手軽にできる毎日の健康維持法・ランニング。「定期的なランニングは体のためにもいい」とわかってはいながら「面倒くさい」「疲れる」などと、ちゅうちょしてしまう人も多いのではないだろうか。そんな人のために、整体師として活躍しながらランニングに関する著書を出版している「りょう」こと鮎川良さんが、「楽」に「楽しく」走れる方法を紹介する。

毎年12月に開催される「奈良マラソン」では、1万人が大和路を駆け抜ける

ランニングビギナー向けの「エンジョイラン走法」

はじめまして。整体師ランナーのりょうです。皆さん、ランニングはお好きですか? 私は健康のために走ることが好きです。

近年のマラソンブームも手伝ってか、私の周りでも中高年になって走り始める人がとても多くなってきている感じがあります。ただ、年齢的な身体の衰えを考えず、若いときと同じようにがんばり過ぎると、膝や股関節を痛めてしまいがちです。また、フルマラソンを「止まらず、歩かず」走りきることができないランナーも多いのが現状です。

そこで提案させていただきたいのが、私が発案したランニングフォーム「エンジョイラン走法」です。「エンジョイラン走法」は、がんばらないで「楽」に長く、そして「楽しく」走ることができるので、ランニング初心者や中高年の方にピッタリの走り方だと思います。

楽に走るには、筋肉をできるだけ使わないこと

当たり前のことですが、筋肉を使い続けるといつかは疲れます。その「いつか」が、目標としている距離のフィニッシュまでにやってきて、疲労が溜まりきってしまうと、そこで足が止まってしまいます。

一般的な考え方としては、そうならないために「筋肉を鍛えましょう! 」と、なります。しかし、私はその逆を提案しています。つまり、「疲労が溜まらないように、できるだけ筋肉を使わないように走れば、最後まで走りきれる」という考え方です。いわば「省エネ走法」なわけです。

車に例えると、普通車よりもエコカーの方が燃費良く長い距離が走れますよね。人だって、少ない力で長い距離を走ることができれば楽だと思いませんか? その性能を上げるためには、筋トレや特別なトレーニングは必要ありません。ちょっとした「コツ」を知ってさえいればいいのです。

マラソンとランニング、ジョギングは違うスポーツだと考える

大切なのは、私たちは「マラソン」ではなく、「ランニング」「ジョギング」というスポーツを楽しんでいると考えることです。速度で区別される一般論ではなく、「別なスポーツ」という概念を持つことです。マラソンの頂点はトップランナーです。では、ランニングの頂点とは、ジョギングの頂点とは何でしょうか?

この考えに気付くことが、ランニングやジョギングを故障なく楽しむコツです。目指すところが変われば、トレーニングの仕方が変わるのは当たり前ですよね。

固定概念を捨てましょう!

「走る」という行為は子供の頃からやっていますので、誰でも少しくらいはできることでしょう。でもその見方を変えると、新しいことに気付きます。

「走る」とは「片足ずつ蹴って身体を前へ進ませること」ですよね。しかし見方を変えれば「片足ずつ前に着地して身体を進ませること」となるのがおわかりですか?

つまり、「蹴るの連続」ではなく、「着地の連続」だと解釈すれば、筋肉の使い方や身体の動かし方が変わってくるはずなのです。その発想の転換が、がんばらないで楽に長く走るコツなのです。

具体的な方法は次回から紹介していきます。どうぞ皆様、お付き合いください。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計190万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。