学童保育+英語教育

「Kids Duo大泉学園」。首都圏の教室は駅から歩いて10分以内の距離の立地がほとんどで、仕事後のお迎えもスムーズ

日系企業の海外進出が過去最多を更新している中で、将来はグローバルに活躍できるように……と我が子に英語力を望む親が増えるのは当然のことだろう。早期から英語に慣れ親しんでほしいとは思いながらも、忙しい共働き世帯にとって送り迎え前提の英会話教室へ通わせるのは正直ハードルが高い。そんな中で注目を集めているのが「Kids Duo」(キッズデュオ)だ。

Kids Duoは、個別指導塾「スクールIE」や英会話教室「Win Be」などを展開する「やる気スイッチグループホールディングス」の関連会社「拓人こども未来」が運営する英語環境による学童保育。全国に66の教室を持ち(2015年10月現在)、どの教室にも必ずネイティブの先生と英語の堪能な日本人の先生が在籍していることが大きな特徴だ。教室内では基本的に英語しか使わず、掲示物もオールイングリッシュ。

学校終了後から最長20時30分まで児童を預かる学童保育要素と、英会話教室の要素を融合させた形式が保護者たちのニーズと合致。2008年の開設以降、平均して1.3カ月に1校のペースで首都圏を中心に新たな教室を開設してきた。学校や自宅近くまでの送迎サービスも用意するなど、忙しい保護者に配慮したきめ細やかなサービスも人気の理由のようだ。

大泉学園のネイティブ講師クリスティン先生。以前はALT(外国語指導助手)として働いていた英語教育のベテランだ

教室内は掲示物も全て英語。視覚・聴覚から英語を吸収する

学童生活の中で生きた英語が身に付く

小学生の数が23区内で3番目に多い練馬区には(平成27年度学校基本統計速報より)、Kids Duoの教室が2校ある。今回伺った「Kids Duo大泉学園」は、西武池袋線の大泉学園駅から商店街を3分ほど歩いたところに立地する3階建てのビルの3階にある。

15時すぎ、教室内では子供たちが宿題に取り組んでいた。定規を使い、算数の宿題をしていると「Do you know what this is? This is a ruler.(これは何て言うか知ってる? 定規だよ)」と笑顔で話しかけるのはアメリカ人のハリソン先生。「How was school? (学校はどうだった? )」と子供たちを気遣う日本人の亜衣未先生も、幼稚園から小学3年生までインターナショナルスクールに通っていたというだけあり、発音がとてもきれいだ。

「When you finish your homework, please put it in your backpack.(宿題が終わったら、自分のかばんに入れようね)」「Put your chair away! (椅子を片づけて! )」。使われる単語やセンテンスは生活に根付いたものばかりで、ここでは生きた言語として使われている。保護者から「家でも、ちょっとした瞬間に自然と英語が出てくる」との声が寄せられるのも、そのためかもしれない。

先生の話を聞く子供たち。ネイティブスピードの英語でも一定の理解を示す子供たちに驚く

ハロウィンやイースターなど、季節ごとに海外の行事も体験。10月は近くの商店に協力してもらい、ハロウィンの仮装を楽しんだ

次回の後編では、子どもたちのやる気を引き出すさまざまな仕掛けや、気になる教師の質についてレポートする。