最近、「胃袋」で心をつかまれるのは女子の方!?

胃袋で男心をつかむというのは、今の時代でも非常に有効な手段。婚活力で身につけたほうがいいのは、料理力なのですが、最近胃袋で心をつかまれるのは女子の方かもしれません。

最近女性が結婚する理由として「病気のとき、家にきて、パンプキンスープを作ってくれた」、「クックドゥがなくてもマーボー豆腐が作れた」という、胃袋系のエピソードで心をつかまれたという理由が多いのです。つい先日も長野の農村に嫁いだ都会の女性が、彼を意識するようになったきっかけをこう話していました。

「お見合いイベントで料理を一緒に作る時、玉ねぎを切っている姿にひかれて。林檎もむけるし、一緒に生活するイメージが浮かびました」というのです。

そう、「彼の料理がおいしかった」ということよりも、「最低限、一緒に生活できる」というイメージを女性に持たせるきっかけとなったのが、料理だったのです。さらに彼女は、「私が病気になったりしても、彼なら子どもを育ててくれると思いました」と語っていました。

実は世代によってかなり異なる「料理男子」の数

しかし、「夫婦どちらが料理をするか」というマイナビのアンケートでは、約9割が「妻が作るか、または妻と夫の両方が作るが妻が作るほうが多い」という結果になりました。

まだまだ日常的に料理をする男性は少ないのでしょうか?

実は、「料理男子」の数は世代によって、かなり異なります。33歳以下の男性は「家庭科」世代です。それより上の世代は、「女子は家庭科」「男子は技術家庭」と分かれて授業を受けていた世代です。この世代では、調理実習なども男子は経験しませんでした。それが、男子も女子と同じ「家庭科」を学ぶようになって、劇的に「日常的に料理をする」という男性が増えたのです。

本当に教育って大事…と実感します。

33歳より上の世代に属する男性は、あまり料理をしないのではないかと思います。というよりも、最近の独身男性は「日常的に料理をする」と答える人が非常に多いので、「料理ができない、家事ができない人が結婚する」という法則が、いつの間にかできているのかもしれません…。

"料理男子"のススメ--絶対に料理ができるようになったほうがいい!

いずれにしても、今料理をやっていない夫は、絶対に料理ができるようになったほうがいいです。たとえ、奥さんが専業主婦でもです。

定年後、子どもたちも巣立った後、一日家にいる夫のために、妻が三食作ってくれるとはかぎりません。外食に頼らず、夫も料理ができるとかなりの家計防衛になります。

節約メニューがはやっていますが、真面目に取り組むとかなり効果的です。「コロッケなど買う方が安い」という意見もありましたが、中食(できあいの惣菜)ばかりを買うのは、積もり積もればかなりの出費です。現役時代のように、夜はどうせ外食するだろうなどというのは甘い見通しです。例えば千葉や埼玉に住んでいると、交通費が負担になるので、都会にでることもめっきり少なくなるのが定年後の生活なのです。

料理を妻にまかせっきりにしている夫が、もし妻に先立たれてしまうと、お金もかかるし、栄養バランスも悪く、寿命すら短くなってしまうのです。

また自分で食材などを買ってみない限り、妻が家計費、食費として、どれだけ使っているかもわかりませんよね? ですので、男の料理は家計管理のひとつにもなります。

そして、なんと、サラリーマンの皆さま朗報です。ちょっとでも自分が料理や掃除洗濯などの家事を分担して、奥さんに働きに出てもらいましょう。

夫が100万年収アップするよりも、妻が100万稼ぐほうが最大47万円お得なのが、消費税増税時代だそうです。(『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』朝日新書)

著者プロフィール : 白河桃子(しらかわとうこ)

少子化ジャーナリスト、作家。一般社団法人「オサン・デ・ファム」アンバサダーとして、「女の子を幸せにする心とカラダの授業」プロデュース、「全国結婚支援セミナー」主宰。大妻女子大学就業力GP「ライフコース講座」講師および企画。山田昌弘中央大学教授とともに、2008年度流行語大賞にノミネートされた「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著『婚活時代』(ディスカバー21)がある。近著は、国立成育医療センター母性医療診療部不妊治療科医長、齊藤英和先生との共著で『妊活バイブル』(講談社)、『女子と就活 20代からの就・妊・婚講座』(中公新書ラクレ)。