「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第175回のテーマは「子どもを褒めて育ててる? 」です。

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今の子育ては、「子どもを褒めましょう」とよく聞きますよね。「褒められた」という成功体験がよい行動につながる、ということです。というわけで、私もガンガン褒めて育てている……と思っていました。

なのですが……! 息子に「普段からお母さんに褒められていると思う? 」と聞いたところ、「全然僕は褒められてないよ」と言われてしまいまいました。「あれ、なんで? 嘘ー?! 」と思い、最近の自分を振り返ってみました。

我が家では夫婦そろって息子に「マイルは我が家の宝じゃ~(なぜかいつも昔話口調)」とか「お帰り! かわいこちゃん! 」とか、愛情表現は豊かです。毎日「あなたは大切な存在だ」と伝えています。息子の話すことを注意深く聞いて、本人のやることや、生活について勝手に親が決めることはなく、意見を聞き信頼関係を大事にしています。

……あれ? 愛情表現はしてるし、意見を尊重しているけど、確かに「褒めてない」。もっと小さいころは「ご飯が全部食べられたね~」とか「ひとりで着替えができたね~」などと、褒めまくっていたような気がします。でもある程度の年齢になると、日常生活の中で「自分でやる」のは当たり前になっていく。

そして成長するにつれ、褒めるよりも小言が増えていきます。学校から帰ってきてランドセルの中身を整理して、明日の準備をする。宿題を済ませる。夜はさっさとお風呂に入り、歯磨きをする。そういったことを「言われなくてもやってください」ということばかり言うようになります。できて当たり前のことが増えてきているんですね。そうして褒める機会が減っていたことを、親は全然自覚していませんでした。そうだったのか……私は、褒めていなかったのか!

しかし、小学生ともなれば「ご飯一人で食べられたね~」とかで褒めていいのか? 思います。そして息子からみてもあまりレベルの低いことを褒めると「バカにしている…?」となってしまう可能性もあります。

息子は少し発達が早いタイプで、読み書きが他の子よりも早くできました。現在も漢字はたくさん読めるし、計算もそこそこできます。なので、小学生1年生のテストも、本人からすると「物足りない」そうです。なので、100点取ったことを褒められても「嬉しくない」といいます。

本人が喜ばないというのもありますが、そもそも私は「テストの点数がよかったこと」を、積極的に褒めないようにしています。息子に対して「成績がいいから、勉強ができるからあなたに価値がある」というメッセージになるとイヤだなと思っているからです。勉強が楽しくて、本人も「絶対100点取るぞ! 」と思っているなら「頑張ったね! 」と結果を褒めることは意味があると思うのですが、現時点ではそうではないので、ここで「100点取ってえらい」と言うのは違うなと思っているのです。

元々ある能力を評価するよりも、できないことを頑張った結果、よい結果が得られた、というような「行動」を評価したいと思っています。パートナーも同じように考えているので、結果だけで「褒める」ということはしないようにしています。

というわけで、今はテストの点数を褒めたりしてないのですが、逆に98点とか取ってくると、だいたいが「うっかりミス」なので「わかる問題のハズなんだから、もっとちゃんと見て! 」と言ってしまいます。う~ん。こうやって「褒めない母」ができていくんですね……。というわけで、小学生以降こそ意識して褒めるようにしていかないといけないんだなと改めて感じました。

息子は、国語などの「自分が思ったことを書きましょう」という自由回答系の問題が苦手だったのですが、最近はそれなりに自分で感じたことを書けるようになってきました。先日、家庭学習ワークでの国語の問題の解答がとてもよかったので、「お母さん、この文章はちゃんとマイルにしか書けない文章になっていてすごくいいと思う」と褒めました。本人も嬉しそうだったのですが、それをお父さんにもシェアしなきゃと「お父さん、マイルのこの文章が……」と話し始めると、「恥ずかしいからやめて! 」と言われてしまいました。「僕のいないところで、こっそり褒めてね」と。え、そうなの? 本人がイヤじゃないように褒めるのって難しい!

ちっとも褒めなくてもダメ、たくさん褒めてもダメ、レベル設定を低くして褒めてもダメ、レベル設定を高くしすぎるとダメ出しばっかりになってダメ……。ちょうどいいバランスの「褒め」って難しいですね。

なので、なるべく「おお~いいね」とか「面白いじゃん」などと、本人がやったこと、言ったことについてライトにポジティブな声掛けをするようにしています。本人が「褒められてる」と自覚しなくても、ポジティブな声掛けはあったほうがいいと思って意識しています。

日常生活の「やるべきこと(片付けや歯磨きなど)」を言われなくてもやったときは、本当に嬉しいので「すごい! 素晴らしい! 」と褒めているのですが……なぜか毎回やってはくれません。なぜ!? まあ褒められたからすぐに行動が変わるわけではないですよね。これからも「親の褒め力」強化に精進したいと思います。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。