TimeTreeは6月28日、TimeTreeユーザーの予定動向をまとめた「未来データレポート」の7月版を公開。「花火」の予定に関するレポートを発表した。調査は、2019年1月~2024年5月の期間で登録されたデータを対象として分析した。

コロナ禍で発生した「観覧席の有料化」「長期間の大会中止」により花火予定の登録時期が大きく変化

2020年から始まったコロナ禍では、多くの観客が集まり感染リスクになり得る花火大会は開催中止や無観客開催といった対応を余儀なくされた。「花火」というキーワードを含む予定数の推移を見ると、2023年はようやく予定数がコロナ禍以前に戻りつつあることが読み取れる。

  • コロナ禍で減少した「花火」関連の予定数は2023年にはコロナ禍前の水準まで回復

2023年に開催された花火大会数はコロナ禍前に戻りつつあるものの、コロナ禍を経て花火大会には新たな課題が生まれているという。その1つが、開催にあたっての運営資金の確保。花火の火薬代や、人が密集しない安全な大会運営のためにかかる警備費用などが、近年の物価や人件費の高騰の煽りを受けて膨れ上がり、クラウドファンディングや有料観覧席の増加といった手段で資金確保をする花火大会が増えている。

長岡花火や亀岡平和祭保津川市民花火大会、戸田橋花火大会といった歴史ある花火大会でも全観覧席を有料化する方針が取られた。このような運営の変更が生まれる中、花火大会の予定データを見ると、コロナ禍以前の2019年は花火大会直前に予定の登録が多かったのに対し、2023年はチケット販売開始時に予定登録タイミングが集中する変化が起きていることが見てとれる。

  • 長岡花火では2019年以前開催直前に多かった予定登録が2023年の全席有料化後、チケット販売時期に前倒して集中

また、特に数年の中止を経て久しぶりに開催された花火大会においては、開催決定の情報が出るタイミングで予定登録が集中する傾向も見られている。例えば2023年に4年ぶりの開催で過去最高の103万人の動員を記録した隅田川花火大会に関して2019年と2023年の予定データを比較すると、2023年は開催決定告知タイミングに予定登録が極端に集中し、花火大会への期待から予定登録時期が大幅に早まっていた。

  • コロナ禍後4年ぶりに開催された2023年の隅田川花火大会では開催決定の告知タイミングに予定登録が集中

こうした予定登録の早期化傾向は、個別の大会に限らず「花火」予定全体でも見られ、2019年と2023年で「花火」を含むキーワードでの予定登録タイミングを比較すると、登録タイミングが早い時期ほど2023年で登録率が増加しており、花火大会当日から60日以上前に予定を登録する人の割合は2019年が11.5%に対し、2023年は16.0%と花火大会の予定を早めに登録する人が増加している変化の傾向が見えた。

  • 花火大会の予定登録タイミングは2019年から2023年にかけて早期化の傾向

予定を前もって登録するようになったことは、花火大会がコロナ禍を通して早い時期から計画され、楽しみにされるイベントとなってきた変化の表れと推察される。

予定出現数TOP3には長岡花火、隅田川花火、なにわ淀川花火がランクイン

今年の花火大会に関する期待感を計るために、2019年、2023年、2024年各年の5月31日時点で登録されている「花火」の予定について調べたところ、2019年の登録予定1万件あたりの「花火」予定の出現数を100とした時に、2023年は135、2024年は128という数値になり、2024年は2023年とほぼ同水準で、早いタイミングで花火の予定を登録する人が引き続き多いことがわかった。

  • 2024年5月31日時点で登録されている7、8月の「花火」予定は2023年よりは微増するもコロナ禍前と比べて依然高水準に

次に7月から8月に開催される花火大会のうち、5月31日時点で登録されている予定数が多かったものも2023年、2024年で調べた。その結果、順位の変動は多少あるものの2024年の上位10位以内にランクインした大会のうち7つが、2023年にも上位10位以内にランクイン。新しく10位以内にランクインした花火大会としては、2023年まで中止が続いていた「鎌倉花火大会」に加え「みなとみらい花火大会」や「北海道真駒内花火大会」などが挙がり、これらの花火大会への期待度の高さが伺える結果となった。

  • 2024年の予定出現率上位10位の花火大会のうち7つが2023年にも上位10位以内にランクイン