「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第142回のテーマは「子育てタスクを奪い合う夫婦」です。

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春は節目の季節ですね。我が家では私にとっては初めての、子どものライフステージが変わるイベントがやってきています。とうとう保育園卒園なのです。0才児からお世話になった保育園。6年間、子育てになくてはならない存在だった保育園がとうとう終わります。これはとってもさみしい……!

子ども本人よりも、親のほうがさみしがっている気がします。なにせ、まず入るのが大変でした。夫婦喧嘩もしました。あんなに苦労して入った保育園がとうとう終わりだと思うと、感慨深さもひとしおです。

私のときの保活はかなり熾烈で、本当に苦労しました。0才児で認可保育園に入るために認可外保育園に入れる必要があったため、生後2カ月から認可外保育園に預けたり、それにお金がかかったり……。どんなに作戦を練っても入れる保証はなく、大人になってからこんなに大変なことってなかった、と思うくらいでした。

今年はなんでも、コロナ禍の影響で激戦と言われる23区内の保育園でも空きがあるところもあるそうです。とはいえ、まだまだ激戦で入れない人もいるらしく、保育園の状況は、政府、行政の指針やその他の情勢にも左右されるものなんだなと思いました。

そんな苦労をして入った保育園。雨の日も風の日も送り迎えした保育園生活が終わります。卒園式はすでに終わりましたが、保育園は3月末日まで登園します。なので、我が家は残り少ない保育園生活の名残をめちゃくちゃ惜しんでいます。

この連載でも何度も書いていますが、我が家は保護者イベントに前のめりです。私にとって息子は初めての子どもで、なおかつ一人っ子なので、最初で最後の子育て。なので「すべてのタスクの内容を知りたい」という気持ちがあります。

パートナーはすでに2人の子育てを経験していますが、離婚するまで子育てタスクにコミットしていた父親なので、今回もやりたい……というわけで、譲り合うこともなくかといって奪い合うこともなく、だいたいのイベントや行事に夫婦2人で行っています。

とはいえ日々の保育園の送り迎えは、いつもは送りが母で、お迎えが父です。我が家は子どもの習い事への付き添いも、順番で行っています。これも押し付け合いにはならず、どちらかといえば奪い合い。平等に一回交代で付き添っています。私が習い事に付き添うときは保育園のお迎えも私が行くので、送りも迎えも私になりがちです。そういうときは、朝の送りをパートナーが行ったりします。なので送り迎えの当番が夫婦で変わることもあります。

送りには送りでしか見られないシーンがあるし、お迎えにはお迎えでしか見られない子どもの姿があります。残り少ない保育園生活を惜しむ我々。時間に余裕のあるときはどっちも見たいんですよね。

朝、送りのときにパートナーがついてくると、最初は「担当じゃないんだから来ないで」と言っていました。保育園は遊びに行くところじゃないんだから、余計な要員は来なくていいのでは……? と、なんだか申し訳ない気持ちもあって、一緒に行くのは恥ずかしいのです。ですが、残り少ないしまあいいか……と、結局2人で行ったりしています。ちなみにお迎えは、だいたいいつも私は仕事が切羽詰まっているので、ついていくことはありません。

最近朝送りに行くと、息子のクラスの子ども達が園庭で遊んでいるので「見納めか~」とか言って、送った後に眺めてしまいます。今まで、自分の卒園・卒業には全然センチメンタルにならなかったタイプなのに、子どもの保育園についてはこんなに名残り惜しいものか~とびっくりしています。

自分のことだと、次へ進むことのほうにワクワクしていて、惜しむ気持ちがなかったんですよね。でも、子どものことだと「その時期が終わる」ということを客観的に見てしまうので、惜しい気持ちが湧くのかもしれないなあと思いました。

案の定、息子本人は「小学生になるのが楽しみ」と言っていて、保育園に行けなくなるさみしさみたいなものはまだあまり感じていないようです。自分も卒業式とかであんまり泣かない、終わったものに未練のないタイプの子どもだったな……と思い出しました。

というわけで、息子は4月から小学生になります。練習として、近所のお店に1人でおつかいに行かせたりしているおうちもあるのですが、我が家はまだまだ全然「一人行動」をさせていません。今のところ不安ばっかりです。時間どおりに帰ってこなかったら、絶対探しに行ってしまいそうです。

「小学生になっても、迎えに行っちゃおうかな~」と息子に言ったら、「絶対許さない」と言われてしまいました。息子のほうが、しっかりしているかも。パートナーにも「あんまり不安だって子どもの前で言うな」と言われてしまいました。

名残を惜しみつつ、入学準備もしなければ……。子どものライフステージの変化は親もドキドキするんだなあということを実感しています。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。