「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第78回のテーマは「役割と行動は連動している」です。

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今シーズンはインフルエンザの流行が早い時期から始まっていました。そして、我が家も例に漏れず……。子どもがインフルエンザに罹患してしまいました。予防接種はしていたので、重症化することはなかったのですが、保育園には6日登園できず……。家庭内缶詰生活を送りました。

我が家は子どもが生まれてから5年、子どもから病気をもらうのは私の役目でした。しかし、今回は私はなんとかうつらず済んで、逆にお父さんがインフルエンザを発症……!

今回初めて「父と子が病気で母だけ元気」という状況になりました。さてここで、我が家がそうなると困るのは……私が「炊事を担当してない」というところです。パートナーは仕事で家を空けることがあり、そういうときは私がすべて担当するので、何もできないというわけではありません。

ただ、今回は病気。予定外の出来事……。こうなると「冷蔵庫の中身の管理」が完全にできなくなるのです(笑)! 予定通りに家を空ける場合はパートナーは生野菜とか、ある程度調理の必要な具材とかを使い切ってから家を空けます。パートナーは炊事の効率を踏まえ1週間で献立を考えて、冷蔵庫にストックをしています(それが逆に、私が「担当者の計画があるから勝手に手を出せない」となる原因でもあります)。なので、普段の生活で私が基本的に冷蔵庫の中身を気にすることはありません。

冷蔵庫の中くらい見てみればいい……という気も少しはあるのですが、離婚してから「まったく炊事ができない」状態になって早10年……。やらない状態のままなので、基本的には「どっちかといえば、やりたくない」……。私は現在、「お客さんが来る」「息子がリクエストした」などの明確なモチベーションがあるとき以外、料理をしません。

というわけで、我が家の冷蔵庫は塩漬け状態になり……次の週に宅配の食材が来たときには冷蔵庫はパンパン! インフルエンザから快復したパートナーが冷蔵庫を見て「どうしよう……」と困る事態に。しかし、パートナーもモリモリ食事ができる状態じゃなかったので、食材が余るのはしょうがないし、パートナーは炊事に関して私にまったく期待していないので、問題にはなりませんでした。

私が炊事にモチベーションが上がらないのは、できれば食べなくてもいいなと思っているのもあります。なので、隙あらば食事を抜いたり適当にしようとしたりしています。なぜなら、在宅の仕事であまり体力を使わないので常に食べ過ぎる傾向があるからです!! 息子はお父さんよりも先にインフルエンザになったので、息子のほうが食欲が快復するのも先でしたが、そのときも息子の食事だけ用意して自分は適当にサラダだけとかにして済ませていました。

お父さんがインフルエンザから快復すると……家族全員痩せていて、冷蔵庫はパンパン。という状態になりました。

そういえば初婚のとき、私が寝込んで食事を作れなかったら元夫が痩せちゃったということがあったなあ……と思い出しました。あのときは「自分に相手の健康状態の責任があるのだ」と思っていました。すごくプレッシャーを感じていたし、元夫が痩せてしまったことに「申し訳ない」と思っていました。

でも、自分がいざ炊事をしてもらう側になって、そして食事が用意されないから痩せた……となったら「それ完全に自分のせいじゃん!」と思いました。お互い大人なんだし、炊事担当をしている人のせいじゃない……! 相手が適当な食生活をして痩せても「そうしたかったんだね!」と思えればよかったなと思いました。

ただ、私が寝込んで食事が作れなくて「元夫が痩せた」ということに、実母の世代からは「夫くんがかわいそうね」みたいなことは言われたんですよね。なので「女性は男性のケアをして健康状態をキープすべし」という価値観は私にすり込まれていたし、私も責任を感じていました。

自分が炊事しない側の立場になってなかったら、今もそう思っていたような気がします。自分が寝込んでパートナーが痩せたり、冷蔵庫がパンパンだったら前と同じように責任を感じたり、罪悪感を感じてケンカしたり落ち込んだりしてたかも。または、相手が自分のタスクを代わりにできないことに苛立ちがあったままだったかもしれないです。

家庭内で炊事、食事を担当する人は「責任」を感じやすいという構造は理解しつつ、病気になったときにお互いがストレスがないようにするための解決方法として、「タスクがいつも通りにならなくても気にしない」っていうことも大事なのかもと思いました。

お互いのタスクを完璧に代行できるようになるという選択肢もあるけど、「しょうがないね」「まあいっか」とお互い思えるように役割について共有するのも大事だなあと思いました。

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