地方の中小・ベンチャー企業の売り上げを増加させる企業

まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。第14回は、「地方の中小・ベンチャー企業の売り上げを増加させる企業」です。

今回ご紹介するソウルドアウト(6553 東証マザーズ)は、東京都千代田区神田駿河台に本社があり、日本全国の中小・ベンチャー企業の売り上げ向上に取り組むWebマーケティング支援企業です。

オプトホールディング・電通・ヤフー

同社はネット広告代理店大手のオプトホールディングの営業担当執行役員であった荻原猛氏が、地方の中小・ベンチャー企業に特化したネット広告代理店として、分社化しました。

オプトホールディングは、日本最大手の広告代理店である電通と資本・業務提携を行っていますが、荻原氏はその業務提携交渉でオプトホールディング側の担当者でした。

現在ソウルドアウトも電通と業務提携を行い、ソウルドアウトの地方営業所に駐在する社員が、電通の名刺を持って、地方の中小・ベンチャー企業にネット広告の営業を行っています。また、ネット大手のヤフーも大株主となっており、ヤフーの様々な広告商材を地方の中小・ベンチャー企業に販売しています。

• ソウルドアウトビジネス全体像

ブルーオーシャン

首都圏を中心とする大企業は多額の宣伝広告費を持つため、巨大なマーケットはありますが、数多くの広告代理店が競合する苛烈な競争がある「レッドオーシャン」な市場です。

一方、地方の中小・ベンチャー企業向けは、1社当たりの広告宣伝費は少額な企業が多く、全体としてもそれほど巨大ではないですが、競合他社がほとんどおらず、ほぼ独占可能な「ブルーオーシャン」な市場です。ソウルドアウトは、この「ブルーオーシャン」な市場に特化しています。

ネット通販(EC)の発達などで、地方の中小ベンチャー企業でもネットを通じて、全国で販売することが可能な時代となっています。いままで地方の中小ベンチャー企業では、全国向けの広告宣伝活動の経験・スキルがなく、従来のチラシや看板などの地方に効果が限定されたマーケティングしかできませんでした。

しかし、ソウルドアウトが今まで培ってきたネットマーケティングの経験やスキルなどを提供することによって、限られた宣伝広告予算でも、全国規模で拡販することが可能になりました。マーケティングを支援することによって、中小ベンチャー企業の売り上げを増加させ、成長を加速させることができるのです。

地方創生・国策銘柄

地方の中小ベンチャー企業のマーケティング支援をネットを活用して全国規模で行い売上高を増加させることができれば、その過半の売上高はその地方以外の首都圏など都市部での売上高が多くなるはずです。そうなれば、その中小ベンチャー企業は、従業員の給料を上げたり、雇用を増加させたりするでしょう。

賃金や雇用が増加すれば、その地方の経済は活性化されることになり、まさに「地方創生」です。「地方創生」はアベノミクスの根幹の国策であり、ソウルドアウトは国策銘柄とも言えます。売上高を増加させることのできる同社は、地方創生になくてはならない企業だと言えそうです。