――コロナ禍になり、吉本ではライブを配信することが一般的になりましたね。

京極:配信バブルですね。えぐいっす。

なかむら:えぐいっすよ。配信をやるようになって「売れてない芸人は稼げへん」っていうイメージが変わりましたね。でもテレビに出られたのは数本だし、仕事内容は変わってないんでレベルアップした感は無いです。テレビに出れたら変わってくると思うんですけど……。

京極:(最高で売れた配信は)800枚弱かな。

なかむら:お客さんが60人くらいしか入られへん劇場の配信って考えたらすごいじゃないですか。

京極:NGK(なんばグランド花月)の客席数くらいよね。

――確かに、その規模の劇場が埋まるほどの配信が売れていると考えるとすごいですね。コロナ禍が落ち着いたら、どんなことをやりたいですか?

なかむら:営業や学園祭に呼んでもらえるようになったら良いですね。

京極:将来テレビ局に就職する人たちがいるんで、全国の学祭をまわって、そこを固めておきたいですね。

なかむら:……学祭で固めんの賢いか(笑)?

――「神保町よしもと漫才劇場」は、7年目以下の若手芸人の劇場ですよね。所属芸人の中では上から2番目の年代なので、やっぱり「劇場メンバーを率いて頑張ろう」みたいな意識があったりするんでしょうか?

京極:僕は、勝手にそう思ってます。まぁ、別に先輩意識とかじゃなく普通に後輩が好きなんですよ。気ぃ使わんで良いんで。でも、ちょうど昨日遅刻して……。

なかむら:最悪です。すごい怒られてます、支配人に。

京極:あわや謹慎。

なかむら:ほんまに危なかった。

京極:それが昨日なんで、あの……「率いる」とか言いにくい(笑)。

なかむら:(記事が)出るのはちょっと先やから(笑)。

京極:後輩をいっぱいかわいがって、結果的に引っ張っていけたらラッキーみたいな感じですね。コント師が(劇場に)残って小道具作ったりしてるんで、僕の部屋でやらせて、どんどん信頼させたいな。家が劇場から近いんで、いつでも来て良い。裏切られへん事実をいっぱい作って、固めていきたい。

なかむら:なにを考えてんの?

京極:何時でもコント道具を作りに来て良いので。都合良く使ってもらって、将来なにかのときに助けてもらえたら……。

なかむら:さっきの学園祭もそうやけど、そんなんばっかり考えてるの? なに青田買いしてんの、ずっと(笑)。

今後はどんどん「テレビに出たい」

――どういう状態になったら「売れたな」と思いますか?

なかむら:一般の人が「あの人ら売れてるやろ」って思ったらかな……フワっとしてますね、売れる・売れないの概念。

京極:テレビ局行くんが「ちょっとしんどいな」と思ったら売れたんじゃないですか?今はスキップで行けますけど(笑)。

なかむら:(しんどいから)休んじゃおっかな~みたいな。

京極:そう思えたら、売れたんじゃないですかね。

――やっぱり、今後の活動を考えると「テレビに出たい」というのは大きいですか?

京極:そうですね。親とか親戚とか友達とか、安心させられると思うので。出たいですね。

――どんな番組に出たいですか?

京極:僕はバラエティですね。テレビでネタしたい欲はそんなに。『脱力タイムズ』にツッコミ側で出れたら、一番売れてるんじゃないですかね。

なかむら:えー、僕はネタ番組出たいですね。そのほうが“すごいやつ”感出る。

京極:"すごいやつ"感って、どういう?

なかむら:本職で出てるから。

京極:なるほど。バラエティもネタ番組もどっちも出たいな。『ドリームマッチ』ですごい人と組みたい。

なかむら:ずっと売れた後の話やな(笑)。出たい番組で『ドリームマッチ』の話しだすやつあんまおらんで。ええけど(笑)。

京極:「ドリーム」って言われんねんで。俺が誰かと組むことを。夢って言われんねんで。すごない?

――賞レースに対しては、どう考えていますか? 最近はYouTubeやSNSでバズって人気になる方もいるので、いろんな売れ方があると思いますが。

京極:YouTubeで「売れる」ってイメージは無いですね。爆発するとしたら、『M-1』かなって。絶対に売れる方法というか……『M-1』優勝して売れなかったら、僕らがおもんな過ぎるんで(笑)。

なかむら:『M-1』で優勝して唯一売れなかったら……それはそれで良いな(笑)。

京極:諦めつきますしね(笑)。まぁ100%売れる方法が『M-1』ですね。

なかむら:昨年、準々決勝のネタがYouTubeに上がったとき(9番街レトロYouTubeの)チャンネル登録が増えたんですよ。えぐい影響力のある大会やなと思いましたね。どのテレビ番組よりえぐいんじゃないですかね。

――今は『M-1』予選の真っ只中ですね。今年の目標はいかがでしょうか?

なかむら:去年よりは絶対上に行きたいっすね。まずは準決勝ですね。去年までは(賞レース向きのネタに寄せようとして)ガチガチに緊張してうまくいかなかったんで、いつも通り……いつもより楽しんで。

京極:そうですね、楽しんでやりたい。

なかむら:緊張せぇへんとやりたいわ。無理なんかな。

京極:『M-1』でウケるために「このボケがどうで……」とかやるのって、ちょっと「勉強」に近いんでね。

なかむら:勉強せぇへんは働かへんわ……(笑)。まぁでも、楽しみですね。


連載「お笑い下克上2021」次回はストレッチーズが登場します。