「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第125回のテーマは「夫婦で子どもの行事に行くよしあし」です。
我が家は子どもの行事や保育園の集まりなど、夫婦どちらも行きたいので2人揃って参加しています。第44回「子どもの成長を見逃すのはもったいない! 」でも書きましたが、参加権を争うくらいなら2人で行こうということになっています。
子どもは6歳になりましたが、相変わらず子どもが発表などする行事(運動会や学芸会)以外でも、保護者会などに夫婦揃って参加しています。この前は子どもの就学前健診に行ってきました。
私はアラフォーでの出産で、ひとり息子の子育てです。なので、子ども関連の事柄については「必要なタスク」でもあるのですが、同時に「積極的に知りたいこと」なのです。就学前健診は保育園のお友達以外の人達もたくさん来ますし、小学校で行われます。小学校でどのように健康診断が行われて、ほかのご家庭やほかのお子さんがどんな感じなのか知りたいのです。
これに関してはパートナーも同じで、「興味があるし、知りたい」から行きたいという考えです。パートナーには前の結婚で2人の子どもがいます。「子育て経験者なのだから、私に譲ってくれてもいいじゃない? 」と思ったりもしたのですが、前にも行ったことがあるとは限らないし、そういえばパートナーもこれが最後の子育て……と思うと、機会を奪い合うのもなんだなと思っていました。
なのですが、改めて確認したら「(息子の)お兄ちゃんやお姉ちゃんのときもだいたい行ってた」とのこと。パートナーのスタンスはなにも変わっていませんでした。「子育ての経験値」としての興味じゃなくて、自分の子どもに関わることを知りたいから積極的に参加していたんですね。
ちなみに離婚後も、パートナーはお兄ちゃんやお姉ちゃんの運動会などを見に行っていました。お姉ちゃんは中学生になって、「頼むから来ないでくれ」と言われて行かなくなったそうです。
我が家は異母きょうだいの交流があり、離婚後も別居親である父親と子どもたちの交流がある家庭です。パートナーが離婚前に深く関わっていたのはおもに保育園~小学生時代ですが、パパ友・ママ友やお友達のことにも詳しく、「○○ちゃんが」とか「○○くんが」という話は大きくなった今も親子でしています。パートナーの「子どもの行事を見に行く」という行動は、それにより子どもの周辺情報にも詳しくなり、親子で共有していることが多くなるんですよね。
子どもが大きくなって父親と会話が減るようなパターンは、父親が子どもの情報を知らない場合もあるのではないかと思います。離婚後は月1回の面会でしたが、私が見る限り、パートナーが子どもと関わった分だけ子どもからの信頼感に繋がっているのだろうなあと思いました。
そう考えると、やっぱり親が子どもの行事に積極的に参加することは、子どもにとっていいことなので、「うちだけいつも夫婦2人……」という恥ずかしさを抱える必要はないのだろうと思います。いや、でもやっぱり健康診断に夫婦で行くのはやっぱりやりすぎな気もする……!
しかし、今回の健康診断で息子の目が悪いということが判明しました。これは私は結構ショックで、このことを夫婦ですぐに共有できたのはよかったなと思いました。
私自身は、どんな使い方をしてきてもずっと目がよかったので、「○○をすると目が悪くなる」みたいなことにまったく意識が向かなかったのです。しかし、息子はすでに目が悪くなっていて、それに気が付かなかったことも、目の使い方に気をつかっていなかったことも含めて「わたしに責任が……」と落ち込んでしまいました。こういうときに、「大丈夫だよ」とか「これから気をつけよう」と、ほかでもないパートナーが言ってくれるのはとても心強かったです。
ちなみにパートナーは目が悪く、子どものころからメガネをかけています。私は目が悪いということがよくわからないのですが、パートナーには経験値があり、今後の方向性や生活の指針についても一緒に考えていけるので、一緒に来てよかったなあと思いました。
ちなみに、子どもの通院などは片方が行きます。さすがに病院は人数が多いと迷惑なこともあるので、最少人数で行っています。息子が手術を受けるために半日入院したときなどは夫婦揃って行きましたが、普段近所のクリニックに行くときなどは夫婦で分担しています。ほどんどは私が付き添うことが多いですが、タスクによってはパートナーが行きます。
健康診断のあと、眼科に息子の視力検査に行きましたが、それは夫婦のどちらも行きたかったのでちょっと奪い合いになりました。結局私が連れて行き、私は息子が視力検査をしているのを見ていました。同席して後ろから見ていたのですが、私が裸眼で見えるものが、息子には見えていないのが結構ショックでした。ショックでしたが、息子の初めての視力検査(健康診断は簡易的なものだったので)を見ることができてよかったです。
今度は息子の初めての歯科治療というタスクがあるのですが、それも私が連れて行きます。初めてで怖いかもしれないから付き添うわけですが、私のなかに「初めての歯医者さんで息子がどういう反応をするか見たい」という気持ちもあります。パートナーもそういう気持ちがあるようですが、さすがに2人で見守るのは迷惑なので譲ってくれるそうです。
子どもに関することって、親がやりたければ奪い合いになり、やりたくなければ押し付け合いにもなる。やりたいことなのか、やらなきゃいけないことなのかでタスクの扱いは違うのだなあと思います。いつかは子どもも離れていく日が来るので、それまでは夫婦で競い合い譲り合いながら子どもの成長を見守れるといいなと思います。
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著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。