「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第14回のテーマは「友達に愚痴って終わりにしない」です。

  • 愚痴って終わりにしてない?

ママ会、女子会でパートナーの愚痴は言いますか?

私はまったく言わないってことはありません。ケンカした日や、イヤなことがあった日は友達に話を聞いてもらうことはあります。

友達からアドバイスをもらったり共感してもらったり、逆に愚痴を聞いたりしていると「しょうがない。そういうこともあるよね」という気持ちになれることもあります。でも私は、この世で一番話を聞いてもらいたくて分かってもらいたいのは、パートナーだと思うので、一番大事なことや解決するべきことはパートナーに必ず言うようにしています。

元々かなりせっかちな性格な私は、昔から「恋愛相談を友達にするくらいなら、さっさとその内容を意中の相手に言っちゃえばいいのでは? 」と思うようなタイプでした。恋愛ドラマとか観ていると「あー、さっさとお互い本音を言えばいいのに~」とイライラしてしまうので、ほぼ観ません……。なんで恋愛ドラマの人達って、全然本音を相手に言わないんでしょうね?! (言ったら話が終わるからか)

というわけで、駆け引きとか情緒に欠ける私なのですが、トラブルや揉めごとも「腹割って話し合って、落としどころをみつけたい」タイプです。じゃあ友達に愚痴を言う必要もないのでは? とも思うのですが、1人で悶々と考えているのも危険ではあるんですよね。

初婚の失敗で私が深く反省していることに、「友達の意見を全然聞かなかった」というのがあります。何かと抱え込みがちなタイプだったので、友達から「もっと夫さんにも家事をやらせたほうがいいんじゃない? 」とか「自分でそこまでやらないほうがいいよ」とか、色々言われていたのです。

でも、全然聞いていませんでした。「平気平気」「大丈夫、好きでやってるから」と言いまくっていました。「自分が頑張ればなんとかなる」と思っていたので、人からの客観的な意見がまったく耳に入ってきませんでした……。

本気で困ってから、「あれ。どうしてこうなったんだっけ? 」となっても後の祭り。「あんなに友達が言ってくれてたのに」と後悔して、深く反省しました。

なので「周りから見た客観的な意見」というのは、もっとちゃんと慎重に取り入れたほうがいいんじゃないかと、今は思っています。何か迷ったり困ったりしたら、信頼できる友達には愚痴を聞いてもらうことにしています。

そして愚痴を聞いてもらうにあたって自分で決めていることは、「パートナーに言えないことを友達に言わない」「パートナーに聞かれても困ることは言わない」です。あと、誰に家庭の話をしているか、大体パートナーが把握できるようにしています。

これは我が家の「隠し事はしない」というルールに基づいています。

誰もがなんでもかんでも情報をシェアする必要はないと思うのですが、我が家では(少なくとも私からは)隠し事はしないようにしています。これは、相手に対する誠実さというようりは、お互い隠すほうが面倒くさいからなのですが……。

そして友達に話していることを開示すると、「さっきの件を友達に相談したら、こう言われた。そういう意見ももっともなので、だからこうしよう」みたいな会話もできるので、建設的だなぁと思います。

家庭の不満の話が、ただの陰口や悪口にならないようにしつつ、そして他人の意見に依存するのでもなく、バランスはとっていきたい。「客観的な友達の意見」が家庭にいいフィードバックがあるような会話になるのが理想だな~と思っています。

著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。