食べる順は人それぞれ合った順で

三角食べやベジファーストなど、食べ方にこだわるダイエットを実践している人も多く見受けられます。

しかし、現代の食事では特定の食材に極端に偏って食べることはなかなかありません。そして何よりも同じ食べ方を全ての人に推奨して良いのか疑問が残るところです。

素晴らしいバランスの食事なのに一口先にお米を食べたからといって太ることはありませんし、反対にいくら先に野菜をたくさん食べたからといって、食事の量が変わらなければカロリーも減ることはありません。

食事の順はあくまで付加的要素であり、栄養の優先度は人によって違います。これは遺伝子にも関係しており、例えばADRB2遺伝子タイプの人はタンパク質を代謝しやすいので、野菜よりも先にお肉を食べる方が適切です。

逆にUCP1遺伝子タイプの人は脂質の代謝が苦手。皮下脂肪を溜めやすいので野菜から食べて脂質を多く含むお肉類は最後にするなどの工夫が必要です。

食べる順番は元より、ダイエットをする際に制限するべきエネルギー源も、遺伝子タイプから考える方が自然でしょう。

これらの遺伝子タイプは自宅で簡単に検査もできますので、気になる人はインターネットなどで入手して調べてみるのも良いかもしれません。

万人共通とも言える食べるべきタイミング

食べる順は人それぞれにタイプがありますが、生活リズムの中では万人に共通する食べるべきタイミングがあります。

例えば朝。
私たちは副腎からコルチゾールという抗ストレスホルモンを放出し、血糖値を上げて目覚めに備えます。このホルモンを作るときに大量に必要なのがビタミンC。

つまり、私たちは消費したビタミンCを朝食でしっかりと取ることが大切なのです。ビタミンCはご存知の通り肌の環境を守り、抗酸化作用が強いので様々なストレスからも体を守ってくれます。

もちろんダイエット中は、生活リズムが不規則になったり、食事のバランスが変化したりすることで、目に見えない様々なストレスにもさらされているので、いつも以上に多く摂る心がけが大切です。

また、喫煙者はビタミンCの吸収率が低く排泄率が高いので、さらに人よりも多く摂取することが重要です。

これはよく知られていることかもしれませんが、実はヒトはビタミンCを体内で合成できない数少ない動物です。つまり、食事やサプリメントからしっかりと意識して摂る必要があります。

ちなみに厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準によるとビタミンCの必要量は100mg/日。

目安はキウイフルーツ1個やイチゴ10粒、赤ピーマン5個やブロッコリー5房になるので、これらを朝食のメニューに組み込むようにしてみましょう。

食べ方を左右する調理方法

食べる順番、タイミングと合わせて考慮したいのが、調理方法。

私たちの体は食べたものからできていると言われますが、それは正解のようで不正解。実際は食べて吸収された栄養から私たちの体はできています。

つまり、どれだけ栄養があるものを食べていても、その栄養が吸収されていなければ意味を成しません。

調理方法を意識することで、栄養の吸収率を上げることはもちろん、必要以上に栄養を逃さないことや栄養価をアップさせることも可能です。

例えば、前述のビタミンCは水溶性のビタミンなので、「茹でる」調理では失う量も多くなります。ブロッコリーからビタミンCを摂取する際にも、茹で調理ではなく電子レンジ調理をすることで、ビタミンCの余計な流出を防ぐことができます。

栄養価を上げる例で言うならば、様々な料理で活躍するニンニク。

ニンニクには抗酸化作用や血液サラサラ効果のあるアリシンという成分が含まれていますが、これはニンニクの細胞を壊すことにより発生する栄養です。

つまり、ニンニクを使うときはスライスよりも少し手間をかけて擦りおろす方が栄養をしっかりと摂ることができます。

また、このアリシンは体内でビタミンB1と結合することで、アリチアミンという成分に変わり、ビタミンB1の腸からの吸収効率を大幅にアップしてくれます。

このように、調理工程一つで栄養をコントロールできるので、好きな調理方法で食べることも大切ですが、より栄養価を効率よく摂取できる調理方法も身につけて食事の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

そして何よりも大切な食べ方のポイントがもう一つあります。これは、次回に詳しくお話ししたいと思いますので楽しみにしておいてください。