年収500万円までの越え方を前々回に解説しました。今回からは、普通の大卒の年収500万円を越える年収600万円へのコツを解説します。

年収600万円以上になるには壁は5つある

年収400→500万円になるには、「仕事で一人前以上になる」こと。残念ながら、年収500万円までの仕事のやり方の延長でスキルアップしても年収600万円にはなれません。

年収600万円を超えていくには、仕事に対する成果の出し方、周りからの認められ方をガラリとかえていく必要があり、具体的には以下の図の通りになります。

ここは意外と会社では教えて貰えません。なぜなら、選ばれたリーダー候補以外は、既存のビジネスモデルをキッチリ回してくれるオペレーター的な人材が欲しいから。あなたの上司や先輩も、この5つの壁と超え方自体を教わっていないのが普通だからです。

5万人リストラし、7,000名以上のリーダーの選抜と育成に関わってきた筆者の知見より、今回の連載で普通は教えて貰えない、この壁と超え方を解説します。

今回は、「求められる仕事の成果」が、効率(依頼された仕事を効率よく行う)→効果(コツをつかみ、やったことなくても成果を出す)についてです。

自分で考えず、正解に一番近い人から盗めばいい

いきなり、「やったことなくても、コツをつかんで成果を出せ」と言われても、普通は戸惑います。今までは過去に経験ある仕事とその延長線上にあることや、やったことない仕事は、上司や先輩から具体的な指示や指導を貰える経験しかないからです。

頭を切り替えましょう。仕事でノーベル賞クラスの新しい事を求められるのは極一部の研究者くらいのものです。

あなたが、やったことなくても、世の中で誰かはやったことがあることが9割です。上司や先輩もやったことがなくても、社内まで視野を拡げればいいですし、社内にいなければ、社外にまで視野を拡げれば「やったことがある」か「近しいことをやったことがある」人は必ず見つかります。

その人が正解に一番近いことを知っているので、その人に教えて貰い、そのやり方、コツといったノウハウを盗めばいいのです。

学校のテストでカンニングはNGですが、仕事の世界はカンニングOK。著作権等、権利があるものはNGですが、それ以外であれば、ノウハウはあちこちに落ちています。ネットを見れば、記事、動画含め、ビックリするくらい情報は落ちています。そこから取捨選択して、正解に一番近そうなものから試してみてPDCAを回せばいいのです。

目指す作家のお手本としたい本の文章、一言一句、繰り返し写経にように書き写して文体を学ぶ、という話は聞いたことがあるでしょう。まさに、それと一緒です。

お手本通りに繰り返しやってみることで、その作家独自の目線や表現、ストーリーの組み方等の「型」と「コツ」が見えてきてくるようになり、その型を使って自分も文章が書けるようになるのです。

他人の文章を「そのまま」使うと犯罪ですが、型やコツをものにして、使いこなすことは問題ありません。上司や先輩のノウハウをOJTしてもらっても著作権が発生しないことと一緒です。

安心して他人で正解に近そうな人のノウハウをそのまま仕入れて、使いこなしましょう。駄目なのは、そのまま型通りにやらず、勝手な会社でアレンジすることです。料理が下手な人ほど、初めて作る料理をレシピ通りにやらず、勝手にアレンジして失敗することと一緒です。

ノウハウは文章、動画より、正解に近い人から直接仕入れる

正解に一番近そうな人が、歴史上の人物など、物理的に会えない場合を除いて、可能な限り直接会って、直接ノウハウを仕入れることをお勧めします。

本や記事等の文章は編集されて調整が入っています。読者を想定して結果、あなたが知りたいピンポイントの箇所が深掘りされていないことも多いものです。また、人は自分の思考のフィルターを通して記事、動画、書籍、情報の中からコツを拾うので、未経験でフィルター外のことは見落としがちになります。

可能な限り、正解に一番近そうな人から直接ノウハウは仕入れましょう。今のご時世、ネット、SNSは普通に使われています。オンライン・オフラインでセミナーやワークショップもやっているので、その場で質問する等、簡単にその人に接するチャンスがあります。

記事、動画、書籍等でノウハウを出す人は、自身の金儲けより「知りえたノウハウを必要な人に届けて一助になってほしい」と思う人の割合は高いものです。

実際、特に募集していませんが、私の講演、書籍、記事を読んで質問やキャリア相談してくる人には可能な限り、zoomで対応するようにしています。私の周りのベストセラー著者も同様なケースが多いです。

失礼にならないよう、記事、動画、書籍の感想を伝え、可能な範囲でお会いして話したいとお願いすると、かなりの高確度で会ってもらえます。ランチを利用するのも効果あります。豪華なランチといっても、数千円ですし、そのランチをご馳走してランチミーティングをしてもらうのも一考です。