鉄道ファンもアニメファンもびっくりな「500 TYPE EVA」が走り始めた。山陽新幹線で「こだま」として走っている500系を、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するエヴァ初号機風に塗装したという。なるほど、500系の未来的な造形とエヴァ初号機は似ているかも!

「500 TYPE EVA」に乗りたいけれど、乗ったら外観を楽しめないというジレンマ

その姿をじっくり眺めたいけれど、駅では乗降客が多くて視界をふさがれてしまう。沿線から眺めようとしても、新幹線は速いから一瞬で通り過ぎてしまう。客室にもしかけがいっぱいで楽しそうだし、ぜひ乗ってみたいけれど、乗ってしまったら外観が見えない。では、あの外観全体を観察するにはどうしたらいいだろう?

車体を眺めるなら走行中より停車中がいい。だから観察するなら駅だ。「乗降客が多くて視界をふさがれてしまう」とさっき書いたばかりだけど、視界をふさがれない場所もある。それは「対向式プラットホームに停車した電車の、反対側のプラットホーム」だ。駅で電車の写真を撮った人ならわかると思う。電車が停まっているホームだと近すぎて、列車全体の写真を撮れない。そんなときは階段を上り下りして隣のホームから撮ればいい。

幸いにも、「500 TYPE EVA」は各駅停車タイプの「こだま」として走っている。途中の駅で待避して、「のぞみ」「ひかり」「さくら」に道を譲るため。長時間停車する。その長時間停車駅のうち、対向式ホームとなっている駅に行けばいい。その駅はどこだろう? 列車ダイヤを作ればわかるぞ。

……いやちょっと待て。時刻表から類推できるし、インターネットの「えきから時刻表」で列車ごとの時刻表を開けば、全駅の到着時刻と発車時刻が書いてあるんだけど……。いやいやいや、ここはダイヤで見たほうがわかりやすいし、楽しいのだ。

山陽新幹線・博多南線の休日ダイヤ(2015年11月)

まずは山陽新幹線のダイヤの全体像を眺めてみよう。ずいぶん派手な色づかいだ。駅の案内表示に合わせて、「のぞみ」をオレンジ、「ひかり」を赤、「こだま」を青にした。九州新幹線直通「さくら」はピンクだ。この色づかいなら暖色系になるわけだ。山陽新幹線は「のぞみ」が最も多く、次に「さくら」が多い。「こだま」は1時間に1本程度。「ひかり」も「こだま」と同じくらいの数だけど、全区間を通して走る列車は少ない。

列車の密度は新大阪~岡山間が最も高く、西へ向かうほど低くなっていく。次の境目は広島駅だ。そして最下端は列車数が少なく白い帯に見える。ここは山陽新幹線ではなく、博多南線と呼ばれている。新幹線の車両基地・博多総合車両所の周辺の人々のために、博多~博多南間の列車がある。山陽新幹線と直通する列車もある。

このダイヤの中に、「500 TYPE EVA」車両を使用する列車もある。わかりやすくするために、黒い太線で描いてみよう。

「500 TYPE EVA」の列車を黒い太線にした

「500 TYPE EVA」の特設サイトによると、この車両を使用する列車は上り「こだま730号」と下り「こだま741号」だ。博多駅を6時36分に発車し、新大阪駅に11時14分着。折返しの列車は新大阪駅11時32分発・博多駅16時7分着だ。公式サイトには表記されていないけれど、ダイヤを描いてみたら、どちらの列車も博多南線に直通するようだ。博多南線は、時刻表では独立した路線として別掲されている。しかし列車番号が一致している。博多南線は運賃と特定特急料金の合計額が300円。「500 TYPE EVA」に最も安価に乗れる区間だ。

新大阪駅の折返し時間は18分。20番線に到着するから、向かい側の21番線から眺められる。ただし、21番線は11時23分から11時25分まで、東京発広島行「のぞみ103号」が停車する。年末年始は11時20分発の下り始発列車があるので、ちょっと忙しい。

黒い線を追っていくと、上り列車は厚狭駅、新岩国駅、広島駅、新倉敷駅相生駅、西明石駅で長時間停車するようだ。下り列車は姫路駅、相生駅、新倉敷駅、新尾道駅、三原駅、新岩国駅、徳山駅、新下関駅で長時間停車するようだ。時刻表には発車時刻しか記載されていなくても、列車ダイヤ描画ソフト「OuDia」は、その区間の最低所要時間の列車を割り出し、到着時刻を予測してくれる。もっとも、列車の性能によって所要時間が変わる場合もあるので、目安として考えておこう。

「500 TYPE EVA」の上り列車を拡大

「OuDia」は時間や駅間の表示を拡大縮小できる。もう少し詳しく知るために、上り・下り列車の時間帯を拡大してみよう。まずは上り列車だ。長時間停車が予測できる駅は広島駅、新尾道駅、岡山駅、相生駅、西明石駅だ。ただし、広島駅や岡山駅は島式ホームの待避側に入るだろうから、対向側ホームから眺められない。停車時間が長めの新尾道駅、西明石駅は対向式ホームで、間に通過線が2本ある。ほどよい遠さで、対向側から眺めるには都合がいい。

どちらの駅も、「のぞみ」1本に抜かれるけれど、それにしては停車時間が長い。時期によってはもうひとつ臨時列車が通過するかもしれない。回送列車が設定されているかもしれない。ちなみに下り方向は「さくら」「のぞみ」が通過する。

停車時間がちょっと短いけれど、厚狭駅もおすすめ。約4分間の停車で、時刻表を見る限り追越しもないし、下り列車も通らない。対向側ホームから約4分間、視界を遮られることなく、「500 TYPE EVA」を眺められる……と思う。時刻表に表示されない回送列車などがなければ……だけど。

「500 TYPE EVA」の下り列車を拡大

下り列車の長時間停車駅は新岩国駅の12分間と徳山駅の10分間。「500 TYPE EVA」は両駅で2本の列車に追い越される。上り列車も2本から3本が通過する。ちょっと忙しいけれど、停車時間が長いから眺められる時間も長いし、たくさん列車を眺められるともいえる。「500 TYPE EVA」とN700系が出会うシーンが多いと思えば、おすすめは新岩国駅と徳山駅といえそうだ。三原駅は対向側ホームにも「こだま」が停車するのでよろしくない。

以上から、「500 TYPE EVA」の編成全体を眺めるなら、上り列車は厚狭駅、新尾道駅、西明石駅がおすすめ。下り列車は新岩国駅と徳山駅がおすすめだ。2016年1月1日にはJR西日本の「元日・JR西日本乗り放題きっぷ2016」を利用できる(販売は2015年12月30日まで)。山陽新幹線も乗り放題だから、この機会に「500 TYPE EVA」を満喫しよう。