私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。そのなかには、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

ストレスをためずに節電する

水道光熱費を節約しようと思うと、いちいち電気を消したり、水の出し方をチョロチョロと調節したりと、チマチマしたことが多くなります。それで、一般的には「水道光熱費の節約はストレスばかりたまって、お金は貯まらない」と言われますが、ストレスをためずにムリなく、ムダなく節電できたら、こんなにいいことはありません。

前回は、夏場に電気代がかさむエアコン、冷蔵庫の節電法をご紹介しましたが、今回は、1年中、節電に役立つ情報をお届けします。

テレビの節電

見てないときは消す

朝起きたら、帰宅したら……まず、テレビをつけることが習慣になっていませんか?

つけたまま、ほかのことをして見ていないこともあるのではないでしょうか。「見るときだけつける」「つけっぱなしにしない」「見てないときは消す」を習慣にしましょう。

液晶テレビ(32V型)で1日1時間、テレビをつけている時間を減らした場合、約37.5円/月、450円/年の節約になります。

画面の明るさを調整する

室内の明るさに合わせて、画面の明るさを調整しましょう。節電になるだけではなく、必要以上に画面が明るいと、目が疲れやすくなることも。部屋の明るさに合わせて、画面の明るさを自動調整する「明るさセンサー」という機能がついている場合は利用しましょう。

また、必要以上に音を大きくすることも電力のムダ使いになることをおぼえておきましょう。

炊飯器の節電

保温は4時間までが目安

4時間以上保温すると、保温で消費する電力量よりも、電子レンジで温め直す電力量の方が少なくなります。長時間、保温する場合は2回に分けて炊くのがオススメです。

使わないときはプラグを抜く

1日に7時間保温して、プラグをコンセントに挿しっぱなしの場合と、スイッチがOFFになったらコンセントからプラグを抜いた場合では、抜いた方が約103円/月、1240円/年の節約になります。

電子レンジの節電

野菜の加熱に活用する

根菜類(じゃがいも、里芋)に火を通す場合、ガスコンロではなく電子レンジを使用した場合、93円/月、1120円/年の節約になります。

完全に火を通さなくても、じゃがいも、里芋、大根、にんじん、カボチャなど加熱に時間のかかる野菜は、電子レンジで軽く火を通してから、鍋に移して加熱して調味すると、短時間で調理でき、煮崩れも防げます。

冷凍した肉や野菜の解凍に活用する

完全に解凍しなくても、電子レンジで半解凍後、自然解凍すると短時間で解凍できます。

洗濯機の節電

まとめて洗濯する

ひとり暮らしや大人だけの2人家族などで洗濯物の量が少ない場合は、まとめ洗うのがオススメ。

すすぎ1回の洗剤を使用する

すすぎが1回でOKの液体洗剤を使用すると、電気代も水道代も節約できます。

掃除機の節電

部屋を片づけてから掃除機をかける

床に置いてあるものをどかしながら掃除機をかけると、どうしても使用時間が長くなります。まずは室内に散らかっているものを片づけてから、掃除機をかけるようにしましょう。

掃除機をかける時間を1日1分短縮すると、12.5円/月、150円/年の節約になります。

運転モードを切り替える

「強」「中」「弱」など運転モードが設定されている場合は、カーペットは「強」、たたみは「中」、フローリングは「弱」など調整しましょう。

家にある家電製品の使い方を今一度見直し、ストレスなくムダな電気代を節約しましょう。

※参考資料「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬 2017」経済産業省資源エネルギー庁

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。