日本でも大雨・土砂崩れ・強風などの災害が増えています。また地震はいつ発生するのか予測できず不安に思う人も多いでしょう。

災害によって住宅に被害が出た場合、被災者生活再生支援制度や災害救助法などで補助を受けられます。今回はこれらの制度が適用されるケース、受けられる補助の内容などについて見ていきましょう。

被災者生活再建支援制度とは

災害によって住宅に被害が生じ、生活基盤が崩れた場合に経済的に支援する制度です。基礎支援金と加算支援金の2種類があり、合計で最大300万円を受け取れます。

ただし単身世帯の場合、満額の75%となります。

基礎支援金

被害の程度に応じてもらえる支援金で、全壊等は100万円、大規模半壊は50万円です。なお半壊の場合は対象外となります。

全壊・大規模半壊・半壊の定義は、おおむね以下のとおりです。

・全壊:住宅すべてが倒壊・流出・埋没・消失した場合。または補修によって再使用することが困難な場合。損害の割合は50%以上。
・大規模半壊:半壊し、住宅の主要な部分大規模な補修をしなければ居住できない場合。損害の割合は40%以上50%未満
・半壊:住宅の損害は激しいものの、補修すれば元通りに再使用できる程度のこと。損害の割合は20%以上40%未満

加算支援金

住宅の再建方法によって加算される支援金です。

・建築・購入:200万円
・補修:100万円
・賃借(公営住宅を除く):50万円

たとえば大規模半壊で補修を行う場合、基礎支援金50万円+加算支援金100万円=150万円が受け取れることになります。単身の場合は満額の75%なので、112万5,000円です。

申請方法

被災地区の市町村に申請します。基礎支援金を受け取るには罹災証明書、住民票、預金通帳の写しなどが必要です。加算支援金の申請では契約書の写しを用意します。

このなかで特に重要なのが罹災証明書で、市町村に発行の申請をすることになります。調査員による現地調査があり、損壊の程度を判定した後に発行される流れです。

罹災証明書が発行されなければ、当然支援金を受け取ることもできません。

なお申請期間について条件があり、基礎支援金は災害発生から13カ月以内、加算支援金は37カ月以内となっています。

災害救助法による応急措置

災害救助法とは、災害発生直後の生活の救助を定めた法律です。

その一環として、住宅が半壊して修理する資金のない世帯に対し、日常生活に最低限必要な部分を応急的に修理する制度があります。修理部分は、トイレ、キッチン、居室など。 災害救助法によって修理補助を受けるには、以下の要件に当てはまることが必要です。

・災害により住宅が半壊したこと
・仮設住宅などに入居していないこと
・自分で修理する資金がないこと

注意点として、災害発生直後の応急救助に伴う分が対象だという点が挙げられます。復旧・復興で発生する費用については対象外です。

また災害救助法はこれ以外にも、避難所や仮設住宅の設置、食品・水の供給、障害物の除去、行方不明者の捜索など幅広い救助内容が定められています。

災害復興住宅融資とは

災害で被害を受けた住宅を復旧するため、低金利で資金を貸し出す制度です。利用できるのは、全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊のいずれかの罹災証明書を発行された人です。

融資金利は加入する団信(団体信用生命保険)によって異なり、年0.85%~年1.08%です。団信に加入しなくても利用できますが、自身が死亡すると返済が免除されるので、家族に負担をかけないためにも加入するのがおすすめです。

融資限度額は下記のとおりです。

・建設(土地を取得する場合):最高3,700万円
・建設(土地を取得しない場合):最高2,700万円
・購入:最高3,700万円
・補修:最高1,200万円

また融資を受けるには審査に通る必要があります。他の借金が多い、年収が少ない等の理由で利用できないこともあります。申込受付期間は被災した日から2年間です。

まとめ

災害にあったときの補助制度について解説しました。支援金がもらえるもの、応急の修理をしてもらえるもの、融資を受けられるものがあります。

大雨・洪水・土砂崩れ・台風・地震などにより、いつ被災するか分かりません。これらの制度についてあらかじめ頭に入れておき、万が一被災したときは積極的に活用しましょう。