私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

1杯=400円のカフェラテは毎日飲むと1年で9万6,000円なり

最近、「ラテマネー」という言葉を知りました。すでにご存じの方も、たくさんいらっしゃると思います。

もともとは、米国で活躍する資産アドバイザー、デヴィッド・バック氏の著書『オートマチック・ミリオネア』(自動的に大金持ちになる方法)に出てくる言葉です。今から14年前の2004年に出版された、ちょっと古い本です。この本のなかで、資産アドバイザーの著者は、「1日数ドルの"ラテ・マネー"が大きな財産を築く」と言っています。

  • "ラテマネー"が多くては、お金は貯まりません

つまり、何気なく飲んでいるカフェラテ代は、1杯で考えると400円程度だけど、それを毎日続けていると、結構な金額になるということ。1杯=400円のカフェラテを、ランチのあとや3時の休憩タイムなど、1日1杯飲む習慣がある場合、その金額は1カ月で、

400円×20回(1カ月の出勤日数)=8,000円

になります。

さらに、それを1年間続けると

8,000円×12カ月=9万6,000円

と10万円弱に。マイボトルを会社に持参して、カフェラテ代を浮かせば、9万6,000円分を貯蓄にまわせたことになります。

貯まる人は何気なくお金を使わない

著者のデヴィット・バック氏は、「毎日、何気なく使ってしまうお金」のことを"ラテマネー"とわかりやすく表現しました。さらに、この本の中では、ラテマネーを浮かした分を「貯金」ではなく「投資」で運用することで、「貯まる」だけではなく「殖える」ことを説いています。

「貯金」か「投資」か、はさておき、長年、貯まらない人と貯まる人を取材させていただいてきた経験から言えるのは、貯まる人は、「何気なくお金を使う」ことがないということです。自分が払うお金にムダがないかを、きっちりとチェックします。

たとえば、旅行に行くときは、旅行サイトをチェックして、自分が希望する旅行プランをより安く提供している旅行代理店を利用します。なんでも安ければいいというのではなく、自分が行きたい場所、泊まりたいホテル、交通機関やその所要時間などを比較して、コスト対満足度が一番、納得できるプランを選択するということです。

やみくもにお金を切り詰めるというのではなく、「削りどころ」と「使いどころ」を決めています。使うときには使うので、お金のストレスがありません。このストレスがないということが、実はお金を貯めるうえでとても重要なことなのです。

"チリ積も"は見逃せない

一方、毎日、何気なくお金を使ってしまう人は、これといったムダ使いをしたり、大きな買い物をした覚えがないのに、気がついたら給料日前にはキレイにお金を使い果たしていたりするような人。いつの間にかお金がなくなっているようでは、いつまで経っても貯蓄は縁遠いことになります。

次のチェック項目で、あなたの"ラテマネー"度=「毎日、何気なく使ってしまうお金」をチェックしてみてください。

  • あなたの"ラテマネー"度チェックリスト

いかがでしたか? 当てはまる項目が多い人は、次にお財布を開くときに、「この出費は本当に必要か?」と自問してみることをオススメします。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。