1964(昭和39)年に登場し、阪急電鉄では現在、伊丹線で1編成のみ(3101~3150の4両編成)活躍している3100系の引退が迫ってきた。引退記念の「おつかれさま」「惜別」ヘッドマークを掲げての運行は7月8日までの予定とされている。

引退間近となった阪急電鉄3100系。伊丹線塚口~伊丹間で折返し運転を行う

伊丹線は塚口~伊丹間で折返し運転を行っており、同区間の所要時間は6分程度。平日朝夕のラッシュ時間帯は5~7分間隔、日中時間帯は10分間隔で運行されている。この日は3100系・3000系の2編成が日中時間帯の運用に入っていたようで、塚口駅に着くとほどなく「おつかれさま」「惜別」ヘッドマークを掲出した3100系が入ってきた。

3100系・3000系はともに当時進められていた架線電圧の昇圧(600Vから1,500Vへ)に対応した「昇圧即応車」として登場。3100系は宝塚線向け、3000系は神戸線向けの車両で、モーター出力や歯車比が異なっていたという。デビューから半世紀が経過し、3100系・3000系は支線を中心に活躍していたが。近年は最新車両1000系の投入などもあって廃車が進む。3100系は間もなく阪急電鉄から引退。3000系も数編成を残すのみとなった。

塚口行の先頭車となる3150号車に「おつかれさま」ヘッドマーク

伊丹行の先頭車となる3101号車に「惜別」ヘッドマークを掲出

塚口駅で発車を待つ3100系。同駅付近は単線の急カーブとなっている

能勢電鉄に譲渡された3100系。車体前面のデザインが変更されている

なお、阪急電鉄から能勢電鉄へ譲渡された3100系は現在も活躍中。ただし、改造によって車体前面のデザインが変更されており、従来の3100系とは異なる外観となった。阪急電鉄からの譲渡車で占められる能勢電鉄の車両の中でも異彩を放っている。