次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第46回は「オーツミルク」。

  • オーツミルクの人気アレンジメニュー「オーバーナイトオーツ」

「オーツミルク」って何?

近年、豆乳やアーモンドミルク、ライスミルクなど、いわゆる植物性ミルクが人気。ヘルシー志向の人、ビーガンやベジタリアンの人、乳糖不耐症など健康上の理由がある人など、選ぶ理由はいろいろ。動物性ミルクと比べると、温室効果ガスの排出量も少ないため、環境にやさしいものを求める人からも支持されている。そんな植物性ミルクの新顔として注目が高まっているのが「オーツミルク」だ。

オーツミルクの原料はオーツ麦。北米やヨーロッパで広く育てられている穀物で、オートミールやグラノーラなどシリアルの原料にもなっている。食物繊維が豊富で、糖質の吸収が比較的緩やかな低GI食品であるのが特長。オーツ麦のコクや香ばしさ、やさしい甘さがあり、そのまま飲むのはもちろん、牛乳のかわりに料理やお菓子作りに使うこともできる。

「オーツミルク」はどこで飲める?

スーパーやコンビニでも、オーツミルクを取り扱っているところが増えつつある。また一部のコーヒー店などでは、カフェラテやカプチーノに牛乳のかわりにオーツミルクを選べるところもある。今年春には全国のスターバックス店舗で「オーツミルク ラテ」が期間限定で販売され、話題を集めた。

  • ブルーボトルコーヒーカフェで提供されている「マイナー フィギュアズ・オーガニック・オーツミルク」(1本750円)

ブルーボトルコーヒーでも、2020年5月よりオーツミルクの取り扱いをスタート。現在はブルーボトルコーヒーカフェで提供されているすべてのミルクを使ったドリンクを、プラス50円でオーツミルクに変更できる。カフェラテやカプチーノはもちろん、モカなども対象だ。同店で使っているオーツミルクは、世界初有機オーガニック認証を取得したイギリス・マイナーフィギュアズ社の「マイナー フィギュアズ・オーガニック・オーツミルク」である。

「以前より植物性ミルクのご要望をゲストからいただいており、美味しいことはもちろん、スチームが綺麗にできる、そしてよりサステナブルな植物性ミルクを探し、こちらのオーツミルクに決定しました。コーヒーによく合うテイストでテクスチャーもよく、ラテアートも描けます」(Blue Bottle Coffee Japan PR Manager吉田恵さん)

オーツミルクは、牛乳やほかの植物性ミルクに比べても、地球への負担が特に少ないことも導入の大きな理由になったという。「ブルーボトル インスタントコーヒー」との相性もよく、自宅で楽しむ人も多いとのこと。評判は予想以上によいそうだ。オーツミルクはブルーボトルコーヒーの店舗で1本から購入できる(オンラインショップでは6本セットを販売)。

「オーツミルク」を飲んでみた

今回は、2020年春にダノンジャパンが発売した「ALPRO(アルプロ)」シリーズのオーツミルクを飲んでみた。

ALPROに使われているオーツ麦は100%ヨーロッパ産。「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク 砂糖不使用」と「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク ほんのり甘い」の2種類がある。

  • (左)「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク ほんのり甘い 1000ml」、(右)「同 砂糖不使用 1000ml」(各379円税別※編集部調べ)※「ほんのり甘い」は250mlもあり

まずは「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク ほんのり甘い」。商品名のとおり、ほんのり自然な甘さ。この甘さはオーツ麦由来だそう。麦の風味を感じるが、いい意味でクセがなく、まろやかな口当たり。朝食やおやつなど毎日ごくごく飲みたい味だ。

一方、「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク 砂糖不使用」は、甘さひかえめでより自然な麦の風味を味わえる。さらりとして飲みやすく、牛乳のかわりに料理に使うのもよさそうだ。

いずれも人工甘味料不使用。オーツ麦の配合や製法を変えて違う味わいに仕上げたそうだ。食物繊維が250mlあたり3.5g含まれており、不足しがちな食物繊維を美味しく摂ることができる。

「ALPRO」は1980年にベルギーで生まれた植物性食品ブランド。欧米では大豆、アーモンド、オーツ麦の3素材のニーズはかなり高く、とくにオーツミルクの成長は近年著しいという。今回、日本で販売を開始した理由について、「ダノンジャパンの消費者調査でもオーツ麦に対する支持はとても高く、新しい素材で植物性の商品を提供することで、生活者の注目を喚起し、植物性飲料市場自体の拡大にも貢献できると考えました」(ダノンジャパン マーケティング部ALPROシニアブランドマネジャー 福田マルシオさん)

そのまま飲んだり、コーヒーに足したりする以外にも、パンケーキ、スムージー、クッキーなどにもおすすめとのこと。公式サイトや公式Instagramでもいくつかアレンジレシピが紹介されている。たとえばオーバーナイトオーツ(冒頭写真)は、オーツミルクにオートミールを浸して一晩置き、やわらかくして食べるアレンジで、ヘルシーな朝食として人気だ。

すでにSNS上で「#オーツミルク」や「#アルプロ」のタグをつけた投稿も目立つようになっており、「どこで買えるのか?」という問い合わせも後を絶たないそうだ。現在は、関東エリアの一部コンビニやスーパーのほか、Amazonフレッシュでのネット注文が可能。東海・近畿エリアではイオン系列の店舗で販売中。10月から全国拡大される。9月からはカフェやレストラン向けに「バリスタシリーズ」も販売しているそうなので、今後飲む機会はますます増えそうだ。

ヘルシーで環境にやさしいオーツミルク。サステナブルな食への注目が高まる今、まずは一度飲んでおきたい植物性ミルクの新鋭だ。

※価格は特記がない限り税別