「大学生のアルバイト」というイメージが強い家庭教師。しかし、ここ数年で、副業として家庭教師を選ぶ社会人が増えているのだそうです。学生時代に家庭教師の経験がある人、教えることが好きな人には、良さそうな仕事ですよね。今回は、家庭教師の仕事内容や、収入の実態などについてご紹介しましょう。

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家庭教師の仕事内容と拘束時間

家庭教師は、派遣先の家庭に訪問し、あらかじめ指定された教科の内容を生徒に教える仕事です。教える生徒によって、まずは机に向かう習慣を付けさせる、宿題を一緒にやるといったことから、○○(教科)の成績を伸ばしたい、志望校に合格できるだけの学力を付けたいなど、要求される内容はさまざまです。

家庭教師を始めるには、アルバイト情報サイトで求人を見つける、複数の家庭教師派遣会社に一括登録できるサイトから申し込む、もしくは、知人の紹介で個人的に契約するなどといった方法があります。

拘束時間は、1コマの時間や受け持つコマ数によって変動します。平日の帰宅後では時間が遅すぎるという場合には、ノー残業デーや土日を利用して家庭教師を行う人も多いようです。なお、訪問する家庭は自宅から離れすぎていない場所にしてもらえるものですが、その移動時間も拘束時間として考えておいた方が良さそうです。

学力以外にも必要なスキルが

家庭教師の仕事は、当然ながら、担当する教科の指導ができるだけの学力が求められます。ただし、派遣される前に、自分が指導できる教科や範囲の指定はできるため、その点過度な心配は必要なさそうです。大切なのは、生徒に理解させるスキルがあることです。また、一方的に教えるだけではなく、最低限のコミュニケーション能力は必須と言えます。

なお、他人の家庭に訪問する仕事である以上、挨拶やマナー、言葉遣い、カジュアルすぎない服装など、身だしなみにも気を付けておきたいところです。訪問先の親は、しっかり勉強を教えていること以上に、まず「信頼できる家庭教師なのか」を印象や服装などからチェックしています。社会人として最低限のことができていれば問題はないはずですが、きちんとした印象を持たれるに越したことはありませんので、家庭教師をするなら意識してみましょう。

家庭教師の副業は、始めるのにコストがかからない点も魅力の一つです。派遣先の家庭までの交通費は支給されるのが一般的ですし、教師側が費用負担する教材なども通常はありません。ただし、家庭教師を始めるにあたって、教える範囲の復習が必要だと感じた場合には、自腹で参考書等を購入する必要があるかもしれません。

見込める収入はどれくらい?

家庭教師は、請け負う生徒やコマ数が確保できれば、ある程度安定的な収入が見込めます。1コマあたり(ここでは1コマ60分と仮定)の収入は、派遣会社の料金体系や教える内容などによって、2,000~5,000円程度と開きがあるようですが、社会人の家庭教師は大学生のアルバイトと比べて高給となっています。

たとえば、週末を中心に1コマ3,000円の授業を月10本こなせば、3万円の収入となります。移動時間を考えると、時給として非常に高いとは言えない場合もあるかもしれませんが、教えることが好きで、なおかつ継続して副収入が得られるとすれば、副業として良い選択肢なのではないでしょうか。何より、生徒の成長を間近で見たり、成績が上がれば一緒に喜んだりすることができます。収入が得られるだけでなく、やりがいや達成感も感じられることは、家庭教師の一番の醍醐味と言えそうです。

なお、学生時代に家庭教師や塾講師の経験がある場合は、依頼が多く来る傾向にあるようです。

副業としての将来性

最近では、少子化の影響か、これまで家庭教師のおもな担い手だった大学生の人材が不足しているという現状があるようです。そのため、大学生アルバイトに代わる社会人への需要は、決して少なくありません。なお、多くの企業で副業が解禁される世の中の流れもあり、家庭教師派遣会社への社会人の登録者数は増加しているそうです。

また、副業の中には、「収入になるかどうかわからない」「時間がかかる割にほとんど儲からない」というものもありますが、家庭教師は、それらと比較すれば安定収入の得られる副業に分類されるのではないでしょうか。

やりがいを感じながらしっかり稼ぐ

家庭教師は、社会人が選ぶ副業として人気があり、また、需要もありそうです。「やりがいを感じながら、働いた分だけ確実に収入を得たい」という希望があるなら、家庭教師を候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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    家庭教師の総合評価

武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。

イラスト=竹村おひたし