ランニングは健康にいいとわかってはいながら、「疲れる」などの理由で走ることに二の足を踏んでしまう人のために、ランニングに関する著書を出版している整体師ランナー・鮎川良さんが、「楽」に「楽しく」走れる方法を紹介する本コラム。今回は故障リスクを減らすための走り方のコツをお知らせします。

推奨する2本のレール間隔は、テニスボール1個分くらい

前回のお話では、「マラソン」と「ランニング」「ジョギング」は別のスポーツなんだと解釈すれば、楽になるということを書きました。今回からは具体的なコツを紹介していきます。

「1本のレール」ではなく「2本のレール」を意識

トップランナーは、「1本のレール」の上を走って行くように足を出すと言われています。なぜなら、骨盤がよく動いて身体を前へ押し進めることができるからです。これはマラソンをより速く走るためには正論です。しかし、ランニングやジョギングをしている私たち市民ランナーは、その「正論」が故障の原因となることがとても多いのです。ですから私は「2本のレール」をイメージするように勧めています。

足をまっすぐ出す=故障リスクの低減

2本のレールをイメージすると、足がまっすぐ出やすくなる利点があります。「足がまっすぐ出る」とはすなわち、膝とつま先がまっすぐ進行方向を向いていることです。これは、故障の少ない走り方としてとても重要なポイントです。ゆえにそれが楽に長く走るコツでもあります。足をまっすぐ出すことの大切さに関しては、次回以降もお伝えしていきます。

レール間はテニスボール1個分

では2本のレールをイメージした走り方の具体的な方法についてお話します。当たり前のことですが、自然体で普通に立った状態を正面から見ると、2本の足がはっきり見えますよね。ということは、そのまま足をまっすぐ出していくだけで、2本のレールをイメージするのは容易にできるはずです。

ただそのレールとレールの間は、接近し過ぎてはいけません。テニスボール1個分くらいを目安にすると良いですが、身長や筋肉の付き具合によって個人差がありますので、楽に走れるちょうどよい間隔をご自身で見つけてください。

「走っているときにシューズ同士が当たる」という方は、この2本のレール間隔が狭い可能性があります。意識的に少し間を開けてみましょう。「テニスボールほど開けると走りにくい」という方でも、せめてゴルフボールくらいの間を開けると当たらなくなると思います。ゆっくりとした速度から自分に合った間隔を見つけ出してください。

1本のレール上を走るのは、トップランナーがすること

足が接近し過ぎていると、シューズ同士が当たることもある

自分の走る姿を自分が前方から見ることは絶対にできませんから、走りながら足の出し方を確認するのはとても難しいです。そこで、周囲に気をつけた上で道路の白線を利用するなどして、2本のレール上を走る意識付けをしてください。どんなときでもこのレールは交わることがありません。常に同じ間隔を保ちながら、まっすぐ進んで行きましょう!

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計190万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。