1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2022年で108年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年11月以降は新たに7施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。

  • 星野リゾートの温泉旅館「界 ポロト」

第12回目は、2022年1月、北海道白老町にオープンした「界 ポロト」。全42室、すべてがポロト湖ビュー。英国の権威ある雑誌でベストデザイン賞を受賞した宿の(アイコン的存在)"とんがり湯小屋"は、まるで絵本から飛び出してきたような可愛らさがあります。さらに注目は、星野リゾート初となるモール泉。北海道の雄大な景色とともに、紅茶色のとろとろ温泉に癒やされます。

唯一無二の魅力があふれる「界 ポロト」。1泊2日の滞在で、オンリーワンの感動体験が目白押し!

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■絵本の世界のような建築美を楽しむ

  • 館内に使用したシラカバは、なんと500本以上!

新千歳空港から車で約40分。札幌駅からだと電車で約1時間。太平洋に面したのどかな田舎町・白老(しらおい)に「界 ポロト」はあります。

エントランスをくぐると、一気に町の喧騒が消えて森の奥に迷い込んだよう……。エントランスやプロムナード、さらにロビーラウンジに至るまで、白く美しいシラカバが林立。シックなインテリアにシラカバが映え、北海道らしい景観をつくりだしています。

  • アイヌ語で「大きな湖」を意味する「ポロト湖」湖畔に囲まれた「とんがり湯小屋」

白老はかつてアイヌの集落があった町。「界 ポロト」に隣接する、日本最大のアイヌ文化を紹介する施設「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が立地する白老町と連携をとりながら、 アイヌ文化やアイヌ民族の人々の精神性に触れられる温泉旅館として、2022年1月にオープンしました。

「界 ポロト」のシンボリック的な建物が、アイヌ建築を取り入れた"とんがり湯小屋"。これは、円すい状に造られた浴場。「△湯(さんかくのゆ)」という名前がついています。

「界 ポロト」は、2022年9月、英国でベストデザイン賞を受賞。これまで見たことがないような斬新なフォルムに、ドキドキ……! 大人の好奇心をくすぐる、まさに"ワクワクする建築"です。

  • シラカバに囲まれたラウンジでアイヌ民族とゆかり深いエント茶をごくり

ウエルカムドリンクには、2種類のお茶が出されます。そのうち一つが、アイヌ伝統のシソ科のお茶「エント茶」。アイヌの人たちは、このお茶の香りを「病魔を遠ざける」効果があるとして普段からよく飲んでいたそう。

実際に飲んでみると、最初は「ん? ん? この香りは何?」と驚きますが、慣れてくるとハーブのような香りと清涼感があっておいしい!

■北海道遺産のモール温泉に浸る

  • 「とんがり湯小屋」には、いたるところに三角形が使われている

「エント茶」で体を温めたら、次は温泉で体をぽかぽかにする番!

アイヌの伝統建築技法を採用した「△湯」は、その名前の通り三角形がいっぱい。建物も、天井も、のれんも三角形だらけ。よーく見ると床に小さな三角形もあり、隠れミッキーならぬ"隠れ三角形"を探したくなります。

  • 三角形の大きな窓がある湯上がり処

中に入ると、大きく切り取られた三角形の窓が。窓の向こうにはポロト湖が広がり、手を伸ばせばとどきそう……! 日頃のストレスも小さな悩みもスッと消し去ってくれそうな絶景です。

  • よく煮出した紅茶のような色のモール温泉

温泉好きにとって、一番の楽しみが北海道遺産に認定された「モール温泉」に入れること。「モール温泉」とは、長い間蓄積された植物など有機物を含んだ温泉。浸かればpH7.8のとろんとした湯が肌を包み込み、湯上がりの肌をつるつるにしてくれます。

さらに、メタけい酸の量が227mgと既定値の4倍以上(温泉1kgあたり50mg以上で、美肌の効果あり)! 心も体も癒されてキレイになれる温泉です。

「△湯」の内風呂はうす暗く、洞窟のような造り。奥に三角形のトンネルがあり一歩、また一歩、進んでいくと……。

  • 男性側の「△湯」露天風呂

視界が一気に開け、壮大な絶景が目の前に。とくに男性側の露天風呂は、ゆるゆると景色を眺められる最高のロケーション! 浴槽の縁がないため、ポロト湖とつながっているような一体感を感じられます。

一方、女性側の露天風呂は目隠し用のアシの隙間から、ポロト湖を望む設計。吹き抜ける風を感じながら、周囲の自然と溶け込むような気分を味わえます。

  • 無料で体験できる「うるはし現代湯治」

温泉についてもっと詳しく知りたい人は、16時からとんがり湯小屋の湯小屋で行われる「うるはし現代湯治」に参加しましょう。

これは、スタッフが「界の湯守り」としておすすめの入浴法や泉質について解説してくれるもの。ディープなモール温泉を知るのに役立ちます。

■ずっといたくなる、ポロト湖ビューの絶景客室

  • 限定3室の特別室(2名利用可能)

客室は全4タイプ。どの部屋も共通しているのは、ポロト湖を一望できること! ぬくぬくとしたお部屋で過ごし、ポロト湖を眺めてゆったりくつろぐ……。広大なポロト湖を眺めていると、心までのびのびと大きくしてくれそうです。

  • 空を移す水鏡のような特別室の露天風呂

限定3室の特別室には、テラスに専用露天風呂が。屋根付きだから、雨や日差しをさえぎってくれて快適。ざぶんと浸かれば、青い湖と空と一つになれます。

昼は雄大な景色をながめてゆったりと。夜はモール泉にじっくり浸かって疲れを癒やす。温泉好きにはたまらない、絶景おこもりが叶います。

  • 大人がほっとくつろげる癒やしの空間

客室にもアイヌ文化がさり気なく見え隠れ。インテリアは、アイヌの人たちが暮らす家「チセ」をイメージしており、炉を想起させるテーブルやアイヌ文様を施したクッションを取り入れるなど、「界 ポロト」ならではの空間になっています。

また色味がシックで落ち着いた雰囲気で、ゆったりと心と体を休ませられます。