「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第221回のテーマは「保護者会の服…どうする? 」です。

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みなさん保護者会には何を着て行っていますか……?!

昔は、保護者会や授業参観は「母親のフォーマルな場所」だったように思います。うちの母親もおめかしして「ちゃんとした」格好をして来ていたように記憶しています。普段は持たないブランドもののバッグとかを持っていたような思い出です。

時は流れ、令和のこの時代。授業参観や保護者会はあんまりフォーマルでもないような気がします。昭和のお母さんが「お着物」で来ていたレベルで考えると、入学式に着物のお母さんはいても保護者会に着物のお母さんは見かけたことはありません。……いやいるところにはいるのかもしれないのですが、私の周りには今のところいません。

令和の保護者会のドレスコードってどんななんでしょう……? ネットで調べると、ふんわりワンピースとかビシっとしすぎないスーツスタイルなどが出てきて、一定の「こんな感じ」というイメージはつかめるのですが、マナーや決まったドレスコードはない感じです。住んでいる場所や、学校のムードなどで「保護者会の服」がどんな感じなのかはそれぞれ正解が違うんだろうな、とも思います。

保護者会の服として私が想定している正解は、「コンサバファッション」なんだと思います。コンサバとは保守的で無難なところ……というイメージ。そしてそれが私は苦手だと思っているのです。私にとっての究極のコンサバファッションは、「小学校受験の親の服装」である濃紺のワンピーススーツですが、もちろん私はそういう服は持っていません。

とある私立小学校の前を通りかかったとき、子どもは制服の学校だったのですが、一緒にいる母親も「制服なのかな? 」というくらいみんな同じ濃紺ワンピースを着ているのを見たことがあります。逆にあそこまで「こういうものを着るのがいい」と決まってたら、服で悩む必要はないんだろうな~とも思いました。

しかし自分の住んでる街の小学校では、どんな服装がベストなのか?! 子どもが小学校にあがった段階で、おっかなびっくりで周りの様子を観察したところ……うちの子が通う小学校のお母さんたちはそれぞれがわりとコンサバすぎる人が少なめで、みんな「自分好みの格好」で保護者会に来ている感じでした。

普段よりは少しラフ過ぎず、かといってフォーマル過ぎもしないちょうどいい服……よかった! みんなそんなにコンサバじゃない! と思って安心はしたのですが、同時に「じゃあ私にとってのベストな服ってどんなの?! 」という悩みが……。正直、ガチガチのコンサバ服は好みではなく着たくはないので「ちょうどいい」感じがいつも難しいなあと思っています。

私としては、子どもの母親として出かける先では、悪目立ちせずに周囲に溶け込みたいのです。私個人として出席する場では、何を着るかは全然悩まないのですが、小学校はあくまでも「子どもが主役」なので、子どもよりも目立ちたくないという気持ちがあります。

なので、毎回パートナーに「この服なら『お母さんっぽい』かな? 」などと、保護者会に行く前に服装について聞いてしまいます。しかし、パートナーは「どうしてお母さんっぽい服を着ようとするの? 自分の好きな服で行きなよ」「無駄な抵抗はよせ」と言ってくるのです……!

そして我が家は夫婦揃って白髪ケアとして、髪色を染めています。私は赤、パートナーは現在オレンジ系です。私は白髪だけが赤く染まるように染めていて、パートナーは脱色してから色を入れています。そんなわけで、我が家はオレンジ頭のお父さんと、赤い頭のお母さんなのです。その時点で「別にお母さんっぽさを演出する必要なくない? 」というのがパートナーの意見。

私としては、髪の毛は自分の好きにしているからせめて服装くらいは落ち着いたお母さんぽさを演出したほうがいいのでは? という気持ちなのですが、パートナーからは「なんでそんなこと気にするの? 」という感じに見えるようです。とかいいつつ、パートナーはいつもはおもしろTシャツばかり着ているのに、保護者会に行くときは無難なTシャツに、無難なジャケットを着ています。自分は無難な服装なのに……! (でも頭はオレンジ)

最近もまた学校のイベントで周囲の保護者を観察してきたのですが、最近はインナーカラーも流行っていて、いろんな色の髪色の保護者がそれなりの数いました。確かにコンサバとかあまり気にしないほうがいいのかもしれない……とやっと思うようになりました。

ファッションは「自分が周りからどういう人だと思われたいか、見られたいか」という意識に直結しているので、TPOによって迷ったり悩んだりしてしまいがちです。とりあえず保護者会や学校行事には「自分の好きな格好でなおかつ子どもよりは目立たない」というくらいで行こうと思います。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。