健康管理の一環として関心が高まっている「腸活」。バランスのよい食生活や適度な運動など腸内環境を整えることによって、体調や肌、ダイエット効果が期待できます。

今回、マイナビニュース会員に「腸活をしていますか(していましたか)?」と質問したところ、約6割が「はい」と回答。また、「はい」と回答した人に腸活方法について聞いたところ、「腸に良い食事をする」「ストレッチや軽い運動をする」「腸マッサージ」「腸活サプリ」などの回答がありました。しかし、「そもそも何から始めたらいいのか分からない」「この腸活方法で合っているのか」など、悩みを抱える人も多いようです。

そこで今回は、マイナビニュース会員から腸活に関する悩みを募集し、国家公務員共済組合連合会 大手前病院の甲斐沼孟先生にお答えいただきました。

乳酸菌を含む食材を食べる場合、同じ銘柄の物を食べ続けた方が良いのか、違う銘柄の物を食べた方が良いのかがわかりません。 (男性/60歳)

■「同じ乳酸菌を摂り続ける」or「異なる乳酸菌を摂る」、腸活にはどちらが効果的?

甲斐沼先生:一般的に食品として摂取した菌は、たとえ生きたまま腸まで届いたとしても、腸内に同じ系統の菌が定着していない限り便と一緒に排出されます。
乳酸菌は菌の種類が350~400種、ビフィズス菌だけでも30~40種存在するとされており、「腸内部に元々定着している菌」と「乳酸菌製剤に含有している菌」が完全に一致することはあまり期待できません。

同じ種類のものを食べ続けなければ意味がないわけではありませんが、同じ乳酸菌製剤を摂取し続けて、仲間の菌が腸内に一定期間存在していないと腸内に定着するのは難しいと考えられることからも、ある程度同じ食材を食べ続けることをおすすめします。

■腸活への効果を得るためには、どれくらいの期間継続して乳酸菌を摂取する必要がある?

甲斐沼先生:良好な腸活を送るためにどの乳酸菌製剤が自分に適しているかは、ある程度の期間食べ続けてみないとはっきり判明しません。単純に1回、2回食べただけでは効果は表れにくく、最低でも1週間、できたら10日~2週間かけて同種類の乳酸菌製剤を食べ続けてみて、自分の腸内環境や腹部状態の変化が実感できるかどうか確認してみましょう。

効果的である場合には、乳酸菌製剤を摂取してから5日目ぐらいから容易に排便できて、便内容物がくさくなくなるなどの効果が実感できます。

その一方で、10日間程度同じ乳酸菌製品を食べ続けてもあまり変化が感じられないときは、ほかの食品などを試してみましょう。

■同じ乳酸菌を長期間摂取し続けることで腸活への効果が薄れることはありますか?

甲斐沼先生:同類の乳酸菌製剤を長期に渡って摂取し続けても、腸活への効果が明確に低下することは少ないといえます。ただ長期間乳酸菌を取り入れる場合は、菌のエサとなる"水溶性食物繊維"や"オリゴ糖"などの成分を乳酸菌と共に摂取することをおすすめします。

自分の腸に届くまでに死んでしまった菌なども腸内に元々生息している善玉菌のエサになりますし、水溶性食物繊維やオリゴ糖などは腸内環境を良好に保つためにある程度役立ってくれます。
乳製品を摂取する際にも、食物繊維が豊富な果物や豆類などを同時にトッピングする、あるいはオリゴ糖を含むはちみつをかけてアレンジするなど一度トライしてみてください。

監修ドクター: 甲斐沼 孟(かいぬま まさや)先生

国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長。大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医/大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 /国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 /大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 / 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員


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