが積算される。ショッピングが多い人などカード利用額がそれなりにあるのであれば、100円利用毎に1マイルが貯まるクレジットカードを選ぶべきだろう。注目すべき点は、同じブランドのクレジットカードでも、ANAカード・JALカード共に4つのカードランクに分類されていることだ。

ANAカードのオススメは25%ボーナスの「ワイドカード」

ANAカード カード一覧(VISA、マスター、JCBの場合)
●一般カード: 年会費2,160円
入会・継続時ボーナス1,000マイル、搭乗ごとにフライトマイル10%プラス、ショッピング時のマイルは1,000円=5マイル※年会費6480円(VISA・マスター)もしくは5,400円(JCB)を追加することで10マイルコースとして1,000円=10マイル積算

●ワイドカード: 年会費7,830円
入会・継続時ボーナス2,000マイル、搭乗ごとにフライトマイル25%プラス、ショッピング時のマイルは1,000円=5マイル※年会費6,480円(VISA・マスター)もしくは5,400円(JCB)を追加することで10マイルコースとして1,000円=10マイル積算

●ワイドゴールドカード: 年会費1万5,120円
入会・継続時ボーナス2,000マイル、搭乗ごとにフライトマイル25%プラス、ショッピング時のマイルは1,000円=10マイル

●プレミアムカード(VISA,JCBのみ): 年会費VISAは8万6,400円、JCBは7万5,600円
入会・継続時ボーナス1万マイル、搭乗ごとにフライトマイル50%プラス、ショッピング時のマイルはVISAは1,000円=15マイル、JCBは1,000円=13マイル

  • 「ワイドカード」は搭乗ごとにフライトマイル25%プラスされる

ANAカードに初めて入会するのであれば、まずは「一般カード」か「ワイドカード」がいいだろう。「一般カード」は入会初年度は年会費が無料(一部カードを除く)となっており、お試し的な感じであれば1,000円=5マイル(200円=1マイル相当)の5マイルコースで十分だが、1カ月に5万円以上利用するのであれば追加の年会費を払ってでも10マイルコースにするのがいいだろう。

ある程度飛行機にも乗ることがあり、かつ、ショッピングをする人は、「ワイドカード」がオススメしたい。25%のフライトマイルのボーナスマイルは大きいほか、海外旅行保険なども充実しているからだ。

一方、「ワイドゴールドカード」はANAカードとしての「ワイドカード」のサービス内容にクレジットカード会社のゴールドカードを組み合わせたもので、クレジットカード会社のゴールド会員が対象となる空港のカードラウンジに入ることができる。さらに「プレミアムカード」になれば、国内線では「ANAラウンジ」、海外ではラウンジサービス「プライオリティ・パス」の提携ラウンジにも入室可能だ。

JALカードは「ショッピングマイル・ プレミアム」を生かせ

JALカード カード一覧(VISA、マスター、JCBの場合)
●普通カード: 年会費2,160円
入会搭乗ボーナス1,000マイル、毎年初回搭乗ボーナス1,000マイル、搭乗毎にフライトマイル10%プラス、ショッピング時のマイルは200円=1マイル※年会費3,240円の「ショッピングマイル・ プレミアム」への入会で100円=1マイル

●CLUB-Aカード: 年会費1万800円
入会搭乗ボーナス5000マイル、毎年初回搭乗ボーナス2,000マイル、搭乗毎にフライトマイル25%プラス、ショッピング時のマイルは200円=1マイル※年会費3,240円の「ショッピングマイル・ プレミアム」への入会で100円=1マイル

●CLUB-Aゴールドカード: 年会費1万7,280円
入会搭乗ボーナス5,000マイル、毎年初回搭乗ボーナス2,000マイル、搭乗毎にフライトマイル25%プラス、ショッピング時のマイルは100円=1マイル

●プラチナ: 年会費3万3,480円
入会搭乗ボーナス5,000マイル、毎年初回搭乗ボーナス2,000マイル、搭乗毎にフライトマイル25%プラス、ショッピング時のマイルは100円=1マイル

  • 「CLUB-Aカード」ならば、「ショッピングマイル・ プレミアム」への入会は何かと心強い

JALカードに初めて入会するのであれば、最もベーシックな「普通カード」に入ることで、入会初年度は年会費が無料(一部カードを除く)となっている。100円=1マイルになる「ショッピングマイル・ プレミアム」の追加料金はANAカードよりも割安な3,240円で入ることができるので、JALカードの場合は「普通カード」「CLUB-Aカード」共に「ショッピングマイル・ プレミアム」に入るといいだろう。

「CLUB-Aカード」や「CLUB-Aゴールドカード」「プラチナ」になると入会時に5,000マイル、毎年初回搭乗時に2,000マイルが積算されるのは何気にうれしいものである。「CLUB-Aカード」や「CLUB-Aゴールドカード」「プラチナ」は基本的なボーナスマイルは大きく変わらない。しかし、「CLUB-Aゴールドカード」「プラチナ」はカード会社のラウンジが利用でき、さらに「プラチナ」にもなれば、ラウンジサービス「プライオリティ・パス」の提携ラウンジにも入室可能となっているほか、海外旅行保険もより充実した内容となっている。

その他にも、年会費が在学中は無料となる学生カードや年会費は抑えられているがサービスが充実しているフレッシュマン向けのカードなどもあるので、あなたにとってベストフィットなカードを選んでみるといいだろう。次回は、ANAカード・JALカードを使うことで、より効率的にマイルが貯められる方法について取りあげる。

筆者プロフィール: 鳥海高太朗

1978年千葉県生まれ。帝京大学経済学部地域経済学科非常勤講師。また航空・旅行アナリストとして、航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を様々な航空会社を利用しながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆しているほか、テレビ・ラジオなどにも出演するなどメディアを中心に情報発信をしている。著書に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社新書)などがある。